徳島文理大学

Webシラバスシステム

TOP 戻る
徳島文理大学短期大学部

【科目名】    保育原理

科目番号34787担当教員名武田 紘一単位4単位
科目群専門必修・選択選択開講期通年 対象年次1年後2年前
授業概要
(授業目的・方針等)本授業では、保育者としての望ましい人間性を育成すると共に、専門的内容の基盤を広い視野から確立していくことをねらいとする。授業では、主として現代の子どもを取り巻く社会的環境変化と少子化等の諸問題、保育所や幼稚園の特性、保育の目的・目標、保育に関する諸法令、保育内容と保育の方法、保育課程、保育の思想、遊びの理論、子育て支援の実態等々を具体的に展開し、多様な保育ニ−ズや社会の変化に対応できる保育者としての基礎を学習する。                                                           
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】オリエンテ−ション:保育原理の性格や授業展開のおよその年間計画、評価の方法(レポ−ト、小テスト、出席状況、学習態度)、さらには学習の仕方(予習、復習、レポ−トの書き方)等について説明する。  
【2】保育者になるために:保育士資格の性格や幼稚園教諭の免許状の種類、また望ましい保育者像と専門性、さらには実習の必要性とその種別等の観点から、保育者としての要件を述べる。  
【3】社会的環境変化と少子化の進行:保育の重要性を認識させるために、少子化問題と絡めて子どもを取り巻く環境がどのようになっているか、またそこからいかなる問題が生じているかを把握する。  
【4】家庭保育の特徴と親の養育態度:前回の内容を踏まえて、家庭の意義(家庭・家族とは、家族形態の変化)や家庭保育の実態(親の養育態度、共働きの実態、しつけと虐待)などを取り上げる。  
【5】保育の必要性:人間はなぜ保育する必要があるかについて、人間と動物の類似点や相違点を取り上げつつ、そこから人間の子どもの特性を発達や人格の観点から把握して、養護と教育の重要性を理解する。  
【6】幼稚園と保育所の相違点(1):学校教育法に基づく幼稚園と児童福祉法による保育所は法制上どのような違いがあるかを明らかにしていく。(根拠法令の説明、設置主体、所管、教育・保育の目的・目標、対象)  
【7】幼稚園と保育所の相違点(2):前回の内容を再確認した後に、さらに保育日数や入所・入園の手続き、保育内容の基準、幼稚園教諭及び保育士の資格、保育士等の配置基準等に関しての相違を述べる。  
【8】幼稚園と保育所の発展:東京女子師範学校附属幼稚園の創設及び子守学校や農繁期託児所等の設立を中心にして、社会的背景を踏まえながら、その流れを学ぶ。  
【9】保育所保育指針の内容(1):保育指針の特徴を捉える。保育指針の内容構成に従って保育の目標や方法、保育の環境等が養護と教育の観点からどのように考えられているかを学習する。  
【10】保育所保育指針の内容(2):保育内容を発達過程の区分に従って的確に把握すると共に、子どもの発達特性を理解する。特に3歳未満児の保育内容と3歳児以上の保育内容(5領域)とについての配慮すべき点を強調する。  
【11】幼稚園教育要領の内容:幼稚園教育の基本と幼稚園教育の目標を理解する。また生きる力の基礎や、領域と教科の違い、幼稚園と小学校の関連性等についても明確にしていく。  
【12】保育所の種別と多様な保育サ−ビス(1):保育所は子どもの人数や季節、設置主体、法的基準の適合性等の観点からさまざまに区分され得るが、それらにはどのようなものがあるか、またその特徴は何かについて、保育ニ−ズの多様化と関連して捉える。  
【13】保育所の種別と多様な保育サ−ビス(2):「認定ことも園設置法」に基づく「認定こども園」とは何かを知り、またその形態の特徴などを理解する。同時に認証保育所や分園等についても説明する。  
【14】保育所の役割:保育所にはさまざまな役割が求められていることを理解させる。ここでは、主として特別保育事業(延長保育、一時保育、乳児保育、保育所地域活動事業等々)の実施について説明し、その重要性を把握する。   
【15】前期のまとめと中間テストの実施:これまでの内容に関して、質問形式を導入し、理解の曖昧な内容については再度説明を行い、また質問に応えるかたちで基礎・基本の定着を図る。テストも実施する。  
【16】子育て支援の流れ:エンゼルプラン、新エンゼルプラン、新・新エンゼルプラン等の諸施策が子育て支援をどのようにして展開してきたか、またそれは保育所の役割とどう関わってきているかを具体的に学習する。  
【17】保育の方法(1):保育の方法は、保育の目的・目標と深く関わるものであること、また保育者の全人格的な働きかけであることを理解する。特に保育者の保育観には保育方法上、きわめて重要な意味があることを把握する。  
【18】保育の方法(2):保育方法の展開においては、踏まえておくべきいくつかの原理(興味の原理、経験の原理、自発性の原理、社会化の原理等)があるが、これらを保育指針等の内容やカウンセリングマインドと関連させながら実践的視点から学習する。  
【19】保育の方法(3):保育形態とは何かを捉え、さまざまな保育形態(一斉保育、自由保育、たてわり保育、オ−プン保育、統合保育等)を取り上げて、それぞれの具体的場面を想定しながら、各保育形態の特徴と導入の仕方について学ぶ。  
【20】遊びの理論(1):遊びとは何か(遊びの価値や本質)、また遊びに関する理論にはどのようなものがあるかについて知る。  
【21】遊びの理論(2):遊びの分類について詳しく説明する。  
【22】子どもの生活と遊び:現代の子どもを取り巻く生活環境の変化と遊びの実態(遊び場、仲間、遊び時間、遊びの傾向等)を知り、それが発達とどのような関わりをもつものであるかを、共に考えていく。  
【23】教育課程(保育課程):全体計画である教育課程とはいかなるものであるかを理論的に説明し、同時に具体的な計画を提示する。また、その編成手順についても構造的に把握できるようにする。  
【24】指導計画(1):教育課程と指導計画の関係を捉え、また指導計画の基本的性格を踏まえて、長期計画と短期計画の特徴を理解できるようにする。さらに指導計画作成上の留意点を把握する。  
【25】指導計画(2):いろいろな指導案のパタ−ンを提示する。(指導案の実際)  
【26】保育所の規制緩和:保育所は設置主体制限の撤廃、定員の弾力化、短時間勤務による保育士の導入等々の規制緩和により大きく変化している。これら諸点と待機児童の解消問題を絡めて、今後の保育所の在り方を検討していく。  
【27】保育の思想(実践)に学ぶ(1):和田実や倉橋惣三の保育思想を紹介する。とりわけ倉橋惣三の思想は現在においても学ぶべき点が多いことから、誘導保育を含めた彼の保育観を捉える。  
【28】保育の思想(実践)に学ぶ(2):わが国の幼稚園教育に多大の影響を与えたフレ−ベルの保育思想や恩物、さらにはモンテッソ-リの保育思想や教具等について、その特質を理解する。  
【29】家庭・地域との連携:保育所・幼稚園が多様な視点からの役割・機能を果たしていくには家庭や地域社会、小学校とどのような連携を図るべきか、またその際の連絡体制や情報提供等の実際の在り方等について、多面的に学ぶ。  
【30】後期のまとめとテスト:前期授業のまとめと同様の方法で基本的内容の習得を確認すると共に、テストを実施する。  
評価方法
テスト、レポート、学習態度等。
教科書
参考図書
 『最新保育資料集』(森上史朗編、ミネルヴァ書房) 、『保育所保育指針』(フレ−ベル館)、
『幼稚園教育要領』(フレ−ベル館)、『遊びの指導-乳幼児編-』(同文書院)
備考
随時資料配布