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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】日本文学講読ＤⅠ (Japanese Literature DⅠ)

科目番号	11515	担当教員名	中山　弘明	単位	2単位

科目群	専門	必修・選択	選択	開講期	前期	対象年次	2年～

授業概要
(授業目的・方針等) 小説を読む楽しさ、喜び、怖さ、不思議さ。こうした素朴な問題に立ち返って考えてみよう。文学も一つのジャンルであり、メディア表現である以上、我々が普段何気なくおこなっているTVを見たり、CDを聴いたり、映画を見たり、雑誌を読んだりする行為と、何らかの共通性や異質性を確認出来るはずだ。前期のこの授業では、江戸川乱歩の作品をとりあげる。むろんただの娯楽読み物として扱うわけではない。その中から、記号と暗号・迷宮・ユートピア・群衆・都市空間・性と快楽・科学と機械・戦争と肉体といったトピックスを取り出して検討していく。様々な古典的ミステリーをどん欲に読んでいく努力が必要となる。ミステリーを読むことで、作品の基本的な技法の理解が身に付く。そして「乱歩」を通して現代人である受講者一人一人が、その生き方を捉え直すことが大切である。
到達目標
基本的には講義形式をとるが、ディスカッションで受講者の意見を随時聴きながら、考える。毎時小レポートで確認する。また映画、画像、朗読テープなども活用して、小説をより活き活き捉えることを目標としたい。古典的ミステリーをリストの中から読んで課題をシーﾄにして提出してもらう。「乱歩」を通して現代人である受講者一人一人が、空間・時間などその生き方を捉え直すことを目標とする。小説を読むことの面白みをどれだけ超えられるかが目標と言える。 ①近代文学、社会についての知識や理解力②意欲的な読解する態度③近代文学を読み解く技能④思考を深め日本の近代文学を考究する専門知識思考・判断力の養成

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	江戸川乱歩をどのくらい知っているか?	講義とディスカッション	ミステリーの基礎知識確認
【2】	『二銭銅貨』を読む	講義とディスカッション	『二銭銅貨』を精読する 90分程度
【3】	『二銭銅貨』と暗号社会　暗号の意味するもの	講義とディスカッション	古典ミステリーシートの作成 90分程度
【4】	『黄金虫』とポー　比較文学の視点	講義とディスカッション	小レポート「ポー作品を読む」90分程度
【5】	『D坂の殺人事件』と都市空間　空間を認識する	講義とディスカッション	『Ｄ坂の殺人事件』を精読する 90分程度
【6】	『心理試験』における心理分析　心理は外部に現れるのか	講義とディスカッション	『心理試験』を精読する 90分程度
【7】	『陰獣』とメタフィクション　フィクションを超えるもの	講義とディスカッション	『陰獣』精読　古典ミステリーシートの作成 90分程度
【8】	『屋根裏の散歩者』におけるアパート空間　アパートという場所	講義とディスカッション	『屋根裏の散歩者』を精読する 90分程度
【9】	ミステリーと〈遊歩〉と視角　遊歩するということ	講義とディスカッション	古典ミステリーシートの作成 90分程度
【10】	『人間椅子』における触覚のありかた　カメラと視ること	講義とディスカッション	『人間椅子』を精読する90分程度
【11】	触覚と快楽の関係性	講義とディスカッション	古典ミステリーシートの作成
【12】	『鏡地獄』における鏡像と自己　鏡をとおして見えるもの	講義とディスカッション	『鏡地獄』を精読する 90分程度
【13】	『芋虫』と近代における戦争　戦争と身体	講義とディスカッション	『芋虫』を精読する 90分程度
【14】	『少年探偵団』の世界　二十面相と明智小五郎　ジュブナイルの世界	講義とディスカッション	『少年探偵団』を精読する 90分程度
【15】	まとめ　「乱歩」とは何であったか？	講義とディスカッション	プリントの整理とノート確認

評価方法
学期末テストとミステリーをめぐる課題レポート、シートとの提出などの平常点。割合は試験７０パーセント　課題提出３０パーセント
教科書
江戸川乱歩著『江戸川乱歩傑作選』(新潮文庫) 毎時使用する。ほかにプリントも毎時間配布する。
参考図書
ポー『黒猫・黄金虫』（新潮文庫）、乱歩『幻影城』（各種乱歩全集）各種の江戸川乱歩作品

備考
古典的ミステリー作品のリストに従って、様々なミステリー作品を読んでもらう。オフィスアワー水曜日１０：４５から１２：１５研究棟(7号館)6階研究室