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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】文学Ａ (Literature A)

科目番号	14582	担当教員名	後藤　立夫	単位	2単位

科目群	一般	必修・選択	選択	開講期	前期	対象年次	2年

授業概要
優れた文学作品は、読む人の感性や感情を刺激し、思考を深め、人間の成長を促す。世界の名作「星の王子さま」の精読・鑑賞(精読）をとおして、巧みに喚起されている現代社会の種々の課題に気づくとともに、王子と飛行士のとの交流を通して、その課題の解決を示唆する作者の思いを受け止める。こうしたことを通して授業参加者は、自己確立を図り人としての望ましいあり方、生き方についての内省を深める。（状況によりグーグルクラスルームを併用する。）
到達目標
１　知識（理解）　　　文体（比喩表現）の特徴･語句、各章の内容、作品のテーマが理解できる。２　態度（関心･意欲）予習ノート作成。(授業の前に各章ごとの疑問や理解できたことや、想像したこと、思索したことを　　　　　　　　　　　まとめておく）　　　　　　　　　　予習プリント等で作品への理解を深めると共に、同じ作者の他の作品もすすんで読む。３　技能（表現）　　想像力と思考力を働かせて理解し鑑賞したことを、「このように作品を読んだ」というレポートにま　　　　　　　　　　とめ表現する。４　思考･判断　　　作品の精読を通して社会の現実に目を見開き、その社会の中での生き方･在り方への思いを深める。

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	サン＝テグジュペリの生きた軌跡と作品群との関係性についての理解を図る。作品が書かれた頃のフランスの状況が理解できる。	講　義　　　略年表を利用	事前準備　受講者はテキストを購入し、通読してくおくこと。1H 復　　習　復習ノート作成1H
【2】	事前に作成した感想を述べ合い、多様なイメージを喚起する作品へのアプローチについて意見交換する。文学と読書の関係について理解する。　献辞を読み、この作品を受け止めるための読者の心得を知る。	感想を述べ合う。講義	予習　「星の王子様」全文を読み、感想をまとめておく。(200字程度)1H 復習　復習ノートの作成1H
【3】	1章のウワバミの話から、その表現の特徴を知る。読解のためのアプローチの方法（比喩表現法）を身につける。　　　　　　イメージを膨らませ1号の絵の示すこわさを理解する。	講義ディスカッション	予習　比喩的表現について、具体的な事　　例をノートにまとめおく。1H 復習　復習ノートの作成1H
【4】	4章から、おとなと子どもの違いが理解できる。飛行士（筆者）は、おとなのための表現上の配慮をなぜしなければならなかったのか。それはどのような表現なのか。	講義ディスカッション	予習　1～５章を熟読し、読解上の疑問　　や理解できたことをノートにまとめ　　ておく。1H 　　　文体の特徴をつかむ。復習　復習プリント課題をする。1H
【5】	バオバブはなぜ巨大化するのか。本作品の読み方に従って５章のバオバウの木のけんのんな話を読み、その寓意からイメージを広げ、1944年頃のヨーロッパ情勢や今の世界情勢や社会状況に思いを馳せながら、作者からの真剣な警告を受け止める。	口頭発表講義ディスカッション	予習　5章を熟読し、バオバブのけんの　　んさによって想起される現代社会の　　状況について、考えてみる。1H 復習　復習プリント課題をする。1H
【6】	7～９章　その１　「王子と花の関係」を踏まえ、王子さまの心配事を理解する　とともに、王子さまにとっての「とてもだいじなこと」につ　いて、議論し理解を深める。私たちにとって、何が一番大事　なことなのかを、各人毎に再確認する。	口頭発表講義ディスカッション	予習　７～９章を読み、花と王子、王子　　　とヒツジ、飛行士と王子の関係に　　　ついて整理しておく。1H 復習　復習ノートの作成。1H 　　　プリント課題をする。
【7】	７～9章　その２　王子は花を愛してはいたが、その愛を成就できなかったのは　なぜかを踏まえ、｢愛する｣ということについての考察を深め　る。　　　第一部では作者は「おとなと子ども」の対比を際立たせて　表現しいているが、その意図を理解し、第1部で筆者が提示　した問題、テーマを理解する。	口頭発表講義質疑応答	予習　世の中には様々な愛の形がある　　　　が、そんな話の一つが披露できる　　　ように準備しておく。1H 復習　復習課題をする。1H 。
【8】	第2部　　その１　１０章～16章　各章に登場する｢おとな｣はそれぞれどういうところが「へ　　ん」なのか。なぜ彼らはその星に一人なのだろうか。各人が　変でないと思う自分のおとな像を描いてみる。	口頭発表講義グループ討議ディスカッション	予習　１０章～16章を熟読し､解釈上の　　　　疑問点をまとめておく。1H 復習　復習ノートの作成1H
【9】	第2部　その２　１０章～16章　　人は何に突き動かされて生きているのか。「おとな」社会の　の惹起する種々の問題（紛争、環境問題）等が市場主義経済　により生じている事を理解し、その中で｢飲み込まれる｣事なく、しかるべき生き方をしていくことについて思いを深める。	講義グループ討議　質疑応答ディスカッション	予習　１０章～16章を熟読し解釈上の疑　　　問点をまとめておく。　　　ウルグアイのホセ・ヒムカ大統領　　　とマリーテレサについて調べ、そ　　　の生き方や考え方に対して意見を　　　まとめておくこと。1H 　復習　復習ノートの作成1H
【10】	第3部　１７～20章　　　　　この場面の時系列的位置づけができる。王子がなぜ砂　　　　漠にいるのかがわかる。20章の時点における花に対す　　　　る王子の認識を明らかにする。	口頭発表講義質疑応答	予習　17章～２０章までを詳しく読んで　　おく。20章の王子が「つっぷしてな　　いた」理由をまとめておく。1H 復習　復習課題をする。1H
【11】	２１章　すばらしい描写を味わう。　　　「ともだち」になるためには。「なる（かいならす）」　　　とどうなるのか。キツネとの関係で王子はどのように変　　　容したのか。「大切なもの」のために「生きること・そ　　　の生き方とは」について議論を深め共感を図る。	口頭発表　講義質疑応答	予習　２１章を読み、狐との接触が王子　　　に何をもたらしたかについてまと　　　めておく。その結果、花に対する　　　認識がどう変容したのか。1H 復習　復習課題をする。1H
【12】	２２～２３章　　　おとなたちの生き方、時間の使い方についての描写を通　　して、人生における、有効な時間の使い方を探る。　　　取り上げられて困るような大切なものについて意見交換　　し、自己を見つめる。	口頭発表講義質疑応答	予習　２２～２３章を熟読し、解釈上の　　　疑問点をまとめておく。1H 復習　復習課題をする。1H
【13】	２４・２５章　　　描写のすばらしさを味わい、その工夫に触れる。　　　飛行士の「一番大切なもの」について理解ができる。　　　それを得るためにはどうするかを二人の行動をとおして　　　理解し、それを得ることのすばらしさを実感する。　　　　　「キツネ、王子、飛行士、読者」へと伝播された「あり　　　方、生き方」を通じての、筆者のメッセージを受け止め　　　テーマに迫る。	口頭発表講義	予習　２４・２５章を読んで作品のテー　　マを考える1H 復習　復習課題をする。1H
【14】	２６・２７章　　　描写のすばらしさを味わう。　　「一番大切なものは目に見えない」がそれを得るためにはどうすればよいのか。二人の行動をとおして理解し、それ　　を得た人たちがそれをどう人生に反映していくことができ　　るのか。個人の生き方の重要な柱の確立に向けて思考を深　　める。　テーマを理解する。その２	講義質疑ディスカッション	予習　２６・２７章を読んで作品のテー　　マを考える。作品に託して読者に何　　を伝えようとしたのかをまとめておく。1H 復習　復習課題で確認1H
【15】	まとめ　読後感を話し合う。　　　　シラバス目標の達成を踏まえて授業評価をする。		予習　レポートの作成にかかる。1H 復習　提出用レポートの作成。1H

評価方法
1　ノート（予習復習記録）課題プリント点検１回。1０％。授業態度（進んで授業に参加しようとしたか。求められると意　見が発表できる。グループ討議への積極的参加。遅刻等の有無）３０％。最終課題レポート。６０％。２　レポートについては、授業中に求めるものについて解説し、その趣旨に沿っているか、自分の考えが反映したものに　　なっているか。等。
教科書
「星の王子さま」（　内藤　濯　訳）岩波書店　を各自購入しておくこと。
参考図書
「夜間飛行」サン＝テグジュペリ　中公文庫　｢人間の土地｣サン＝テグジュペリ　中公文庫　｢星の王子様の世界｣塚崎幹夫　中公文庫　｢星の王子様のプレゼント｣小島俊明　中公文庫　「星の王子様」が教えてくれたこと　ポール・ムニエ　富士野邦夫訳訳　ランダムハウス講談社　「君たちはどう生きるか」　吉野源三郎作　マガジンハウス「星の王子さま」を哲学する　甲田純生　ミネルヴァ書房　「戦う操縦士」サン＝テグジュペリ　鈴木雅生　訳　光文社古典新約文庫

備考

オフィスアワー：原則として月曜日の午後を質問の受付日とする。短大部長室
実務経験：　　　昭和45年～平成17年　徳島県立学校教員　徳島県行政職員（教育委員会・知事部局）
科目ナンバー：
クラスコード:　　oqcvho2 遠隔授業のクラスコードです。これを使ってグーグルクラスルームに参加してください。
　