徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    解剖生理学Ⅰ

科目番号54761担当教員名杣 源一郎単位2単位
科目群専門必修・選択必修開講期前期 対象年次1年
授業概要
【授業概要】解剖生理学は、身体の「構造」と「機能」の関係を究明する学問分野である。それ故、健康の維持を考えるうえで、あるいは疾病の予防や治療を考えるうえで、基礎となる専門分野の一つである。以上の分野では近年特に細胞の機能に注目が集まっている。本講義では、細胞の構造と機能を中核において、すべての細胞に備わっている機能や個々の細胞に特徴的な機能について述べる。
【到達目標】人体の構造や機能を系統的に理解する。正常な人体の仕組みについて、個体とその機能を理解する。そして様々な身体の「構造」と「機能」の関係を理解するための基礎的知識を習得する。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】科学は万能であると考えているかも知れないが、そうではない。生命・生物とはどのような実体であるかについてまず解説し、その様ななかで生理学がどのような学問分野であるかについて説明する。  
【2】生物学は日進月歩であり、高等学校教科書生物Ⅰは相当高度な内容である。生物学を高等学校で学んでいない場合もあると考えられるので、高等学校教科書生物Ⅰを用いて生理学と関連性の深い領域を取り上げ、この内容の理解し、さらに進んだ内容を学習するものとする。生体恒常性とはなにか。  
【3】生物の基本である細胞についてその起源を進化的に説明する。細胞にとって膜が細胞機能を発現する上で根本的に重要であることを細胞の起源から学ぶ。  
【4】細胞の基本構造を学ぶ。また細胞内小器官が担う機能を説明する。個々の細胞内小器官がそれぞれ特徴的な膜構造をとっていること併せて説明する。  
【5】細胞膜の構造と機能について概説する。このなかでは膜を越えた物質の移動について説明する。  
【6】膜を越えた物質の移動のなかで、特に能動輸送について化学量論的考察も含め説明する。生体エネルギーの大半が能動輸送に用いられていることを説明する。  
【7】遺伝1、遺伝の法則や染色体の生物学的意味、遺伝子の働きなどについて学ぶ。  
【8】遺伝2、遺伝の法則や染色体の生物学的意味、遺伝子の働きなどについて学ぶ。  
【9】細胞の情報伝達機能について概説する。細胞が外部情報の受信機関であるとともに情報発信機関であること、また細胞内部では情報の質的変換が行われることについて説明する。  
【10】前回に引き続き、発生の観点から見た個々の細胞の成立について説明する。外胚葉、中胚葉、内胚葉からどのような細胞が分化・発生するか説明する。神経細胞が外胚葉由来であることを理解する。  
【11】神経細胞について学ぶ。基本構造であるニューロンの役割、軸索の構造と機能、神経の種類について説明する。  
【12】神経細胞の興奮と伝導について学ぶ。神経細胞は興奮性細胞として筋肉細胞とともに生体の機能を維持する極めて重要な機能をもつ事を説明する。この機能が細胞膜という場があって始めて達成されるものであることを学ぶ。  
【13】シナプスの構造と機能について説明する。シナプスには解剖学的連続性がないことを理解する。またシナプス間の情報伝達が化学物質によることを説明する。  
【14】神経伝達物質の種類と働きについて説明する。神経の種類がことなるとシナプスにおける化学伝達物質の種類が異なることを理解する。  
【15】シナプスで化学伝達物質がどの様な機構で放出されるかについて説明する。また放出された化学伝達物質がどのような機構で情報を伝達するかについて、受容体とリガンドとの結合とこれによって起こる細胞内情報伝達の観点から説明する。  
評価方法
筆記試験
教科書
『シンプル生理学』改訂第6版 貴邑冨久子/根来英雄 著 何江堂 3,045円                    『生物Ⅰ』 石川 統・浅島 誠 他著  東京書籍 
参考図書
備考