徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    化学反応論

科目番号34675担当教員名日置 英彰単位1単位
科目群専門必修・選択必修開講期後期 対象年次2年
授業概要
前期で学んだ熱力学は最初と最後の物理的状態から物質の変化を理解する理論で,変化の途中過程,すなわち時間に関する情報を全く欠いている。それに較べて化学反応速度論は時間を中心軸に置き,物質が刻々と変化する過程を理解する現象論的学問で,薬学には重要の理論である。医薬品の合成最適化,安定性の検定,投与後の体内動態の解析などに速度論が不可欠である。本講義では化学反応過程を理解するための基礎となる化学反応速度式の誘導,および反応速度に影響を与える諸因子に関する知識を修得する。なお,本講義の後半では化学反応に影響する電解質溶液と酸化還元に関する基礎的知識を修得する。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】反応次数と速度定数の意味を理解する。  
【2】化学反応速度式を誘導でき,時間における濃度変化が計算できる。  
【3】ゼロ次,一次,二次反応過程の特徴を理解する。  
【4】縣濁剤の分解反応を例として,代表的な擬ゼロ次反応を理解する。  
【5】代表的な複合反応である可逆反応,平行反応,連続反応の特徴を理解し,各々の速度式が誘導できる。  
【6】反応速度に影響を与える因子:温度と反応速度との関係式(Arrheniusの式)を理解し,薬物の安定性と温度の関係を理解する。  
【7】反応速度に影響を与える因子:酸塩基と反応速度の関係式が誘導でき,溶液の pH と反応速度の関係を理解する。  
【8】反応速度に影響を与える因子:溶液のイオン強度の意味と定義を理解し,計算できる。溶液のイオン強度と反応速度の関係を理解する。  
【9】電解質溶液を取り扱う理論 Debye-Huckel の極限法則を理解する。  
【10】酵素触媒反応を理解し,酵素反応の速度式Michaelis-Menten の式が誘導できる。  
【11】化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である化学電池に関与する酸化還元反応と反応が起こる電極の化学反応を理解する。  
【12】代表的な化学電池ダニエル電池の構成について学び,電池の起電力を理解し計算できる。  
【13】電池に関する規約を学び,電池図が書ける。  
【14】可逆電池の起電力は自由エネルギー変化で表されることを理解し,Nernst の式が誘導できる。  
【15】同じ半電池を組み合わせた電池でも電解質濃度を変えるだけで起電力が得られる濃淡電池について理解する.  
評価方法
試験とレポート
教科書
桐野 豊 編  基礎薬学物理化学第2版 (廣川書店)補助教材としてプリントを配布する
参考図書
バーロー著 物理化学上 (東京化学同人) ムーアー著 物理化学上 (東京化学同人)
備考