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徳島文理大学短期大学部 |
科目番号 | 30029 | 担当教員名 | 大久保 徹也 | 単位 | 4単位 |
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科目群 | 専門 | 必修・選択 | 選択 | 開講期 | 前期 | 対象年次 | 1 |
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授業概要 |
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(前期の課題)考古学研究上、最初の基礎的で重要な資料操作手続きは資料の年代比定である。関係する一群の資料の相対的な新旧の関係を判定する、すなわち編年作業である。考古学が歴史学研究の一翼を担い時間経過の中で発生する変化に注目し、その背景・要因の考究に進む以上、当然といえる。本研究では考古資料の年代比定(編年)論をめぐる学説を点検し、その特性と課題を確認する。換言すれば型式学(タイポロジー)の再検討である。しばしば型式学はその一部作業(仮説設定)のみを取り出されその限界が指摘されてきたが、本来は仮説提示と検証、二つの過程を一体的に検討すべきものである。前者はもちろん考古資料そのものの形態的特長・材質・製作手法の総合的な観察が基礎になるし、後者仮説の検証は主として対象資料の出土状況(=遺跡における埋没状態 換言すれば遺跡形成状況)の面から進められることになる。したがって遺跡・遺物に対する幅広い目配りと周到な観察が不可欠であることにも注意を向けてもらいたい。 (後期の課題)弥生・古墳時代社会論 これまでの弥生・古墳時代研究は究極の研究目標をどこに設定してきたか?古墳研究を手がける場合においても、古墳そのものの分析はさらにその背後にある当該社会の特質を追求する一つの手段と位置づけられてきたことを理解しなければならない。本研究では弥生・古墳時代社会のいかなる側面に注視し、どのように当該時期社会の時代的特質を提示しようとしてきたか?主要学説を点検しながら弥生・古墳時代社会論の現状と課題に迫りたい。 |
到達目標 |
(前期の目標)論文作成に向けてあらためて『知識』として考古学研究の基礎、型式学(タイポロジー)的研究法の特質と課題を理解し、自らの研究に適切に応用する『態度』と能力(『技能』)を習得する。 (後期の目標)自己の古墳研究を推進するにあたって、あらためてその(究極の)針路と地平を見据えておく必要がある。本研究はその部分を養う機会としたい。 |
授業計画 | 授業形態 | 授業時間外学習 | |
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【1】 | 初期の型式学 モンテリウスを読むその1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【2】 | 初期の型式学 モンテリウスを読むその2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【3】 | 初期の型式学 モンテリウスを読むその3 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【4】 | 近藤義郎 原始資料論を読むその1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【5】 | 近藤義郎 原始資料論を読むその2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【6】 | 近藤義郎 原始資料論を読むその3 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【7】 | 小林行雄の様式論 初期構想とその背景 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【8】 | 小林行雄の様式論 図解考古学辞典を読む | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【9】 | 概念の整理 型式 形式(器種)様式 系統1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【10】 | 概念の整理 型式 形式(器種)様式 系統2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【11】 | 山内清男の様式論 縄文土器の大別と細別1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【12】 | 山内清男の様式論 縄文土器の大別と細別2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【13】 | 層位学の原点とその展開1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【14】 | 層位学の原点とその展開2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【15】 | 方法論まとめ | 総評 | 討論レジュメ作成 |
【16】 | 近藤義郎 弥生文化論を読む1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【17】 | 近藤義郎 弥生文化論を読む2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【18】 | 近藤義郎 弥生文化論を読む3 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【19】 | 近藤義郎 弥生文化論を読む4 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【20】 | 都出比呂志の修正意見1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【21】 | 都出比呂志の修正意見2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【22】 | 西嶋定生「古墳と大和政権」を読む | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【23】 | 近藤義郎「前方後円墳の時代」における深化と変容を探る1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【24】 | 近藤義郎「前方後円墳の時代」における深化と変容を探る2 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【25】 | 近藤義郎「前方後円墳の時代」における深化と変容を探る3 | 論文講読と討論 | 課題論文精読 ノート作成 討論レジュメ作成 |
【26】 | 都出比呂志の初期国家論を読む1 | 論文講読 | 課題論文精読 ノート作成 報告レジュメ作成 |
【27】 | 都出比呂志の初期国家論を読む2 | 論文講読と討論 | 課題論文精読 ノート作成 討論レジュメ作成 |
【28】 | その後の弥生・古墳時代社会論とその行き詰まり1 アジア的生産様式論の残影 | 討論 | ノート作成 討論レジュメ作成 |
【29】 | その後の弥生・古墳時代社会論とその行き詰まり1 共同体論・首長制論の形骸化1 | 討論 | ノート作成 討論レジュメ作成 |
【30】 | その後の弥生・古墳時代社会論とその行き詰まり1 共同体論・首長制論の形骸化2と研究の展望 | 討論 | 討論レジュメ作成 |
評価方法 |
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レポート(100%) |
教科書 |
なし |
参考図書 |
(前期)モンテリウス「研究法」、近藤義郎「原始資料論」、小林行雄「様式論」、山内清男「縄文土器の大別と細別」、日本考古学を学ぶ1所収関係論文 岩波講座日本考古学「研究法」以上はただちに入手しておくこと。所在等不明な場合は問い合わせられたい。 (後期)近藤義郎/弥生文化論 近藤義郎前方後円墳の時代 西嶋定生/古墳と大和政権 都出比呂志/農業共同体と首長権 都出比呂志/日本古代の初期国家 以上の文献は講義の関連部分開始前に入手してあらためて熟読しておくこと |
備考 |
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原則として月曜日午後在室。ただし調査指導などの理由により学外に出ることもあるので、質問等がある場合は事前にメールでアポをとることが奨める。 連絡先→tokubo@me.com |