徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    予防分子栄養学 (Preventive and Molecular Nutrition)

科目番号10218担当教員名藤代 瞳単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期後期 対象年次1, 2年
授業概要
 超高齢化社会を迎えようとしている現在、高齢者の脳病変、免疫能の低下の機構を理解し、その予防法を考える必要がある。人の健康に影響を及ぼす栄養素のうち、特にZnやMn、Feなどの微量元素が生命機能の維持、脳の機能と病変、老化や疾病の防止にどのような役割を果たしているかを分子レベルで理解する。
到達目標
 分子レベルでの栄養学の知識を備え、かつ、実際の医療の場における病態栄養、あるいは健康増進のための予防栄養学の分野で活躍できる指導的な人材の育成を目指す。具体的な履修目標は下記の通り。
・Zn、Mn、Feなどの微量元素の機能、輸送、運搬、蓄積、および、その調節機構について説明できる(知識、技能・表現)。
・微量元素の欠乏、および、過剰による健康影響とその機序、防止方法を説明できる(知識、思考・判断)。
・必須微量元素と有害元素の相互作用、微量元素と他の生体内因子との相互作用を分子レベルで理解し、論述できる(知識。関心・意欲・態度)。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】鉄と健康1:Feの生体機能とその調節機構講義と討論(集中講義を含む)Feの基本情報、代謝などについて情報を収集しておくこと(1時間)
【2】鉄と健康2:Feの欠乏症、過剰症とその機構、予防方法講義と討論(集中講義を含む)Fe過剰症の論文を検索する(1時間)
【3】マンガンと健康1:Mnの生体機能とその調節機構講義と討論(集中講義を含む)Mnの基本情報、代謝などについて情報を収集しておくこと(1時間)
【4】マンガンと健康2:Mnの欠乏症、過剰症とその機構、予防方法講義と討論(集中講義を含む)Mn過剰症の論文を検索する(1時間)
【5】マンガンと健康3:Mnと脳神経機能、脳病変との関連講義と討論(集中講義を含む)Mnの脳への蓄積に関する情報を収集する(1時間)
【6】亜鉛と健康1:Znの生体機能とその調節機構講義と討論(集中講義を含む)Znの基本情報、代謝などについて情報を収集しておくこと(1時間)
【7】亜鉛と健康2:Znの欠乏症、過剰症とその機構、予防方法講義と討論(集中講義を含む)Zn欠乏症の論文を検索する(1時間)
【8】脳疾患と金属:脳神経系におけるFe、Zn、Mnの相互作用講義と討論(集中講義を含む)脳疾患に関わる金属についてまとめを行う(1時間)
【9】免疫能と金属:免疫系におけるFe、Zn、Mnの相互作用講義と討論(集中講義を含む)免疫系に影響を与える金属ついて情報を収集しておくこと(1時間)
【10】消化機能と金属:Fe、Znなど微量元素の消化管吸収機構講義と討論(集中講義を含む)様々な金属の消化管吸収についてまとめる(1時間)
【11】金属輸送体1:金属輸送体の発現調節機構講義と討論(集中講義を含む)金属輸送体の分類や発現について情報収集を行う(1時間)
【12】金属輸送体2:Cd輸送と毒性発現におけるZn, Mn, Feの関与講義と討論(集中講義を含む)Cdについて中毒や毒性発現機構について情報収集を行う(1時間)
【13】金属の定量:金属の化学形態別分析とその生物学的意義講義と討論(集中講義を含む)化学形態別分析の種類や原理について情報を収集する(1時間)
【14】金属のイメージング:金属の臓器・細胞レベルでのイメージング講義と討論(集中講義を含む)最新の金属イメージング技術を使った論文を検索してみる(1時間)
【15】金属間相互作用:Hg、Cdなどの有害金属とZn、Mnなどとの相互作用講義と討論(集中講義を含む)有害金属が生命金属に与える影響について論文を検索する(1時間)
評価方法
課題レポートおよび平常点(80%)討論および授業態度(20%)
レポートに対する解説・講評などは適宜知らせる。
教科書
必要に応じて適宜プリントを配布
参考図書
必要に応じて適宜プリントを配布、「衛星薬学」健康と環境(丸善出版)
備考
授業計画の数項目を外部講師に依頼することがある。亜鉛や鉄、マンガンなどの金属は、欠乏症と過剰症の両方が問題となる。「環境分子毒性学」で対象となる重金属の毒性発現機構と、金属の生理作用とは密接な関係がある。また、タンパク質などの生体分子と金属との相互作用における分子レベルでの理解が重要であり、「医療蛋白質科学」とも関連する。
オフィスアワー:水、金曜17〜18時 (薬物治療学講座:21-0706)
実務経験:平成13年〜平成14年 アース・バイオケミカル株式会社