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徳島文理大学短期大学部 |
科目番号 | 00297 | 担当教員名 | 榊原 紀和 | 単位 | 1.5単位 |
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科目群 | 専門 | 必修・選択 | 必修 | 開講期 | 前期 | 対象年次 | 4 |
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授業概要 |
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薬物の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)は、薬物の物理化学的性質と、薬物と生体との相互作用によって決まる。また、薬物の薬理作用(薬効)は、薬物の活性の強さと薬物の体内動態に依存している。従って、薬物の薬効を最も適切に発揮させるためには、その体内動態を把握する必要がある。本講義では、生体に投与された薬物の生体内動態について、薬物速度論的立場から、投与後の薬物の血漿中濃度、消失半減期、代謝速度、排泄速度、体内蓄積量などを講述する。また、主に、ファーマコキネティクス(Pharmacokinetics)、生理学的速度論、コンパートメントモデル、臨床薬物動態について講義し、さらに最新の知見を紹介する。 |
到達目標 |
薬物の薬効や副作用を体内の薬物動態から定量的に理解するために、薬物動態の理論的解析に関する基本的知識と技能を修得する。個々の患者に応じた投与計画を立案するために、薬物治療の個別化に関する基本的知識と技能を修得する。 |
授業計画 | 授業形態 | 授業時間外学習 | |
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【1】 | 薬物動態の解析:薬物動態に関わる代表的なパラメーター 到達目標:薬物動態に関わる代表的なパラメーターを列挙し、概説できる。C13(5)1-1 生物学的半減期を説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-6 全身クリアランスについて説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-7 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p331~332、p359~362を熟読する。 復習:教科書 1) p360~362、の問題を解く。 宿題:課題 |
【2】 | 生物学的利用能、生物学的同等性 到達目標:薬物の生物学的利用能の意味とその計算法を説明できる。C13(5)1-2 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p333~338を熟読する。 復習:教科書 1) p336~337、の問題を解く。 宿題:課題 |
【3】 | 線形1-コンパートメントモデル(1):静脈内投与、腎クリアランスの算出、薬物動態パラメーターの算出 到達目標:線形1-コンパートメントモデルを説明し、これに基づいた計算ができる。(知識・技能)C13(5)1-3 生物学的半減期を説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-6 腎クリアランスについて説明できる。C13(4)4-2 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p338~345を熟読する。 復習:教科書 1) p340~342、p345~346の問題を解く。 宿題:課題 |
【4】 | 線形1-コンパートメントモデル(2):経口投与を線形1-コンパートメントモデルで解析、薬物動態パラメーターの算出 到達目標:線形1-コンパートメントモデルを説明し、これに基づいた計算ができる。(知識・技能)C13(5)1-3 生物学的半減期を説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-6 全身クリアランスについて説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-7 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p350~354を熟読する。 復習:教科書 1) p354~356の問題を解く。 宿題:課題 |
【5】 | 線形2-コンパートメントモデルの解析法 到達目標:線形2-コンパートメントモデルを説明し、これに基づいた計算ができる。(知識・技能)C13(5)1-4 生物学的半減期を説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-6 全身クリアランスについて説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-7 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p356~362を熟読する。 復習:教科書 1) p359~362の問題を解く。 宿題:課題 |
【6】 | 線形コンパートメントモデルと非線形コンパートメントモデル 到達目標:線形コンパートメントモデルと非線形コンパートメントモデルの違いを説明できる。C13(5)1-5 非線形性の薬物動態について具体例を挙げて説明できる。C13(5)1-8 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p373~377を熟読する。 復習:教科書 1) p377~378の問題を解く。 宿題:課題 |
【7】 | 薬物の消失・クリアランス:全身クリアランス、肝および腎クリアランス 到達目標:全身クリアランスについて説明し、計算できる。(知識・技能)C13(5)1-7 薬物の肝および腎クリアランスの計算ができる。(技能)C13(5)1-10 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p361~363を熟読する。 復習:教科書 1) p363~364の問題を解く。 宿題:課題 |
【8】 | モーメント解析・生理学的薬物動態学:モデルによらない薬物動態の解析法 到達目標:モデルによらない薬物動態の解析法を列挙し説明できる。C13(5)1-9 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p378~380を熟読する。 宿題:課題 |
【9】 | 点滴静注:点滴静注、反復静脈内投与 到達目標:点滴静注の血中濃度計算ができる。(技能)C13(5)1-11 連続投与における血中濃度が計算できる。(技能)C13(5)1-12 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p346~348およびp365~369を読む。 復習:教科書 1) p349の問題を解く。 宿題:課題 |
【10】 | 繰り返し投与:反復注射、反復経口投与 到達目標:連続投与における血中濃度が計算できる。(技能)C13(5)1-12 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p369~371を熟読する。 復習:教科書 1) p371~373の問題を解く。 宿題:課題 |
【11】 | 治療的薬物モニタリング(TDM):治療的薬物モニタリング(TDM)の意義と実践 到達目標:治療的薬物モニタリング(TDM)の意義を説明できる。C13(5)2-1 TDMが必要とされる代表的な薬物を列挙できる。C13(5)2-2 薬物の血中濃度の代表的な測定法を実施できる。C13(5)2-3 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p381~385を熟読する。 宿題:課題 |
【12】 | 投与計画:至適血中濃度を維持するための投与計画、モデルデータを用いた投与計画のシミュレート 到達目標:至適血中濃度を維持するための投与計画について、薬動学的パラメーターを用いて説明できる。C13(5)2-4 代表的な薬物についてモデルデータから投与計画をシミュレートできる。(技能)C13(5)2-5 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 1) p385~389、p391を熟読する。 復習:教科書 1) p389~391の問題を解く。 宿題:課題 |
【13】 | テーラーメイド薬物治療(1):遺伝的素因、年齢的素因 到達目標:薬物動態に影響する代表的な遺伝的素因について、例を挙げて説明できる。C15(3)1-2 新生児、乳児に対する薬物治療で注意すべき点を説明できる。C15(3)2-1 幼児、小児に対する薬物治療で注意すべき点を説明できる。C15(3)2-2 高齢者に対する薬物治療で注意すべき点を説明できる。C15(3)2-3 生殖、妊娠時における薬物治療で注意すべき点を説明できる。C15(3)3-1 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 2) p304~330を熟読する。 宿題:課題 |
【14】 | テーラーメイド薬物治療(2):合併症 到達目標:腎臓疾患を伴った患者における薬物治療で注意すべき点を説明できる。C15(3)4-1 肝臓疾患を伴った患者における薬物治療で注意すべき点を説明できる。C15(3)4-2 心臓疾患を伴った患者における薬物治療で注意すべき点を説明できる。C15(3)4-3 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 2) p336~349を熟読する。 宿題:課題 |
【15】 | テーラーメイド薬物治療(3):投与計画 到達目標:患者固有の薬動学的パラメーターを用いて投与設計ができる。(知識・技能)C15(3)5-1 ポピュレーションファーマコキネティクスの概念と応用について概説できる。C15(3)5-2 薬動力学的パラメーターを用いて投与設計ができる。(知識・技能)C15(3)5-3 薬物作用の日内変動を考慮した用法について概説できる。C15(3)5-4 | 講義と質疑応答 | 予習:教科書 2) p350~371を熟読する。 宿題:課題 |
評価方法 |
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1) 出席(必須)、授業への取り組み態度等(10%)、2) 定期試験(80%)及び3) 課題レポート・小テスト等(10%)により総合的に評価する。ただし、1)、2)、3)の得点がそれぞれの配点の60%以上であること。 |
教科書 |
1) コアカリ対応 薬剤学 第3版、川島 嘉明、半田 哲郎、米谷 芳枝、山本 いづみ、丸善出版、ISBN-978-4-621-08442-7 2) 薬と疾病Ⅲ 薬物治療(2)および薬物治療に役立つ情報 第2版、日本薬学会 編、東京化学同人、ISBN-978-4-8079-1626-9 |
参考図書 |
入門薬物動態学、金尾 義治、京都廣川書店、ISBN-978-4-901789-01-1 薬と疾病 2B 薬の効くプロセス(2)薬剤 第2版、日本薬学会 編、東京化学同人、ISBN-978-4-8079-1476-0 薬物動態学、西垣 隆一郎、丸善出版、ISBN-978-4-621-04472-8 薬物動態学-基礎と応用- 改訂2版、高田 寛治、じほう、ISBN-978-4-8407-2946-8 新薬剤学 改訂第3版、原島 秀吉 編集、南江堂、ISBN-978-4-524-40286-1 広義薬物動態学、掛見 正郎、岩永 一範、京都廣川書店、ISBN-978-4-901789-23-3 NEWパワーブック生物薬剤学 第2版、金尾 義治、森本 一洋 他編、廣川書店、ISBN- 978-4-567-48087-1 パートナー薬剤学 改訂第2版、寺田 勝英、伊藤 智夫 編、南江堂、ISBN-978-4-524-40289-2 演習で理解する生物薬剤学、山本 昌、坂根 稔康、廣川書店、ISBN-978-4-567-48410-7 CBT対策と演習 薬剤学1-薬物動態学-、薬学教育研究会 編、廣川書店、ISBN-978-4-567-71220-0 |
備考 |
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【受講心得】 薬剤学1、薬剤学2、製剤学1及び医薬品安全性学の内容を十分に理解していること。必ず予習、復習を行なうこと。ホームワークを必ず提出すること。締め切り:授業の3日後の9時00分。 【オフィス・アワー】木曜日14時~18時、それ以外にも適宜、薬学研究棟8階 薬物動態学講座 【備考】近年、医薬分業の急速な進展とともに、高度な薬剤師業務を担当できる「医療人として質の高い薬剤師」が社会的ニーズになっており、こうした社会の要請に応えうる最近の臨床薬物動態例についても修得できるように講述したい。 薬科学科では選択科目であるが、薬剤師国家試験受験資格を取得する者は、この科目の単位を取得する必要がある。 なお、加藤と榊原が担当する。 |