徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    人権教育

科目番号14267担当教員名松山 隆博単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期前期 対象年次4年
授業概要
人権とは人間が人間らしく生きる権利のことである。まず、身近な問題を社会的な広がりの中で考察する。また、人類の人権獲得の歴史に学び、未来へ引き継ぐべきものは何かを考える。さらに制度や法律についても単に知識としてだけでなく、現代社会の中で果たしている役割や課題について考察する。本講では主に用意した資料をもとに授業を進めるが、適宜、視聴覚教材を使用する。
到達目標
(1)知識(理解)将来、学校教育現場において人権教育を進める上で必要となる幅広い知識を身につける。(2)態度(関心・意欲)人権教育を進める教員として不可欠な感性を育むとともに、人権問題の解決に積極的に取り組もうとする態度を養う。(3)技術(表現)人権問題の解決に取り組む人々の輪を広げるために、コミュニケーション力を高め、他者との協働的な学びの経験を積む。(4)思考・判断 人権教育を進めていく上で必要な深い人間観を養い、物事を多面的・多角的に考えることができる力を養う。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】学校教育と人権をテーマに講義をする。「先生は先生だからそんなこと言っているのだろ」という生徒の言葉をどう受けとめるか、一人の人間として、一人の大人として人権を考えていくとはどういうことか、具体的事例を通して考える。講義、討論事後学習として、学校教育の中で、児童生徒の人権尊重の精神を涵養していくために大切なことは何かについてまとめる。0.5h
【2】『ハンディキャップをもつ赤ちゃん』の著者中村安秀さん(小児科医)の言葉を糸口に、人間の命がかけがえのないものであり、命に対する差別は決して許されないことを考える。講義、討論事後学習として、現代社会の中で人間の「命の尊重」や「命の平等」ということについて課題と感じていることを取り上げ、自分の意見をまとめる。0.5h
【3】山本おさむ原作の映画「どんぐりの家」を視聴し、感想を話し合う。この映画は重度の重複障がいのある子どもたちが,他の子どもたちや家族、先生たちと支えあいながら成長していく姿を描いている。障がい者の人権や現代社会における人間の生き方について考える。映画「どんぐりの家」を視聴する。討論事後学習として、映画「どんぐりの家」の感想をレポートにまとめる。800字程度。1h
【4】平成25年に制定された「障害者差別解消法」を取り上げる。その中で国連の「障害者の権利に関する条約」に示された世界の動きやこの間の日本の取組を踏まえながら、この法律で提起された「合理的配慮」について考えながら障がい者の人権を真に保障していく道筋と課題について考察する。講義、討論事後学習として、国際条約や日本国内の法律で障がい者の人権がどのように位置づけられているかをまとめる。1h
【5】性による差別と人権問題について、「女性」を中心に考える。女性の権利拡大と地位向上については、過去、この問題に取り組んできた多くの人々の努力の歴史がある。女性差別の問題を当時の社会意識を踏まえながら歴史的に考える。講義、討論事後学習として、過去の歴史の中で女性の解放に努力してきた人物を取り上げ、その活動についてまとめる。1h
【6】女性差別の問題を現代社会の中で考える。その中で「固定的性別役割分担意識」をはじめとする国民意識の状況、政策・方針決定過程への女性参画の状況、就労の状況、セクハラやDVの問題等を取り上げる。講義、討論事前学習として、前時に配布した資料をもとに、いわゆる「男らしさ」「女らしさ」と言われていることをどう考えるか、自分の意見をまとめておく。0.5h
【7】性的マイノリティの人権を考える。LGBTの概念や実態について関係資料を整理するとともに国の方針も念頭に教育現場における課題を考察する。講義、討論LGBTに対する自分自身の認識が講義や学生同士の話し合いを通じてどのように変わったか、あるいは変わらなかったか、まとめる。1h
【8】SNSをはじめ近年、情報通信技術が急速に発達する中で深刻な人権侵害が起こっていることを理解し、その解決のために何が必要か考える。インターネットと人権に関する啓発ビデオを視聴する。ビデオ「インターネットと人権」(徳島県立人権教育啓発推進センター)を視聴する。講義、討論事後学習として、ビデオの感想をまとめるとともに、SNSの使用について児童生徒にどのように指導するか、自分の意見をまとめる。1h
【9】戦争は最大の人権侵害である(徳島県人権教育推進方針)ことを踏まえ、過去、国民は戦争にどのように向き合ってきたかを考える。最初に「青い目の人形と戦争の時代」と題して。徳島県神山町立神領小学校に残された「アリス」を取り上げる。講義 討論事後学習として、特別陳列「海を渡った人形と戦争の時代」(徳島県立博物館)関係資料を読んで感想をレポートにまとめる。800字 2h 
【10】第一次世界大戦以降、戦争が総力戦の様相を呈するようになると人権侵害がさらに拡大することを考察する。捕虜の人権を当時最大限守った「板東俘虜収容所」とキリスト者の立場から平和を求める活動を行った賀川豊彦についても取り上げる。講義 討論事後学習として、鳴門市ドイツ館及び賀川豊彦記念館を訪ね、「板東俘虜収容所」と「賀川豊彦」について、さらに知見を広める。1h
【11】ハンセン病患者の人権を取り上げたドキュメンタリー映画「風の舞」を視聴し、この問題の歴史を考察する。戦前においても隔離政策を疑問視する意見が合った中で、なぜ、人権侵害が生じたのか、ここからくみ取るべき教訓について考える。映画「風の舞」視聴 講義、討論事後学習として、映画に登場する人々の思いをしっかり受けとめるとともに、歴史的経緯をていねいに後付けながら、自分の意見をまとめる。0.5h
【12】「日本国憲法」の人権条項について、旧憲法(明治憲法)や「世界人権宣言」・「国際人権規約」などと比較することにより、人権問題解決に向けた日本国憲法成立の意義と今後の課題について考察する。講義 討論事後学習として、国民としての権利と義務を念頭に、国民生活と憲法の関係についてまとめる。0.5h
【13】DVD「同和問題〜過去からの証言、未来への提言〜」を視聴し、同和問題に関する歴史的経緯、当時の社会情勢、問題の本質等について考察する。DVD「同和問題〜過去からの証言、未来への提言〜」を視聴する。講義、討論講義 討論事後学習として、DVDの感想を踏まえ、これまでの自分が同和問題にどのように向き合ってきたかをまとめる。0.5h
【14】水平社宣言から同和対策審議会答申を経て「部落差別の解消の推進に関する法律 」(平成28年)にいたるまでの同和問題の解決に向けた取組や運動の歴史を考察するとともに今後の課題を考える。講義 討論事後学習として、同和問題の解決に向けた先人の努力に学び、今後何が必要か、自分の意見をまとめる。1h
【15】同和問題解決に向けた学校教育における先進的な取組事例に学ぶとともに学校教育のあらゆる場面を通じて人権尊重の精神を涵養する人権教育のあり方を考察する。講義 課題発表、討論事後学習として、これまでの授業全体を振り返り、人権尊重の精神を涵養する人権教育の推進のため、自分はどのようにすべきかをまとめる。1h
評価方法
試験(80%)、レポート(10%)、平常点(10%) 
試験等の解答・解説についてはグーグルクラスルームで行う。
教科書
特に指定しない。
参考図書
授業中に随時紹介する。
備考
オフィスアワー 金曜日 14:50〜15:50 25号館2F就職支援部
実務経験:昭和61年〜平成29年 徳島県公立学校教員
クラスコード:授業中に指示
科目ナンバー:9CSE624L