徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    日本文学史

科目番号54884担当教員名西田 誠単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期後期 対象年次1年
授業概要
 日本文学は、長い時を経て形作られた「伝統」と、長い時ゆえに求められた多様性とにある。その典型は、近世(江戸時代)の俳諧文学に示される。芭蕉に代表される、近世俳諧作者の作品の一つひとつが、伝統と、これに対して求められた「新しみ」の〈到達点〉である。授業では、日本文学の歴史を、出発点からではなく、この「到達点」から見ることになる。
 文学史を学ぶことよりも、文学史の学びを通じて、「伝統」とは? 「新しみ」とは? これらのことを考え、自分なりの考えを持ち、多様な価値観、そして、論理的思考力を養うことが大きな目的となる。
到達目標
日本の文学作品を一つ選び、文学史を踏まえての作品論文を作成する。そのために必要な事項を知り、これまでの文学史論(先行研究)を理解する。事項・先行研究・概念については、授業内容に応じてその都度、小試験・レポートにより確認する。「授業時間外学習」に示したものは、その時間において理解すべき事項である。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】文学史を学ぶ目的。講義 
【2】芭蕉発句「初しぐれ猿も小蓑をほしげ也」をどう読むか。…「伝統」とは? 「新しみ」とは? 「新しみ」「伝統」『猿蓑』
【3】「しぐれ」の伝統…和歌の美意識  「和歌」『古今和歌集』『三冊子』『去来抄』
【4】何故に「猿」か?…「滑稽」  「滑稽」
【5】「風狂精神」とは?…時雨に打たれること。 「風狂精神」
【6】連歌から俳諧へ…貞門俳諧 「貞門俳諧」「貞徳」
【7】更なる「滑稽」へ…談林俳諧 「談林俳諧」「宗因」「西鶴」
【8】芭蕉の俳諧…蕉風俳諧 「蕉風俳諧」「元禄俳諧」
【9】俳諧の流行…雑俳前句付俳諧 「雑俳前句付俳諧」
【10】蕪村の俳諧…蕉風回帰 「蕉風回帰」「蕪村」「一茶」
【11】近代(明治以降)俳句…子規の論 「子規」「写生」
【12】近代俳句の試み…自由律俳句・無季俳句 「放哉」「山頭火」
【13】俳句から「HAIKU」へ  「ドナルド・キーン」
【14】世界の中の日本文学 「村上春樹」「大江健三郎」
【15】これからの日本文学  
評価方法
小試験・小レポート・期末レポートにより総合的に評価する。
教科書
配布資料による。
参考図書
授業時に適宜紹介・指示する。
備考