徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    食品学実験ⅠFood Science ExperimentsⅠ

科目番号14287担当教員名吉村 英悟単位1単位
科目群専門必修・選択選択開講期前期 対象年次2年
授業概要
食品の性質を科学的・栄養学的に理解する場合、その食品に含まれる成分含量を知ることが重要となる。私たちが日ごろ食べている食品の成分値は日本食品成分表により知ることができるが、本実験では食品成分表に記載されている栄養成分(水分、たんぱく質、脂質、糖質、灰分など)を中心に定量分析・定性分析を行い、食品成分表に関する基礎知識と実験技術を習得することを目標とする。
到達目標
各実験を通じて得た体験から、食品学で学んだ食品に関する知識をさらに深めるとともに“食品とは何か”を知ることを目標とする。また、実験結果を実験報告書に的確にまとめ、表現できる力を身につける。
①知識:科学実験の基礎的な注意事項、試薬の調整や実験器具の取り扱い方法を理解し、正しく実験を行えるようになる。さらに食品学で学んだ食品に関する知識を深める。
②態度:実験時における実験内容の手分け・配分を通じて、自ら行動する意欲を高めるとともに、他者との協調性を養う。
③技能:種々の実験を通して食品成分の物理・化学的特性について理解すると共に実験技術を身につける。
④思考・判断:実際の食品試料を測定して食品成分表と比較し、違いがあればその理由を考察し、思考能力を養い、また実験結果を的確にまとめ表現する技術を学ぶ。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】実験を行うための諸注意、実験器具説明、レポートの書き方など
実験を行うにあたって必要な内容を問う小テストを実施し、その内容に基づいて実験の重要性や危険性などについて説明する。
一斉講義予習20分:プリント・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【2】分光光度計を用いメチレンブルーの未知濃度試料を測定する。分光光度計の原理(Lambert-Beerの法則)を理解する。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【3】数種の糖類未知試料を用い、いかなる糖であるかを分析(同定)するとともに糖の化学的性質を理解する。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【4】数種のたんぱく質、アミノ酸を含む未知試料に呈色試験を行い、いかなる化合物であるかを分析(同定)するとともにアミノ酸の化学的性質を理解する。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【5】水分の定量及び灰分の定量。常圧加熱乾燥法により、食品中の水分含量を求める。直接灰化法により、食品中の粗灰分含量を求める。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【6】水分の定量 蒸留法により、食品中の水分含量を求める。 一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【7】粗タンパクの定量1 試薬調整。粗たんぱく質の定量等で使用する0.1N NaOH溶液を調整する。調整した0.1N NaOHを用いて0.1N 硫酸溶液を調整する。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【8】粗タンパクの定量2 ケルダール法。ケルダール窒素定量法により、食品中の窒素量を測定し、得られた値から粗たんぱく質含量を算出する(蒸留過程)ケルダール窒素定量法により、食品中の窒素量を測定し、得られた値から粗たんぱく質含量を算出する(分解過程→滴定)。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【9】エーテル抽出法(ソックスレー法)により、食品中の粗脂肪含量を求める。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【10】粗繊維の定量(ヘンネベルグ・ストーマン改良法)。粗繊維の希酸・希アルカリ・アルコール・エーテルに不溶である性質を利用して、食品中の粗繊維含量を求める(ヘンネベルグ・ストーマン改良法)。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【11】還元糖の定量。還元糖の定量において、一般的に行われているベルトラン法を用いて測定する。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【12】ビタミンAの定性試験 (カールプライス法) 食品中に含まれるビタミンAをカールプライス法により測定。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【13】ビタミンB2の定性試験 (ルミフラビン法)。食品中に含まれるビタミンB2のルミフラビン法により測定。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【14】ビタミンCの定量。インドフェノール法を用いて。アスコルビン酸(ビタミンC)にジクロロフェノールインドフェノール色素溶液を作用させると、アスコルビン酸の還元力で色素が還元される。色素溶液にアスコルビン酸を滴下し、その紅点の消失する点を求めて定量する。一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
【15】Caの定量。Caはシュウ酸と反応し、難水溶性のシュウ酸Caの沈殿を生じる。過剰なシュウ酸を除いた後、硫酸でシュウ酸とCaに分解し、このシュウ酸を過マンガン酸カリウムで滴定することによりCa含量を求める。(過マンガン酸カリウム滴定法)一斉講義および実験予習20分:テキスト・実験書を読み、わからない単語や内容について調べる。復習25分:実験結果より実験報告書をまとめる。また理解できなかった内容について調べる。
評価方法
評価点」(実験中の態度、取り組み姿勢等:20%)と「レポート(実験ノートの内容等)」(80%)による。レポートなど課題に対する講評等は返却時もしくはポータルサイト等でフィードバックする。
教科書
食品学実験書(第3版) 藤田修三・山田和彦他 医歯薬出版
参考図書
「栄養生化学実験」廣田才之、田主澄三ら 共立出版 2,800円
「八訂 食品成分表 2021」女子栄養大学出版部
「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」全国官報販売協同組合
備考
原則としてグループ実験を行う。初めに実験の内容や原理等について説明するのでよく理解してから積極的な態度で実験に取り組んでほしい。学生実験が成功した、もしくは失敗した理由を各班内において、考察にまとめるべく、討論した後に終了とする。また、実験報告書は期限を守って必ず提出すること。
オフィスアワー:月曜日・火曜日3限
平成21年食品会社勤務 製造・品管