徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    薬学実習3(A)

科目番号00207担当教員名宋 時栄単位2単位
科目群専門必修・選択必修開講期後期 対象年次3
授業概要
これまで機能形態学および薬理学で学んだ知識に基づき、病態生理学の基礎的な事実の理解を深める。疾病の発症機構や治療法を理解するため、生体の仕組みを実技実習により観察する。とくに、神経系疾患に焦点をあて、シナプス伝達の生理と病態についてモデル実験系を用いて実習する。さらに、疾患の根底をなす組織学的変化とはいかなるものかを理解するため、顕微鏡を通して正常および病理組織切片を比較観察する。
本実習を通して、中枢および末梢シナプスに関連した疾患の病態および治療法に関する知識を確実なものとする。また、薬物治療学の理解の基礎となる主要な疾患の組織学的変化を、病理組織標本の顕微鏡観察によって習得する。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】はじめに:病態生理学実習で何を学ぶか電気生理学的実習、顕微鏡による組織所見の観察とスケッチ、データ解析とまとめ、成果発表、実習試験 
【2】技法解説:実験のための標本の作製方法の習得、顕微鏡の使用法および病理標本の観察手順   
【3】シナプス伝達の生理学と異常(1):神経筋接合部標本を用いてシナプス伝達・筋収縮機構を理解する(1)二価金属イオンの役割         
【4】シナプス伝達の生理学と異常(2):神経筋接合部標本を用いてシナプス伝達・筋収縮機構を理解する(2)アセチルコリン受容体の性質とその異常を知る(重症筋無力症)          
【5】シナプス伝達の生理学と異常(3):神経筋接合部標本を用いてシナプス伝達・筋収縮機構を理解する(3)神経筋接合部作用薬・アセチルコリン エステラーゼ阻害薬の作用機序を理解する     
【6】中枢神経系の生理学と病態(1):脳シナプス活動の電気生理学的計測(1) 海馬スライス標本の神経伝達を電気生理学的計測手法で計測できる  
【7】中枢神経系の生理学と病態(2):脳シナプス活動の光計測 (2) 海馬スライス標本の神経伝達を膜電位感受性色素を用いた光計測法で計測できる   
【8】中枢神経系の生理学と病態(3):脳の興奮とグルタミン酸受容体 脳スライス標本CA1野神経回路の興奮伝播におけるグルタミン酸受容体の役割を説明できる。     
【9】中枢神経系の生理学と病態(4)脳の抑制とGABA受容体 脳スライス標本CA1野神経回路の興奮伝播におけるGABA受容体の役割を説明できる。   
【10】組織病理学(1):アルツハイマー病、パーキンソン病、 正常副腎、 正常脊髄および後索病変を伴った脊髄         
【11】組織病理学(2):新鮮および陳旧性心筋梗塞、肺の悪性腫瘍(扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌)   
【12】組織病理学(3):正常胃、早期胃癌、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎(軽症例、重症例)、クローン病           
【13】組織病理学(4):脂肪肝、肝硬変、肺の真菌症、 化膿性髄膜炎   
【14】まとめ(1):データ整理         
【15】まとめ(2):実習報告会(プレゼンテーション)  
評価方法
実習報告書(レポート)(60%)・演習(20%)・取り組み方など(20%)
教科書
薬学3(A) 実習書
参考図書
理科系の作文技術 (中公新書 624)、木下 是雄 (著)、中央公論新社、1981年、ISBN-13: 978-4121006240
備考
既習の機能形態学、薬理学、病態生理学の学習事項を十分に理解しておくこと。発表用資料作成のため、ワープロソフト(Word など)、計算ソフト(Excel など)、プレゼンテーション用ソフト(Power Point など)の使用法に慣れておくこと。
小西史朗、宋時栄、冨永貴志、栗生俊彦、中島健太郎、加藤千恵子が担当する。

疾病の病態生理と治療を理解するためのモデル実験をおこなう。主要疾患の病理組織標本を顕微鏡観察して、疾病の病態に関する理解を深める。
実習報告会をおこない実習の結果を発表することにより、グループメンバーによる共同作業により実験データを整理して、プレゼンテーション技術も身につける。