徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    薬物相互作用（Seminar in Drug interactions）

科目番号11389担当教員名加藤　善久単位1単位
科目群専門必修・選択選択開講期後期 対象年次6年
授業概要
本講義では、医療および医薬品に関与する高度の薬剤学的知識を修得し、さらに、適正な薬物治療を推進するために、体内動態の各過程で生じる相互作用およびその対処法を習熟することを目的として、基礎から応用までの生物薬剤学および物理薬剤学を、最近の知見を織り交ぜて講述する。さらに、これまでに修得した薬剤系関連科目に関する知識を他の薬学系科目と相互に関連付けて総合的に活かすことができるよう基礎的な問題から発展的な問題まで多くの関連した演習問題を解く。
到達目標
薬物の生体内運命を理解し、個々の患者の投与設計ができるようになるために、薬物の体内動態およびその解析に関する基本的知識を修得し、それらを応用する基本的技能を身につける。知識（理解）、技能（表現）
薬物治療の個別化に関する基本的事項を修得する。知識（理解）、技能（表現）
製剤化の意義と製剤の性質を理解するために、薬物と製剤材料の物性、製剤設計、および薬物送達システムに関する基本的事項を修得する。知識（理解）
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】ガイダンス、総論 1〜3は加藤善久が担当する。
薬物動態学的相互作用(1)：吸収過程における相互作用とその回避、分布過程における相互作用とその回避
到達目標：薬物の吸収過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。知識（理解）E4(1)��1〜2、E4(1)��1〜5
薬物の分布過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。知識（理解）E4(1)��1〜6		講義、演習と質疑応答予習：教科書 1) p2〜15、p17〜48、p50〜68を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【2】薬物動態学的相互作用(2):代謝過程における相互作用とその回避　1〜3は加藤善久が担当する。
到達目標：薬物代謝酵素の阻害および誘導のメカニズムと、それらに関連して起こる相互作用について、例を挙げ、説明できる。知識（理解）E4(1)��1〜5		講義、演習と質疑応答予習：教科書 1) p71〜103を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【3】薬物動態学的相互作用(3):排泄過程における相互作用とその回避　1〜3は加藤善久が担当する。
到達目標：薬物の排泄過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。知識（理解）E4(1)��1〜5		講義、演習と質疑応答予習：教科書 1) p105〜122を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【4】薬物動態学の解析　4〜5は跡部一孝が担当する。
到達目標：薬物動態の理論的解析ならびに投与設計に関する基本的事項を修得する。知識（理解）、技能（表現）E4(2)��1〜6、E4(2)��1〜3		講義、演習と質疑応答予習：教科書 1) p126〜158、p162〜175を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【5】個別化医療：遺伝的素因、年齢的素因、臓器機能低下、その他の要因　4〜5は跡部一孝が担当する。
到達目標：薬物治療の個別化に関する基本的事項を修得する。
E3(3)��2、E3(3)��1,2、E3(3)��1〜3、E3(3)��2		講義、演習と質疑応答予習：教科書 2) p215〜219、p224〜234、p 237〜249、p255〜261を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【6】（１）製剤の性質　�仝之塑猯繊↓�半固形・液状材料および�Ｊ�散系材料　6〜8は石田志朗が担当する。
到達目標：固体材料の溶解現象（溶解度、溶解平衡など）や溶解した物質の拡散と溶解速度について説明できる。固体材料の溶解に影響を及ぼす因子（ｐHや温度など）について説明できる。固体材料の溶解度や溶解速度を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。E5(1)��1〜5
到達目標：流動性と変形（レオロジー）について説明できる。高分子の構造と高分子溶液の性質（粘度など）について説明できる。
E5(1)��1,2
界面の性質（界面張力、分配平衡、吸着など）や代表的な界面活性剤の種類と性質について説明できる。代表的な分散系（分子集合体、コロイド、乳剤、懸濁剤など）を列挙し、その性質について説明できる。E5(1)��1,2
分散した粒子の安定性と分離現象（沈降など）について説明できる。分散安定性を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。E5(1)��3,4		講義、演習と質疑応答予習：教科書3）p14〜105を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【7】（１）製剤の性質　�ぬ�物及び製剤材料の物性　6〜8は石田志朗が担当する。
到達目標：製剤分野で汎用される高分子の構造を理解し、その物性について説明できる。薬物の安定性（反応速度、複合反応など）や安定性に影響を及ぼす因子（ｐH、温度など）について説明できる。
薬物の安定性を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。
E5(1)��1〜3		講義、演習と質疑応答予習：教科書3）p106〜126を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【8】（２）製剤設計 �‖緝重�な製剤　6〜8は石田志朗が担当する。
到達目標：製剤化の概要と意義について説明できる。経口投与する製剤の種類とその特性について説明できる。粘膜に適用する製剤（点眼剤、吸入剤など）の種類とその特性について説明できる。
E5(2)��1〜3
到達目標：注射により投与する製剤の種類とその特性について説明できる。皮膚に適用する製剤の種類とその特性について説明できる。その他の製剤（生薬関連製剤、透析に用いる製剤など）の種類とその特性について説明できる。E5(2)��4〜6		講義、演習と質疑応答予習：教科書3）p128〜217を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【9】（２）製剤設計 �∪什涓修叛什淹邯核　�9は桐山 賀充が担当する。
到達目標：代表的な医薬品添加物の種類・用途・性質について説明できる。E5(2)��1
到達目標：製剤化の単位操作、汎用される製剤機械および代表的な製剤の具体的な製造工程について説明できる。E5(2)��2
到達目標：汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。E5(2)��3
到達目標：製剤に関連する試験法を列挙し、説明できる。
E5(2)��4
（２）製剤設計 ��生物学的同等性
到達目標：製剤の特性（適用部位、製剤からの薬物放出性など）を理解した上で、生物学的同等性について説明できる。E5(2)��1		講義、演習と質疑応答予習：教科書3）p218〜305教科書を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
【10】（３）DDS ��DDSの必要性　10は窪田 剛志が担当する。
到達目標：DDSの概念と有用性について説明できる。E5(3)��1,2
到達目標：コントロールドリリースの概要と意義について説明できる。投与部位ごとに、代表的なコントロールドリリース技術を列挙し、その特性について説明できる。コントロールドリリース技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。E5(3)��1〜3
到達目標：ターゲティングの概要と意義について説明できる。投与部位ごとに、代表的なターゲティング技術を列挙し、その特性について説明できる。ターゲティング技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。E5(3)��1〜3
（３）DDS �さ杣�改善
到達目標：吸収改善の概要と意義について説明できる。投与部位ごとに、代表的な吸収改善技術を列挙し、その特性について説明できる。吸収改善技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
E5(3)��1〜3		講義、演習と質疑応答予習：教科書3）p308〜381教科書を熟読する。
復習：演習問題を解く。90分
評価方法
筆記試験（100%）出席は必須である。定期試験に対する解答・解説をグーグルクラスルームや掲示板でフィートバックする。
教科書
1) 医療薬学VI.薬の生体内運命、日本薬学会編、東京化学同人、ISBN-978-4-8079-1717-4
2) 医療薬学�后ヌ�物治療に役立つ情報、日本薬学会 編、東京化学同人、ISBN-978-4-8079-1716-7
3) 製剤化のサイエンス（改訂11版）、寺田勝英、高山幸三編集、ネオメディカル、2022年、ISBN978-4-904634-35-6
参考図書
参考書：パートナー薬剤学 改訂第3版、原島 秀吉、伊藤 智夫、寺田 勝英 編、南江堂、ISBN-978-4-524-40337-0
広義薬物動態学、掛見 正郎、岩永 一範、京都廣川書店、ISBN-978-4-901789-23-3
わかりやすい生物薬剤学 第4版、辻 彰 編集、廣川書店、ISBN-978-4-567-48233-2
生物薬剤学 改訂第2版、林 正弘、谷川原 祐介、南江堂、ISBN-978-4-524-40216-8
コアカリ対応 薬剤学 第3版、川島 嘉明、半田 哲郎、米谷 芳枝、山本 いづみ、丸善出版、ISBN-978-4-621-08442-7
入門薬物動態学、金尾 義治、京都廣川書店、ISBN-978-4-901789-01-1
重要公式を用いたわかりやすい薬剤学計算問題の解き方　薬物動態学編、中島恵美、ネオメディカル、
ISBN-4-9903263-1-8
　　　　徹底解説 薬物動態の数学―微積分と対数、非線形―［第2版］、九川文彦編集、廣川書店、ISBN-978-4-567-49651-3
基礎からの薬物動態学、池田敏彦、弓田長彦、みみずく舎、ISBN-978-4-86399-314-3
　　　　薬と疾病 2B 薬の効くプロセス（2）薬剤 第2版、日本薬学会 編、東京化学同人、ISBN-978-4-8079-1476-0
　　　　薬物動態学、西垣 隆一郎、丸善出版、ISBN-978-4-621-04472-8
　　　　薬物動態学−基礎と応用− 改訂2版、高田 寛治、じほう、ISBN-978-4-8407-2946-8
新薬剤学 改訂第3版、原島 秀吉 編集、南江堂、ISBN-978-4-524-40286-1
　　　　NEWパワーブック生物薬剤学 第2版、金尾 義治、森本 一洋 他編、廣川書店、ISBN- 978-4-567-48087-1
薬と疾病�� 薬物治療（2）および薬物治療に役立つ情報 第2版、日本薬学会 編、東京化学同人、ISBN-978-4-8079-1626-9
　　　　マッピングナビゲーション薬物速度論演習、櫻井栄一、京都廣川書店、ISBN-978-4-901789-72-1
薬物動態学 標準問題演習、鴫原淳、山内理恵、京都廣川書店、ISBN-978-4-906992-56-0
演習で理解する生物薬剤学、山本 昌、坂根 稔康、廣川書店、ISBN-978-4-567-48410-7
　　　　CBT対策と演習 薬剤学１-薬物動態学-、薬学教育研究会 編、廣川書店、ISBN-978-4-567-71220-0
領域別既出問題集〔改訂12版〕7.薬剤 第102〜108回薬剤師国家試験、薬学ゼミナール、ISBN-978-4-910504-37-7
2024年4月刊行版
備考
【受講心得】
薬剤学1、薬剤学2、薬物動態学、製剤学1、製剤学2、製剤学3及び医薬品安全性学の内容を十分に理解していること。
これまでの薬剤系関連科目の復習を入念に行い、予習を行って授業に臨むとともに、演習の復習をしっかり行うこと。

【オフィス・アワー】
金曜日16:25〜17:55、それ以外にも適宜、香川薬学部研究棟8階 薬物動態学講座
水曜日17:00〜18:00、それ以外にも適宜、薬学研究棟5階製剤学講座


【備考】　
近年、医薬分業の急速な進展とともに、高度な薬剤師業務を担当できる「医療人として質の高い薬剤師」が社会的ニーズになっており、こうした社会の要請に応えうる最近の臨床薬物動態例についても修得できるように講述したい。
なお、1〜3は加藤善久、4〜5は跡部一孝、6〜8は石田志朗、9は桐山 賀充、10は窪田 剛志が担当する。

【科目ナンバー】ADPI631L薬物相互作用

【DP配分】
DP1 DP2 DP3 DP4 DP5 DP6 DP7
0 0 0 1 0 0 0
香川薬学部の7つのディプロマポリシー(DP)への寄与の度合いに基づき、当該科目の単位数を按分（DP1〜7の合計が担当科目の単位数となる）。