徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    機器分析学

科目番号26502担当教員名宗野 真和単位1単位
科目群専門必修・選択選択開講期後期 対象年次2年
授業概要
(授業目的・方針 等)薬品分析学Cを発展させたもので,各種機器分析法の原理から,実際の応用に役立つ構造決定法の詳細を演習形式で学習する.もちろん国家試験をにらんだ内容となっている.
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】実践的赤外線吸収スペクトル:有機化合物の構造と吸収波数との関係を示し,構造解析に役立つことを理解する。日本薬局方の中で赤外線吸収スペクトルが確認試験に用いられている事実を例に取り,複数の官能基と複数の吸収がそれぞれ対応していることを学ぶ。  
【2】質量分析法EI法と高分解能質量スペクトル:質量分析法は電磁波を用いない方法であり,破壊的分析法であることをまず理解する。イオン化の方法としてEI法をまず習得する。さらに分析管の中での物理的挙動について概説し,質量分析の原理を理解する。イオン1つ1つが何を表しているかを理解し,それぞれに対応する組成とは何かを知る。このことから精密質量の測定について利用できるように習得する。  
【3】質量分析法CI, FAB, TOF法:EI法だけではイオン化できない試料につての発展の経過を学習する。化学イオン化法,FAB法などいかに効率よくイオン化しにくい試料をイオン化するかを理解する。また近年その利用法が爆発的に多くなったレーザーイオン化法やTOFMSについても概説する。  
【4】実践的分子量の求め方:分子イオンピークが分子量をあらわすということから,そのピークが分子イオンピークである保証はどこからくるかを実践的に概説する。また分子量がわかったときに分子式はいかにして推定するかの方法論を講義する。  
【5】核磁気共鳴法―原理:核スピンについて理解し,量子数を考え直す。ラジオ波の性質を電磁波の中からとらえてNMRを位置付けする。そのエネルギー遷移が化学的などんなものに対応するかを,ビデオ学習とともに理解する。  
【6】核磁気共鳴法―1H NMR 化学シフト:遷移のエネルギー差の大小が反映するものとしての化学シフトを理解する.その表現としてのHzとppmを学習し,1Hと13Cの違いを体験する。実践的には構造と化学シフトの関係を習得する。  
【7】核磁気共鳴法―1H NMR 積分,カップリング:水素の数を数える積分は一見簡単なことのように思えるのに,この概念を理解してもらうことが案外難しく,多くの学生が悩む点でもある。隣の水素の数に依存するカップリングの分裂の様子を学習し,この情報が構造解析にとても重要であることを体験する。  
【8】核磁気共鳴法―13C NMR 化学シフト:水素の場合と同様に遮蔽の程度が化学シフトに影響しているわけで,その範囲が焼く20倍になっていることをまず理解する。構造とシフト値の関係が構造解析に重要であることを認識する。  
【9】核磁気共鳴法―13C NMR 原子団の区別:13Cの話は水素とは違い,四級炭素以外は常に水素を持っているわけでその影響を無視できない。この事実を理解し,プロトンの場合と混同しないように注意を喚起する。原子団の区別をする時に,結合している水素の数からくるカップリングの様子から混同する学生が例年多い。  
【10】構造解析演習(1):赤外,MS,NMR,時に13CNMRを交えて総合的に構造解析の演習をする。90分で4題くらいをこなす。学生が考えて,その後解説をする。複数の先生が回って個別に指導する時間もあり,このときに自分のものにすることを心がける。  
【11】構造解析演習(2):同様に90分で4題くらいをこなす。学生が考えて,その後解説をする。材料はプリントで渡す。内容は鎖状化合物から芳香族まで各種あり。  
【12】構造解析演習(3):同様に90分で4題くらいをこなす。学生が考えて,その後解説をする。材料はプリントで渡す。内容は鎖状化合物から芳香族まで各種あり。  
【13】構造解析演習(4):同様に90分で4題くらいをこなす。学生が考えて,その後解説をする。材料はプリントで渡す。内容は鎖状化合物から芳香族まで各種あり。  
【14】構造解析演習(5):同様に90分で4題くらいをこなす。学生が考えて,その後解説をする。材料はプリントで渡す。内容は鎖状化合物から芳香族まで各種あり。  
【15】最近の話題―二次元NMR,タンパクのNMR,イメージング (MRI),X線CT,内視鏡:医療機器への応用あるいは高度な研究への応用という意味で最近の話題について少しずつ触れる。特に物理的な原理面の理解を深めて欲しい。  
評価方法
試験とレポート
教科書
「分析化学II](南江堂)とプリント
参考図書
Silverstein et al.著,荒木ら訳「有機化合物のスペクトルによる同定法」(第6版)(東京化学同人)
備考