徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    生化学1(Biochemistry 1)

科目番号00274担当教員名宮澤 宏単位1.5単位
科目群専門必修・選択必修開講期後期 対象年次1年
授業概要
生命現象を分子の挙動として理解することは、老化や疾病を含めたあらゆる生命現象を理解するために重要なことである。生化学1では、薬学を学ぶ上で必要になる生命現象を理解するために、生体を構成する分子(タンパク質と糖質)の構造と役割についての基礎的知識を修得する。さらに糖質の代謝について学び、生命活動に必要なエネルギー産生における糖質の役割について理解する。
到達目標
生命の媒体となる水の特性を説明できる。
熱力学の観点、特に自由エネルギーから生化学反応を見ることができる。
生体中のアミノ酸を列挙し、その構造に基づいて性質を説明できる。
タンパク質の1〜4次構造を説明できる。
タンパク質の主要な機能を列挙できる。
代表的な糖質の構造、性質、機能を説明できる。
糖質の代謝のうち、解糖系、糖新生、ペントースリン酸経路、グリコーゲン代謝について説明できる。
インスリンやグルカゴンの役割を含め、生体中の糖質代謝の調節について説明できる。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】序論:生命を営む細胞の中のできごとを分子レベルで認識する。
目標:生化学とは何か説明できる。他の科目との関連性を理解できる。C8(4)1-2
講義と質疑教科書1章を読む。
レポート課題:知っているタンパク質について
【2】生命の媒体になる水の性質について
目標:水の特性を説明できる。酸・塩基・緩衝液について説明できる。C2(1)1-1,3
講義と質疑教科書3章を読む。
宿題:課題プリント
【3】エネルギー:生命活動の源になるエネルギーを理解する。
目標:生化学反応を熱力学の観点、特に自由エネルギーから捉えることができる。C9(4)2-1
講義と質疑教科書4章を読む。
宿題:4章までの復習
【4】アミノ酸:生体中のアミノ酸の種類と性質を理解する。
目標:標準アミノ酸の構造式がかける。アミノ酸の一文字表記、三文字表記がかける。C9(1)3-1
講義と質疑教科書p113〜p124を読む
復習とミニテストの準備
【5】アミノ酸とペプチド:アミノ酸の性質、代表的なペプチドの役割を理解する。
目標:pHに応じたアミノ酸の電荷の変化、等電点について説明できる。代表的なペプチドを列挙できる。
ミニテスト
講義と質疑
教科書p124〜p131を読む
宿題:課題プリント
【6】タンパク質(1):タンパク質の主要な性質・機能を理解する。
目標:タンパク質の主要な機能を列挙できる。C9(3)1-1
講義と質疑教科書p131〜p140を読む
宿題:課題プリント
【7】タンパク質(2):タンパク質の高次構造および機能発現の仕方を理解する.
目標:タンパク質の一次、二次。三次、四次構造を説明できる。タンパク質の変性とその要因を説明できる。C9(3)1-2  C9(3)3-2
講義と質疑教科書p140〜p147、p153〜p155を読む
宿題:課題プリント
【8】タンパク質(3):タンパク質の折りたたみ、タンパク質の解析法を理解する。
目標:タンパク質が折り畳まれる過程を説明できる。タンパク質の分離精製法を説明できる。C9(3)4-2,3
講義と質疑教科書p147〜p153、p155〜p166を読む
これまでの復習
【9】前半のまとめ中間試験講義1〜8の復習
中間試験の振り返り
【10】糖質(1):単糖について
目標:単糖特にグルコースの構造、性質、役割を説明できる。
C9(1)2-1,2
中間試験の振り返り
講義と質疑
教科書p211〜p224を読む
宿題:課題プリント
【11】糖質(2):二糖、ホモ多糖について
目標:二糖およびホモ多糖の構造、性質、役割を説明できる。
C9(2)2-2,3
講義と質疑教科書p224〜p230を読む
講義10、11の復習
【12】糖質(3):へテロ多糖、複合糖質について
目標:へテロ多糖、複合糖質の構造、性質、役割を説明できる。
C9(2)2-3
講義と質疑教科書p230〜p242を読む
宿題:課題プリント
【13】糖質の代謝(1):解糖系
目標:解糖系の反応および調節、意義について説明できる。
C9(4)2-2,10
講義と質疑教科書p243〜p260を読む
これまでの復習
【14】糖質の代謝(2):糖新生、ペントースリン酸回路
目標:糖新生について説明できる。ペントースリン酸回路の生理的役割を説明できる。C9(4)3-2 C9(4)2-9
講義と質疑教科書p260〜p272を読む
宿題:課題プリント
【15】糖質の代謝(3):グリコーゲンの代謝
目標:グリコーゲンの代謝について説明できる。インスリンとグルカゴンの役割を説明できる。C9(4)3-1,4,6
講義と質疑教科書p272〜p281を読む
課題プリント
全体の復習
評価方法
定期試験(90%)、課題レポート・課題プリント・ミニテスト(10%)により評価する。
教科書
マッキー生化学(第4版)、T.McKee, J.R.McKee、化学同人、2010年、ISBN-4759811902
参考図書
NEW生化学(第2版)、堅田利明ら編集、廣川書店、2006年、ISBN-4567243420
ヴォート生化学(第4版)(上・下)、D.Voet, J.G.Voet、東京化学同人、2012-2013年、ISBN-4807908073
分子細胞生物学 第6版、H.Lodish, A.Berkら、東京化学同人、2010年、ISBN-4807907328
備考
この教科書は2年前期生化学2、2年後期分子生物学でも用いる。
生化学の基本を学ぶことになるが、薬学の立場から、病気との関連や創薬のターゲットという観点を常に念頭において学習する。
1年前期に開講される応用生物学Aおよび応用生物学Bを受講することが望ましい。