徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    日本語概説(文学A)

科目番号13430担当教員名後藤 立夫単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期前期 対象年次2年
授業概要
優れた文学作品は、読む人の感性や感情を刺激し、思考を深めるなど、人間の成長を促す。世界の名作「星の王子さま」の精読・鑑賞(精読)をとおして、巧みに喚起されている現代社会の種々の課題に気づくとともに、王子と飛行士のとの交流を通して、その課題の解決を示唆する作者の思いを受け止める。こうしたことを通して授業参加者は、自己確立を図り、人としての望ましいあり方、生き方についての内省を深める。(状況によりグーグルクラスルームを併用する)
到達目標
【到達目標】1 知識(理解) 文体(比喩表現)の特徴。語句、作品のテーマが理解できる。
2 態度(関心・意欲)予習ノート作成。(授業の前に各章における疑問や理解できたこと、気づいたことや、想像したこ 
  と、思索したことをまとめておき、授業における意見交換に役立て、根拠をもって意見を交換できる。
          同じ作者の他の作品もすすんで読む。
3 技能(表現)  想像力と思考力を働かせて理解し鑑賞したことを、「このように作品を読んだ」というレポートにま          とめ表現する。
4 思考・判断   作品を精読して社会の現実に目を見開き、その社会の中での自己の生き方・在り方への思いを深める。 
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】サン=テグジュペリの生きた軌跡と作品群との関係性についての理解を図る。作品が書かれた頃のフランスの状況が理解できる。
 
・講義
・略年表を利用。
[予習]作者について調べる。受講者はテキストを購入し、通読しておくこと。1H

[復習]演習問題の振り返り1H
【2】感想を述べ合い、多様なイメージを喚起する作品へのアプローチについて意見交換する。文学作品と読書についての関係を理解する。献辞を読み、なぜレヲン・ウェルトにこの作品をささげたかを理解し、この作品を受け止めるための読者の心得を知る。
 
・感想の口頭発表
・講義
・質疑応答
[予習]全文を読んで感想文を200字程度にまとめておく。1H

[復習]復習プリント1H
【3】1章のウワバミの話から、1号の絵の示す「こわさ」とは何かを議論し理解する。
表現の特徴を理解し、作品へのアプローチの方法(比喩表現法)を身につける。  
・講義
・ディスカッション
[予習]比喩表現について調べ、本文との関連性を考察しておく。1H

[復習]復習プリント1H
【4】4章から「おとな」「こども」について。飛行士は「おとな」に何を(伝えるべきことを)伝えようとして、そのためにどのように工夫したのか。   ・講義
・ディスカッション
[予習]1〜5章を精読し、疑問や理解できたことをとにまとめておく。1H

[復習]復習プリント1H
【5】5章を読み、バオバブとは何か。なぜ巨大化するのか。なぜけんのんなのか。バオバブの寓意からイメージを広げ、1944年頃のヨーロッパ情勢や、現在の社会情勢について思考する。・口頭発表
・講義
・グループ討議
[予習]5章のバオバブのけんのんなイメージから想起される現代社会の状況について、その関連性を関し取る。1H

[復習]復習プリント1H
【6】7〜9章 その1
 「王子と花の関係」を踏まえ、王子さまの心配事を理解する とともに、王子さまにとっての「とてもだいじなこと」につ いて、議論し理解を深める。私たちにとって、何が一番大事 なことなのかを、各人毎に再確認する。
        
・講義
・グループ討議
[予習]7〜9章 花と王子、王子とヒツジ、飛行士と王子の関係をノートにまとめる。1H

1H
【7】7〜9章 その2
 王子は花を愛してはいたが、その愛を成就できなかったのは なぜかを踏まえ、「愛する」ということについての考察を深め る。 
  第一部では作者は「おとなと子ども」の対比を際立たせて 表現しいているが、その意図を理解し、第1部で筆者が提示 した問題、テーマを理解する。             
・口頭発表
・講義
・グループ討議
[予習]世の中には様々なあいの形がある。愛するということについて考えをまとめてみよう。
1H
【8】第2部  その1 10章〜16章
 各章に登場する「おとな」はそれぞれどういうところが「へ  ん」なのか。なぜ彼らはその星に一人なのだろうか。各人が 変でないと思う自分のおとな像を描いてみる。           
・感想の口頭発表
・講義
・質疑応答
[予習]解釈上の疑問をノートに書き出しておく。1H
【9】第2部 その2 10章〜16章 
 人は何に突き動かされて生きているのか。「おとな」社会の の惹起する種々の問題(紛争、環境問題)等が市場主義経済 により生じている事を理解し、その中で「飲み込まれる」事なく、しかるべき生き方をしていくことについて思いを深める。
・講義、
・質疑応答
・ディスカッション
[予習]解釈上の疑問をノートに書き出しておく。1H
【10】第3部 17〜20章 
    この場面の時系列的位置づけができる。王子がなぜ砂    漠にいるのかがわかる。20章の時点における花に対す    る王子の認識を明らかにする。            
・口頭発表
・講義
・質疑応答 グループ討議
[予習]予習 17章〜20章までを詳しく読んで  おく。20章の王子が「つっぷしてな  いた」理由をまとめておく。1H
【11】21章 すばらしい描写を味わう。
   「ともだち」になるためには。「なる(かいならす)」   とどうなるのか。キツネとの関係で王子はどのように変   容したのか。「大切なもの」のために「生きること・そ   の生き方とは」について議論を深め共感を図る。             
・口頭発表
・講義
・質疑応答
[予習]21章を読み、狐との接触が王子   に何をもたらしたかについてまと   めておく。その結果、花に対する   認識がどう変容したのか。1H
1H
【12】24・25章
   描写のすばらしさを味わい、その工夫に触れる。
   飛行士の「一番大切なもの」について理解ができる。
   それを得るためにはどうするかを二人の行動をとおして   理解し、それを得ることのすばらしさを実感する。     「キツネ、王子、飛行士、読者」へと伝播された「あり   方、生き方」を通じての、筆者のメッセージを受け止め   テーマに迫る。             
・口頭発表
・講義
・質疑応答
[予習]22・23章を精読しておく。1H
【13】24.25章 描写のすばらしさを味わい、その工夫に触れる。・口頭発表
・講義
・ディスカッション
[予習]22、23章を精読しておく。1H
【14】26・27章
   描写のすばらしさを味わう。
  「一番大切なものは目に見えない」がそれを得るためには  どうすればよいのか。二人の行動をとおして理解し、それ  を得た人たちがそれをどう人生に反映していくことができ  るのか。個人の生き方の重要な柱の確立に向けて思考を深  める。
 テーマを理解する。その2               
・講義、
・質疑応答
・ディスカッション
[予習]習 26・27章を読んで作品のテー  マを考える。作品に託して読者に何  を伝えようとしたのかをまとめておく。1H
1H
【15】まとめ 読後感を話し合う。シラバス目標の達成を踏まえて授業評価する。・講義、質疑応答
   
[予習]レポートの作成1H
評価方法
1 ノート、予習復習ノート。提出物点検等。10%。授業態度(積極的に授業に参加したか。求められると意見が発表で きる。グループ討議への積極的参加。遅刻等の有無)30%。最終課題レポート。60%。
2 レポートについては授業中に求めることについて解説する。評価は、求める趣旨に適応しているか否かによる。
教科書
「星の王子さま」サンテグジュペリ作 内藤 濯 訳 出版社 岩波少年少女文庫
参考図書
「夜間飛行」サン=テグジュペリ 「人間の土地」サン=テグジュペリ 「星の王子様の世界」塚崎幹夫 中公文庫 「星の王子様のプレゼント」小島俊明 中公文庫 「星の王子様」が教えてくれたこと ポール・ムニエ 富士の邦夫訳訳 ランダムハウス講談社 「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎作 マガジンハウス 「戦う操縦士」サン=テグジュペリ 鈴木雅生訳 光文社古典新約文庫 「星の王子さま」を哲学する 甲田純生著 ミネルヴァ書房 
備考
オフィスアワー:質問の受付は火曜日の午後・短大部長室とする。
実務経験:昭和45年〜平成17年 徳島県立学校教員 徳島県行政職員

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