徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    総合政策学特別研究

科目番号10171担当教員名備考欄記載の教員単位8単位
科目群専門必修・選択必修開講期通年 対象年次2年
授業概要
 修士(総合政策学)の学位を得るにふさわしい研究論文としての修士論文の執筆指導をおこなう。複数の教員と複数の大学院生が、執筆の進捗状況を報告し、互いに議論を深めることで、「公共政策」と「企業政策」の二つの専門分野の視角をもった研究の完成を目指す。
また、研究指導科目として、研究メソッド、研究プロセス、研究上の倫理を含めた修士論文執筆に向け指導をおこなう。研究科全体として、修士論文の内容が十分であるかどうか確認するため、中間報告と最終報告を公開で実施する。以上の進捗状況の報告、議論への参加、研究指導、中間報告と最終報告、修士論文の完成でもって本科目の単位を認定する。学協会での報告の機会を得られるよう指導する。
到達目標
1.「公共政策」と「企業政策」という二つの専門分野の視角をもった修士論文の完成
2.修士論文執筆過程と最終段階で、研究成果を公開、報告できるようになること
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】【青野 透】
 法の思想と機能の観点から、現代日本の特に公共分野において、新しい法律がどのような目的、経過を辿って、成立したかについて、実証的に明らかにする修士論文を作成する。具体例として、臓器移植法、ヒト・クローン規制法及び障害者差別解消法など。その際、教員としては、可能な範囲で、法体系における一体性を確認するために、従来からの法律との関係、関連して作られた省令との関係、及び他の国の同種の法律との比較など、広い観点からの論文となるように指導する。
  
【2】【松村豊大】
 法学分野を中心として、特に、公共部門が抱える課題解決方法についての実証的な修士論文を作成する。具体的なテーマとしては、官民共同(パートナーシップ)、行政契約(PFI・民間移管)、国家賠償法における民法との交錯など。また、総合政策学の全体を俯瞰し、問題解決理論を深める研究も推進する。
  
【3】【早川 勝】
 「民商法政策論」において習得した私法制度の理解に基づいて、地域社会に応用できる制度を機能的に運営できることを目指した指導をおこなう。
主要テーマの例としては以下のようなものを考えている。
1 公益法人制度の改革
 改正の経緯(民法の改正と公益法人改革関連2法)、一般社団と公益法人との異同、機関設計、事業、社員、役員(理事・監事の員数、理事・監事・評議員の欠格事由、理事・監事・評議員の報酬、財産に関する規制、情報開示、監督、法人税に関する優遇措置)、一般社団・財団法人の立ち上げ及び運営
2 高齢化社会とNPO法人に関する法規制
 徳島市における福祉NPOの実態調査と今後解決すべき課題
3 社団法人とそれ以外の組織
 全国農業組合中央会の社団化とJA全中央会の自己改革案の検討、徳島における農業協同組合の実態
4 財団法人制度と信託制度
 少子高齢化社会においては、自己の財産を公益のために使用する公益財団法人を容易に創設できる特別の法律が制定され、使いやすい制度となっている。
このような財団をどのように運営するかについて信託制度と比較検討して問題を掘り下げる。進捗状況に応じて、地域における個別具体的な問題を取り上げて徹底的に検討する。
  
【4】【橋本誠志】
 情報ネットワーク社会において発生する諸問題について既存の法制度がどこまで対応しうるのか、或いは対応できないのかを見極め、解決手法を探索する。具体的な領域としては情報ネットワークと個人情報、情報流通に伴うダメージのコントロール等について探索する。
  
【5】【南波浩史】
 経済学の応用分野である経済政策を中心に、受講生が修士論文の研究対象とする研究分野の理論的・実証的な分析手法の習得を目的に研究をおこなう。具体的なテーマとしては、金融政策の有効性、金融システム安定化への課題、ファイナンスに関する諸問題等について研究する。
  
【6】【古家弘幸】
 政策課題の分析について、史的アプローチからの検討をおこなう。過去の社会がとった政策課題の解決策について、歴史的背景などを分析し、新たな知見を得ることを目標とする。
  
【7】【水ノ上智邦】
 政府及び自治体が公開するデータを用いた実証研究の論文を作成する。経済理論の実証を目的として、データの入手から、加工及び分析までを指導する。研究テーマの例としては、晩婚化非婚化と少子化、雇用の非正規化などである。
  
【8】【齋藤 敦】
 企業経営に関する具体的な政策がどのような背景で策定されているかを検討し、どのような状況においてどのような政策が妥当であるかを考察する。
  
【9】【鍛冶博之】
 商品史(特にランドマーク商品)から見た日本社会について研究する。
すなわち、私たちの身の回りには商品が溢れており、私たちは、それら商品に依存しなければ日常生活を維持することができない社会に生きている。なぜこのような社会が出現し、なぜ私たちはこういう社会を受容するのか。総合政策学の知識も活用しながら、商品(特に社会変容に多大な影響力を及ぼした「ランドマーク商品」)の歴史を多角的にひもとき、今日の日本社会の実態と課題を浮き彫りにする。
  
評価方法
修士論文の作成・執筆、議論への参加状況、中間報告と最終報告
教科書
別途テーマごとに指示する
参考図書
特に指定しない
備考
教科担当:松村・青野・早川・橋本・水ノ上・古家・鍛冶・斎藤 以上が主指導教員となる。
副指導教員になる教員として 吉川・床桜・山城 である。