徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    犯罪と法(刑法)

科目番号13637担当教員名吉川 友規単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期前期 対象年次2年
授業概要
刑法は、どのようなことをすれば犯罪になり、どのような刑罰が科せられるのかを定める法律である。刑法が予定している刑罰は、個人の財産や、自由だけではなく、生命まで剥奪するという作用を持っている。このような大きな作用のため、刑法によって社会問題を解決することは「最終手段」とされ、刑法の適用の際には、守るべき一般原則が存在している。本科目では、刑法の一般原則を理解し、具体的な事例においてどのように刑法が適用されるのかを学習する。
なお、授業では毎回、前の授業で提示した事例についてグループで議論して、1.その事例の法的問題点はどこか、2.その問題をどのように解決するべきか、3.最終的にどのように事例を解決するべきかをワークシートに記入して提出してもらうので、予習として事例の調査・検討を行った上で、能動的に議論に参加することを受講者に求める。
到達目標
授業を通じて、学習者が、以下のような能力を身につけ、刑法の観点から社会問題に対して取り組めるようになることを本科目の到達目標とする。(1)知識 刑法の適用の際に問題となる基本的な概念について理解していること。 (2)姿勢 実際におこった事件について関心を持つこと。 (3)思考・判断 具体的な事例を読解し、刑法的な観点から問題点を指摘したうえで、刑法が適用できるかを適切に判断できる能力を獲得すること。 (4)表現 自分の考えを整理して、相手に論理的に説明する能力を身につけること。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】オリエンテーション:刑法とは何か基本的に講義によって授業を進めるが、毎回具体的な事例について数人のグループで議論し、(1)事例の論点はどこか、(2)どのような問題があるのか、(3)どのような結論となるのかを書いて提出してもらう。なお、第2回以降に議論してもらう事例は、前の回にアナウンスするので、あらかじめ事例について一人で検討したうえで議論してもらう。
また、必要に応じてグループワークの結果について、受講者にプレゼンテーションしてもらう。
教科書の該当箇所(1〜19ページ)を読んでおくこと。(3時間)
【2】罪刑法定主義同上教科書の該当箇所(20〜30ページ)を読んだうえで、第2回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【3】犯罪の成立要件同上教科書の該当箇所(85〜90ページ)を読んだうえで、第3回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【4】構成要件1:実行行為、因果関係 同上教科書の該当箇所(90〜95ページ)を読んだうえで、第4回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【5】構成要件2:故意、過失、錯誤同上教科書の該当箇所(95〜99ページ)を読んだうえで、第5回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【6】構成要件3:未遂犯、共犯同上教科書の該当箇所(99〜105ページ)を読んだうえで、第6回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【7】違法性阻却事由 同上教科書の該当箇所(106〜116ページ)を読んだうえで、第7回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【8】責任阻却事由 同上教科書の該当箇所(117〜124ページ)を読んだうえで、第8回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【9】個人法益に対する罪1:生命、身体、自由に対する罪同上教科書の該当箇所(31〜46ページ)を読んだうえで、第9回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【10】個人法益に対する罪2:財産に対する罪同上教科書の該当箇所(56〜57ページ)を読んだうえで、第10回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【11】社会法益に対する罪1:公衆の平穏・安全に対する罪、公共の信用に対する罪同上教科書の該当箇所(58〜68ページ)を読んだうえで、第11回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【12】社会法益に対する罪2:風俗に対する罪同上教科書の該当箇所(69〜73ページ)を読んだうえで、第12回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【13】国家法益に対する罪同上教科書の該当箇所(74〜84ページ)を読んだうえで、第13回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【14】罪数同上教科書の該当箇所(125〜127ページ)を読んだうえで、第14回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
【15】刑罰と保安処分同上科書の該当箇所(128〜135ページ)を読んだうえで、第15回の授業で議論する事例について考えておくこと。(3時間)
評価方法
平常点(各回の議論への参加状況、提出物によって評価する)40%、期末筆記試験60%によって評価する。
教科書
大谷實『刑事法入門(第8版)』(有斐閣、2018年)。また、最新の条文が参照できる方法を用意しておくこと。
参考図書
大谷實『刑法講義総論(新版第4版)』(成文堂、2012年)、大谷實『刑法講義各論(新版第4版補訂版)』(成文堂、2015年)、『刑法判例百選1 総論(第7版)』(有斐閣、2014年)、『刑法判例百選2 各論(第7版)』(有斐閣、2014年)。
備考
・公法IIにおいても同じ教科書を使用する。
・原則として毎回出席すること。4回以上欠席した場合は、期末筆記試験の出来に関わらず、単位を認定しない。
・オフィスアワーは、月曜日5限に研究室で開催するが、平日のそれ以外の時間についても可能な範囲で質問を受け付ける(あらかじめメールで連絡すること)。
・実務経験無