徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    日本文学史A��

科目番号00070担当教員名上田　穂積単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期後期 対象年次1年
授業概要
(授業目的・方針 等)

日本近代文学の歴史（明治１８年前後から明治４３年前後まで）について講義する。年譜的記述に傾きがちな「文学史」を生成する〈テクスト〉として,読み直してみることを目標としている。その
到達目標
本講義の到達目標は、まず学生自身が各自の問題を意識を持つことから始まる。その問題意識に従って自身の課題を選択し、調査・発表を実施する。「文学史」を単なる知識を得るだけの科目としてではなく、自身の感性の問題としても実感出来るようになることを目標とする。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】虚構としての〈文学史〉(1)原則として講義。ただし、日本文学科の学生は、１年生のみならず平成２３年度入学生から受講した時点で課題の中からそれぞれテーマを選択し、１０分程度の発表を行ってもらうことになる。『入門 日本近現代文芸史』（平凡新書）を読み、その内容をノートに丁寧にまとめる。
【2】虚構としての〈文学史〉(2)従来の年表型文学史の問題を提起し、文学史を学ぶ意味を考察する。『入門 日本近現代文芸史』（平凡新書）を読み、その内容をノートに丁寧にまとめる。
【3】〈制度〉としての文学(1)ー「文学」の登場:逍遥・四迷・鴎外所謂「近代文学」の本格的開始は、その萌芽状況とは別に明治１８年前後からである。今回からその実態と意味について考察する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。前田愛『幕末・維新期の文学』を読むこと。
【4】〈制度〉としての文学(2)ー「文学」の登場:逍遥・四迷・鴎外別に明治１８年前後からである。今回からその実態と意味について考察する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。中村光夫『二葉亭四迷伝』を読むこと。
【5】〈制度〉としての文学(3)ー職業としての「文学」：樋口一葉の場合別に明治１８年前後からである。今回からその実態と意味について考察する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。前田愛『樋口一葉の文学』を読むこと。
【6】明治の文学空間(1)ー硯友社の文学〈文学〉の成立と「文壇」の形成について考究する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。廣津柳浪『変目伝』、泉鏡花『外科室』、尾崎紅葉『多情多恨』を読了のこと。
【7】明治の文学空間(2)ー民友社とベストセラーの誕生〈文学〉の成立と「文壇」の形成について考究する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。徳富蘆花『自然と人生』、『不如帰』を読んでおくこと。
【8】明治の文学空間(3)ー日本自然主義の諸相１本来は浪漫主義文学としての側面を持っていた日本の自然主義文学について考察する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。島崎藤村『破戒』を読了のこと。
【9】明治の文学空間(3)ー日本自然主義の諸相２本来は浪漫主義文学としての側面を持っていた日本の自然主義文学について考察する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。田山花袋『蒲団』を読了のこと。
【10】明治の文学空間(3)ー日本自然主義の諸相３本来は浪漫主義文学としての側面を持っていた日本の自然主義文学について考察する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。島崎藤村『家』および柳田國男『遠野物語』を読了のこと。
【11】明治の文学空間(3)ー夏目漱石という現象１１９１０年前後は、文壇的には自然主義文学、反自然主義の文学という対立構図があったとされている。教科書にもそのように書かれているが、それは果たして正確な理解なのだろうか。今回は「夏目漱石」というキイワードおよび現象からより実体的に考えてみる。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。夏目漱石『現代日本の開化』を読了のこと。
【12】明治の文学空間(3)ー夏目漱石という現象２１９１０年前後は、文壇的には自然主義文学、反自然主義の文学という対立構図があったとされている。教科書にもそのように書かれているが、それは果たして正確な理解なのだろうか。今回は「夏目漱石」というキイワードおよび現象からより実体的に考えてみる。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。夏目漱石『三四郎』を読了のこと。
【13】明治から大正へ(1)ー１９１０年代の文学１９１０年前後は、文壇的には自然主義文学、反自然主義の文学という対立構図があったとされている。教科書にもそのように書かれているが、それは果たして正確な理解なのだろうか。今回は「夏目漱石」というキイワードおよび現象からより実体的に考えてみる。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。図書館で雑誌「白樺」の内容を見ておくこと。
【14】明治から大正へ(2)ー１９１０年代の文学１９１０（明治４３）年から実質的に大正時代の文学が始動している。今回はそのダイナミズムについて考察する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。武者小路実篤『お目出度き人』、上田敏『うづまき』を読了のこと。
【15】明治から大正へ(3)ー１９１０年代の文学ー大逆事件と文学この時期の文学および思想の現実を考えてみるとき、「大逆事件」の与えて影響は計り知れない。今回は、国家権力と文学の問題について考究する。１年〜３年までの学生は自身の課題を追究し、発表の準備を進める。石川啄木『ローマ字日記』、永井荷風『花火』を読了のこと。
評価方法
原則として期末に実施するレポート。また、教場レポートの内容と提出状況。そして、発表の内容により評価する。また、このシラバスの中で指示してある作品および書物を読んでいないことが判明した場合は、大幅な減点を課すので、緊張感を持って、常に勉強し続けることが肝要である。
教科書
高橋・薬師寺編『現代日本文学史』（笠間書院　１８００円）。あとは配付資料による。
参考図書
そのつど指示する。
備考
発表については、別途の日程で発表会を実施することになる。その点を留意しておくこと。したがって、実際の授業回数は２０回前後になる。