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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】日本文学講読ＤⅠ

科目番号	30060	担当教員名	中山　弘明	単位	2単位

科目群	専門	必修・選択	選択	開講期	前期	対象年次	2年～

授業概要
(授業目的・方針等) 小説を読む楽しさ、喜び、怖さ、不思議さ。こうした素朴な問題に立ち返って考えてみよう。文学も一つのジャンルであり、メディア表現である以上、我々が普段何気なくおこなっているTVを見たり、CDを聴いたり、映画を見たり、雑誌を読んだりする行為と、何らかの共通性や異質性を確認出来るはずだ。後期のこの授業では、江戸川乱歩の作品をとりあげる。むろんただの娯楽読み物として扱うわけではない。その中から、記号と暗号・迷宮・ユートピア・群衆・都市空間・性と快楽・科学と機械・戦争と肉体といったトピックスを取り出して検討していく。様々な古典的ミステリーをどん欲に読んでいく努力が必要となる。ミステリーを読むことで、作品の基本的な技法の理解が身に付く。そして「乱歩」を通して現代人である受講者一人一人が、その生き方を捉え直すことが大切である。
到達目標
基本的には講義形式をとるが、受講者の意見を随時聴きながら、考える。また映画、画像、朗読テープなども活用して、小説をより活き活き捉えることを目標としたい。古典的ミステリーをリストの中から読んで課題を提出してもらう。「乱歩」を通して現代人である受講者一人一人が、その生き方を捉え直すことを目標とする。 ①文学、社会についての知識や理解力②意欲的な読解する態度③文学を読み解く技能④思考を深め日本の近代文学を考究する専門知識思考力

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	江戸川乱歩をどのくらい知っているか?	講義と質疑応答	ミステリーの基礎知識確認
【2】	『二銭銅貨』を読む	講義と質疑応答	『二銭銅貨』精読
【3】	『二銭銅貨』と暗号社会	講義と質疑応答	古典ミステリーシートの作成
【4】	『黄金虫』とポー	講義と質疑応答	小レポート「ポー作品を読む」
【5】	『D坂の殺人事件』と都市空間	講義と質疑応答	『Ｄ坂の殺人事件』精読
【6】	『心理試験』における心理分析	講義と質疑応答	『心理試験』精読
【7】	『陰獣』とメタフィクション	講義と質疑応答	『陰獣』精読
【8】	『屋根裏の散歩者』におけるアパート空間	講義と質疑応答	『屋根裏の散歩者』精読
【9】	ミステリーと〈遊歩〉と視角	講義と質疑応答	古典ミステリーシートの作成
【10】	『人間椅子』における触覚のありかた	講義と質疑応答	『人間椅子』精読
【11】	触覚と快楽の関係性	講義と質疑応答	古典ミステリーシートの作成
【12】	『鏡地獄』における鏡像と自己	講義と質疑応答	『鏡地獄』精読
【13】	『芋虫』と近代における戦争	講義と質疑応答	『芋虫』精読
【14】	『少年探偵団』の世界　二十面相と明智小五郎	講義と質疑応答	『少年探偵団』精読
【15】	まとめ　「乱歩」とは何であったか？	講義と質疑応答	プリントの整理とノート確認

評価方法
学期末テストとミステリーをめぐる課題レポート、シートとの提出などの平常点。割合は試験７０パーセント　課題提出３０パーセント
教科書
江戸川乱歩著『江戸川乱歩傑作選』(新潮文庫) 毎時使用する。ほかにプリントも毎時間配布する。
参考図書
ポー『黒猫・黄金虫』（新潮文庫）、乱歩『幻影城』（各種乱歩全集）各種の江戸川乱歩作品

備考
古典的ミステリー作品のリストに従って、様々な作品を読んでもらう。オフィスアワー水曜日１０：４５から１２：１５