徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    臨床薬剤学B

科目番号29790担当教員名市川 勤単位1.5単位
科目群専門必修・選択必修開講期後期 対象年次3年
授業概要
(授業目的・方針 等)薬剤師が医療に貢献するために多くの専門科目を学ぶ。本科目は、その中で、薬剤学・薬理学・医薬品情報学・新薬学を基盤とし、臨床における医薬品の適正使用という薬剤師の業務を理解する上で必要な内容を解説する。学ぶべき内容は多く、臨床的に応用されている方法論であるため、講義では基本理論を補完することになる。しかし、学習者主体の講義であり、自学できるように、講義内容に準じた問題をプリントを準備する。なお、理解を深めるために臨床薬剤学Aと連動して講義を進め、相互に内容を補完する。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】【どのような医薬品が医療に適用されているのか】:新医薬品の開発の歴史を通して、薬学における創薬、創剤の素晴らしさを知り、薬剤師として専門的な知識を学ぶ意欲を高める。  
【2】【医薬品を添付文書から考えてみる】:安全に医薬品を適用するためには、添付文書を調べて理解し、行動できることである。重篤な副作用を回避できるための有効な情報として考える。  
【3】【同じ効果の薬、どちらが良いですか?】:と、尋ねられたら、どのように答えるか。そして、その理由・根拠は何か。薬剤疫学やEBMを利用することを学ぶ。さらに情報の質を考えよう。  
【4】【薬用量の実際を学ぶ(その1)】:どのぐらいの量、投与間隔が有効なのか。そして、その指標になるものは何か。さらに薬用量に影響する要因は何か。遺伝子多形、適応症などから考える。  
【5】【薬用量の実際を学ぶ(その2)】:薬物療法や薬物動態の特徴から、小児、高齢者、妊婦などの場合を考える。さらに、遺伝的体質に基づいたテーラーメイド医療について概要を学ぶ。  
【6】【1日1回?、朝?、昼?、夕?】:投与時期、投与回数は医薬品の薬効や動態学的な特性などによって異なる。また、胃酸分泌などの時間生理学的な状況に応じることなどを理解する。  
【7】【薬剤の服用はなぜ、ぬるま湯が最適なのか?】:敢えて、物理化学、体内動態学などの専門知識から理解を進めたい。さらに、苦い粉ぐすりを服用するときの一工夫も知っておきたい。  
【8】【血中薬物濃度モニタリングTDM(その1)】:薬学研究から発展して臨床に導入されたTDM。薬物動態学を基に、いわゆる扱いの難しい薬を、どのように安全に有効に制御するかを学ぶ。  
【9】【血中薬物濃度モニタリングTDM(その2)】:個人差、薬物動態の非線形性、病気の影響(肝疾患、腎疾患、心疾患)、小児、高齢者、妊婦など、TDMでの影響を理解する。  
【10】【血中薬物濃度モニタリングTDM(その3)】:TDMの実例を学び、投与量や投与間隔の設定を薬物動態理論に基づいて演習する。また、母集団ファーマコキネティクスについて理解する。  
【11】【配合と併用(その1)】:薬は一種類のみ処方されることは少ない。理化学的な変化や生体内での動態や薬効の現われに影響することもある。その考え方を学び、将来に備える。  
【12】【配合と併用(その2)薬物動態学的相互作用】:薬物動態の概略を紹介し、吸収における相互作用として、テトラサイクリンなどのキレート形成の問題を考える。そして、食習慣への影響も。  
【13】【配合と併用(その2)薬物動態学的相互作用】:代謝における相互作用、排泄における相互作用について、トランスポーター理論を含めて説明するので、その理論を理解する。  
【14】【配合と併用(その3)薬物動態学的相互作用】:タンパク結合の相互作用は肝代謝と密接に関連した理論で考えられている。それを生理学的な考え方と速度論で考え、理解する。  
【15】【配合と併用(その4)薬理学的相互作用】:受容体など薬物の作用点における相互作用を考える。そして、副作用を軽減できる方法にも応用されていることを理解する。  
評価方法
試験
教科書
教科書:調剤学総論(南山堂)、医薬品の安全性学(廣川書店)
参考図書
日本薬局方、医薬品集、薬理学、薬剤学、医薬品情報学などを参考とする。
備考