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徳島文理大学短期大学部 |
科目番号 | 54766 | 担当教員名 | 榊原 達哉 | 単位 | 2単位 |
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科目群 | 一般 | 必修・選択 | 選択 | 開講期 | 前期 | 対象年次 | 2年 |
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授業概要 |
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社会学は、読んで字のごとく「社会」を分析する学問である。だが、この定義には曖昧なところがあり、何かよく分からない定義である。物理学、「物」の理(自然法則)を考える学問。法学、法律を考える学問。どことなく納得のいく定義である。しかし、社会学、「社会」を考える学問……。分かったようで分からない定義である。確かに私達は「社会」の中に生きている。「社会」とは、私達が生まれた家庭なのか、自分が学んだ学校のことなのか、自分の住む地域社会のことなのか、はたまた国家なのか。それは「社会」の含意する範囲があまりにも広く、曖昧だからだ。では、「社会」を考える学問である社会学の定義を二点、具体的に考えてみよう。第一に、社会学は、物理、科学、生物などの自然科学と同様、近代とともに生まれた学問である。社会の近代化は、社会の仕組み、つまり政治形態(身分制から民主制へ)や経済における生産量(封建制から資本制へ)を変えただけではなく、人間の伝統的な習俗・習慣・家族関係・倫理観・感受性など、人間の根本を劇的に変容させた。そのためこの変化を受け入れ、変化の中で生きるために、社会学は生み出されたのである。第二に、社会学は「社会」を学問するのであるから、「社会」とは何かを考えれば、少しは社会学の定義が明らかになるはずである。「社会」とは人間の集まりである。そして、人間は法的主体であったり、経済的主体であったり、性的主体であったりする。一面的な存在として分析することはできないのである。人間は公的生活、私的生活の中では多様性そのものなのである。こうした多様性たる人間が集まったものが「社会」なのである。講義では、こうした社会学的思考に慣れるために、まず幾人かの社会学者の学説を取り上げることで抽象的に社会学に考え、その後に様々な具体的な社会現象の中から社会学について、社会について考えてみたいと思っている。要するに、本講義は二つの軸によって貫かれている。第一の軸は、社会の近代化とその解読格子である社会学の成立であり、第二の軸は、社会の多様性の、多様な角度からの実際の「社会学」の分析となる。 |
到達目標 |
本講義の到達目標は、学士力を高めるための教養をつけ、一般社会で必要とされる論理的判断力・思考力を獲得することである。 |
授業計画 | 授業形態 | 授業時間外学習 | |
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【1】 | 社会学とは何か?社会学への招待 | 講義形式で行う。 | 講義中に配布したレジュメを復習すること、また講義中に紹介した文献を読むこと。 |
【2】 | 個人と社会(1)社会の自明性と社会の中の私 | 同上 | 同上 |
【3】 | 個人と社会(2)相互行為と自己 | 同上 | 同上 |
【4】 | 社会の近代化あるいは共同性の喪失 デュルケムに沿って | 同上 | 同上 |
【5】 | 社会の近代化あるいは脱魔術化 ウエーバーに沿って2 | 同上 | 同上 |
【6】 | 都市の社会学(1)近代都市の成立史1 | 同上 | 同上 |
【7】 | 都市の社会学(1)近代都市の成立史2 | 同上 | 同上 |
【8】 | 都市の社会学(2)現代社会における都市の「郊外化」1 | 同上 | 同上 |
【9】 | 都市の社会学(2)現代社会における都市の「郊外化」2 | 同上 | 同上 |
【10】 | 家族の社会学(1)近代家族の成立1 | 同上 | 同上 |
【11】 | 家族の社会学(1)近代家族の成立2 | 同上 | 同上 |
【12】 | 家族の社会学(2)現代社会における「家族」の変容 | 同上 | 同上 |
【13】 | 教育の社会学−学歴と社会 | 同上 | 同上 |
【14】 | 戦争の社会学―戦争の世紀と戦争の世界化1 | 同上 | 同上 |
【15】 | 戦争の社会学―戦争の世紀と戦争の世界化2 | 同上 | 同上 |
評価方法 |
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学期末にレポート(試験の代わり)を課す。尚、授業回数の三分の一以上の欠席があった場合は、試験を受ける権利を喪失することをとくに明記しておく。 |
教科書 |
特に指定しないが、教室において参考文献は適時指示する。 |
参考図書 |
教室において適時指示する。 |
備考 |
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出席の不足により試験の受験資格を喪失した者に関しては、とくに張り出し等により事前に告知しない。その者が試験を受けても無効となる。出席回数は、ポート・フォリオなどを活用して、自己管理すること。 |