徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    日本文学演習Ⅰb (Japanese Literature Seminar Ⅰb)

科目番号11511担当教員名中山 弘明単位2単位
科目群専門必修・選択必修開講期通年 対象年次2年
授業概要
(授業目的・方針 等)
日本の主要な近現代作家の、主として短編小説をとりあげて演習を行う。具体的には明治の尾崎紅葉、樋口一葉、夏目漱石から、戦後の三島由紀夫、安部公房あたりまで多彩な作家・作品を扱うことになる。作品を受講者がしっかりと読み込み、図書館などを使って様々な文献を調べ、細部の言葉にこだわりつつ、時代背景や表現技法などを検討していく。各自が前後期必ず作品をテキストから選定し調査・発表をおこなう。授業を進めるうちに「近代文学」の大きな流れや、主要作家についての基礎理解が自然に得られてくるだろう。あわせて先行の研究論文を読みこなす練習もする。「近代文学」を読み、研究していく基本的姿勢が身に付くことを目標とする演習である。文学展などにも参加してもらう。
到達目標
「演習」とは何か、という問題意識を常に念頭に置く。教員による図書館の利用法、基本的な文献類、先行研究やレジュメの作り方の講義を踏まえ、受講者がいずれかの作家・作品を選択し、担当した作品を様々な角度から調査、検討し、毎回、その発表と全体による討議を軸にして進める。全員が前・後期それぞれ必ず発表をすること。発表に際しては資料を用意すること。研究論文、明治期の批評文の調査方法、読解もあわせておこなう。発表作品は全員が読んでくること。発表者は事前に教員によるレクチャーを受ける。そして全員が討議に参加することで、活気ある演習がうまれる。「近代文学」を研究する基本的資質が身につくことを目標とする。
①近代文学、社会についての基本的知識②意欲的な読解の態度③近代文学を読み解き発表する技能④思考を深め近代文学を考究する判断力
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】〈演習〉とは何か? 発表の方法講義とディスカッションテキストの確認
【2】図書館実習 調査の基本図書館実習『浮雲』序の精読 90分程度
【3】レジュメの作り方と先行研究発表作品の決定と講義『浮雲』論文の精読 90分程度
【4】尾崎紅葉『拈華微笑』を読み込む 恋愛の歴史講義とディスカッション「拈華微笑」精読 論文シート作成 90分程度
【5】発表開始『十三夜』の発表 結婚のありかた演習とプレゼンテーション「十三夜」作品精読 論文シート作成 90分程度
【6】泉鏡花『龍潭譚』の発表 異界を旅する演習とプレゼンテーション「龍潭譚」作品精読 論文シート作成 90分程度
【7】国木田独歩『春の鳥』の発表 子供をめぐって演習とプレゼンテーション「春の鳥」作品精読 論文シート作成 90分程度
【8】島崎藤村『突貫』の発表 作家と私生活演習とプレゼンテーション「突貫」作品精読 論文シート作成 90分程度
【9】田山花袋『一兵卒』の発表 戦争について演習とプレゼンテーション「一兵卒」作品精読 論文シート作成 90分程度
【10】夏目漱石『夢十夜』の発表 夢の技法演習とプレゼンテーション「夢十夜」作品精読 論文シート作成 90分程度
【11】研究論文を読む 『夢十夜』論の読解講義とディスカッション『夢十夜』論文の精読 シート作成 90分程度
【12】森鴎外『蛇』の発表 比較文学の手法演習とプレゼンテーション「蛇」作品精読 論文シート作成 90分程度
【13】谷崎潤一郎『刺青』の発表 快楽について演習とプレゼンテーション「刺青」作品精読 論文シート作成 90分程度
【14】研究論文を読む 『刺青』論の読解講義とディスカッション『刺青』論文の精読 シート作成 90分程度
【15】前期のまとめと夏休みの課題講義とディスカッション明治期批評文の精読とシート提出 90分程度
【16】後期のスケジュールとイントロダクション講義とディスカッション夏休みの長編作品課題提出 90分程度
【17】志賀直哉『范の犯罪』の発表 裁判のなりゆき演習とプレゼンテーション「范の犯罪」作品精読 論文シート作成 90分程度
【18】芥川龍之介『藪の中』の発表 殺人と語り演習とプレゼンテーション「藪の中」作品精読 論文シート作成 90分程度
【19】横光利一『蠅』の発表 メディアの手法演習とプレゼンテーション「蠅」作品精読 論文シート作成 90分程度
【20】川端康成『夏の靴』の発表 少女と掌編演習とプレゼンテーション「夏の靴」作品精読 論文シート作成 90分程度
【21】葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』の発表 「労働者」の問題演習とプレゼンテーション「セメント樽」作品精読 論文シート作成 90分程度
【22】中島敦『名人伝』の発表 故事と典拠演習とプレゼンテーション「名人伝」作品精読 論文シート作成 90分程度
【23】井伏鱒二『鯉』の発表 ユーモアについて演習とプレゼンテーション「鯉」作品精読 論文シート作成 90分程度
【24】太宰治『魚服記』の発表 引用と伝説演習とプレゼンテーション「魚服記」作品精読 論文シート作成 90分程度
【25】戦後文学の諸相について講義とディスカッション小レポート「戦後文学について」 90分程度
【26】三島由紀夫『海と夕焼』の発表 イロニーの方法演習とプレゼンテーション「海と夕焼」作品精読 論文シート作成 90分程度
【27】安部公房『赤い繭』の発表 変身譚の方法演習とプレゼンテーション「赤い繭」作品精読 論文シート作成 90分程度
【28】現代文学の可能性 実験の手法と可能性講義とディスカッション小レポート「ジェンダー問題について」90分程度
【29】レポートの基本と課題 レポートの書き方講義とディスカッションまとめのレポート作成 90分程度
【30】一年間の演習のまとめ 講義とディスカッションレポートの作成と提出
評価方法
前期末に明治期の批評文を読み解く課題、夏休みには長編小説を読む課題レポート、そして発表の成果をまとめた最終レポートに平常点を加味する。なによりも普段の演習への意欲的取り組みが評価の基本。
70%レポート 30%平常の演習への参加や出席
教科書
石井和夫・小林修編『近代文学読本』(双文社出版)
※ テキストは毎時使用するが現在市販されていないため、受講者が揃ったところでまとめて教員が購入し集金する
参考図書
『近代作家研究事典』(おうふう)その他、毎時具体的に発表者に指示する。
備考
発表に際しては、研究室で細かな事前指導・レクチャーを行う。発表スケジュールは受講者が確定したところで再度発表する。
水曜日10::45から12:15 研究棟(7号館)6階研究室