授業計画 | 授業形態 | 授業時間外学習 |
---|
【1】 | 1910年代の文学(1)ー私小説の隆盛その1 | 講義。プリント配布。大正時代の文学の特質について考える。 | 宇野浩二「蔵の中」、近松秋江「別れた妻におくる手紙」を読んでおくこと。120分。 |
【2】 | 1910年代の文学(2)ー私小説の隆盛その2 | 講義。プリント配布。大正時代の文学の特質について考える。 | 志賀直哉「城の崎にて」、葛西善蔵「子を連れて」を読んでおくこと。90分。 |
【3】 | 1920年代の文学(1)ー大正から昭和へ | 講義。大正時代という時空間の問題性と新しい時代の文学について考察する。プリント配布。 | 佐藤春夫の「田園の憂鬱」・「都会の憂鬱」、廣津和郎「神経病時代」を読んで、時代とそこに生きた人々の精神的状況の関係をA4のレポート用紙3枚にまとめる。120分 |
【4】 | 1920年代の文学(2)ー関東大震災と文学 | 講義。関東大震災は象徴的な〈事件〉であった。この自然現象が日本の社会や文学に与えた影響について考察する。プリント配布。 | 吉村昭「関東大震災」(文春文庫)を読み、感想文を400字詰原稿用紙3枚に書くこと。120分 |
【5】 | 1920年代の文学(3)ー芥川龍之介の死 | 講義。芥川龍之介の死は、まさしく大正時代の文学の終焉であった。この社会現象化した文学者の死について考える。プリント配布。 | 芥川龍之介「或阿呆の一生」もしくは「歯車」を読んで、その内容をノートにまとめること。90分 |
【6】 | 1920年代の文学(4)ー同人誌の時代 | 講義。大正末期から昭和初期にかけては同人雑誌の全盛期であった。新しい文学の動向をそこから考える。プリント配布。 | 雑誌「青空」を調べ、その特質をノートにまとめておくこと。90分 |
【7】 | 1920年代の文学(5)ープロレタリア文学の擡頭 | 講義。昭和の文学の大きな問題として考えられるプロレタリア文学について解説する。 | 日本の近代文学における政治的問題を考えてみよう。明治社会主義文学、大正労働文学について調べ、ノートに主な作家と作品を一覧表に作成しておくこと。100分 |
【8】 | 1920年代の文学(6)ー新感覚派の登場 | 講義。「文学の革命」として考えられている新感覚派の文学について、どこが新しいのか新感覚なのかを考究する。 | 横光利一「蝿」を読んで、その問題性についてA4のレポート用紙5枚にまとめておくこと。120分 |
【9】 | 1930年代の文学(1)ー〈転向〉の文学 | 講義。政治的弾圧と運動自体の問題から引き起こされた組織の内部崩壊が大量の〈転向〉現象を生み出した。そのことについて解説する。 | 中野重治「村の家」を熟読のうえ、感想文を原稿用紙3枚にまとめる。120分 |
【10】 | 1930年代の文学(2)ー文藝復興期の文学 | 講義。プロレタリア文学の衰退は一時的に「文壇文学」の活性化をもたらした。今回はそうした状況について考察する。 | 谷崎潤一郎「吉野葛」島崎藤村「夜明け前」志賀直哉「暗夜行路」などを読んでおくこと。最低でも240分 |
【11】 | 1930年代の文学(3)ー戦間期の文学その1 | 講義。文藝復興期と重なり合うように、中国大陸では軍事衝突が始まった。「暗い谷間」の時代の文学について考える。 | 保田與重郎「日本の橋」、小林秀雄「無常といふ事」を読んでおくこと。120分 |
【12】 | 1930年代の文学(4)ー戦間期の文学その2 | 講義。戦争と言語態としての「文学」の関係性について考察する。 | 野上弥生子「迷路」、谷崎潤一郎「細雪」、徳田秋声「縮図」、横光利一「旅愁」をすべて読了しておくこと。最低でも300分 |
【13】 | 戦後文学の諸相(1)ー戦時下から戦後へ | 講義。戦中から戦後にかけての状況および新しい時代への文学的動向を考察する。 | 中島敦「山月記」太宰治「12月8日」を読んでおくこと。また図書館地下に配架してある雑誌「近代文学」について手に取って見ておくこと。120分 |
【14】 | 戦後文学の諸相(2)ー「第一次戦後派」の文学 | 講義。いわゆる「戦後派の文学」の理念と現実について解説する。 | 野間宏「暗い絵」を読み、その内容についてレポートを用意しておくこと。120分 |
【15】 | 戦後文学の諸相(3)ー「第二次戦後派」の文学 | 講義。いわゆる「戦後派の文学」の理念と現実について解説する。 | 三島由紀夫「仮面の告白」のあらすじをまとめておくこと。120分 |
【16】 | まとめ | 講義。これまでの内容を概括する。 | |