徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    薬剤学2

科目番号00015担当教員名加藤 善久単位1.5単位
科目群専門必修・選択必修開講期後期 対象年次3
授業概要
【授業概要】薬物の生体内動態の過程(吸収、分布、代謝、排泄)は、薬物の薬効や副作用の発現を理解する上で重要となる。また、薬物が薬理効果を発揮する上で、体内動態は他剤併用により大きく変動することがある。従って、その相互作用の要因を把握することが重要である。本講義では、医療および医薬品に関与する高度の薬剤学的知識を修得し、さらに、適正な薬物治療を推進するために、体内動態の各過程で生じる相互作用およびその対処法を習熟することを目的として、基礎から応用までの生物薬剤学を、最近の知見を織り交ぜて講述する。
【到達目標】薬物の生体内運命を理解するために、吸収、分布、代謝、排泄の過程に関する基本的知識を修得する。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】代謝:薬物代謝様式とそれに関わる酵素、シトクロムP450の構造、性質、反応様式 C13(4)3-3 薬物代謝様式とそれに関わる代表的な酵素を列挙できる。C13(4)3-4 シトクロムP450の構造、性質、反応様式について説明できる。  
【2】薬物の酸化、還元、加水分解、抱合反応、薬物代謝酵素の変動要因(誘導、阻害) C13(4)3-5 薬物の酸化反応について具体的な例を挙げて説明できる。C13(4)3-6 薬物の還元・加水分解、抱合について具体的な例を挙げて説明できる。C13(4)3-7 薬物代謝酵素の変動要因(誘導、阻害、加齢、SNPs など)について説明できる。  
【3】薬物代謝酵素の変動要因(加齢、SNPsなど)、初回通過効果、肝および固有クリアランス  C13(4)3-7 薬物代謝酵素の変動要因(誘導、阻害、加齢、SNPs など)について説明できる。C13(4)3-8 初回通過効果について説明できる。C13(4)3-9 肝および固有クリアランスについて説明できる。  
【4】排泄:腎における排泄機構、腎クリアランス C13(4)4-1 腎における排泄機構について説明できる。C13(4)4-2 腎クリアランスについて説明できる。  
【5】糸球体ろ過速度、腎機能検査、クリアランス比、尿中排泄速度  C13(4)4-3 糸球体ろ過速度について説明できる。  
【6】胆汁中排泄、腸肝循環と腸肝循環を受ける薬物 C13(4)4-4 胆汁中排泄について説明できる。 C13(4)4-5 腸肝循環を説明し、代表的な腸肝循環の薬物を列挙できる。  
【7】唾液・乳汁中への排泄 尿中排泄率の高い薬物 C13(4)4-6 唾液・乳汁中への排泄について説明できる。C13(4)4-7 尿中排泄率の高い代表的な薬物を列挙できる。  
【8】吸収過程における薬物相互作用:複合体形成、トランスポーター C13(4)1-6 薬物の吸収に影響する因子を列挙し説明できる。C13(4)5-1 薬物動態に起因する相互作用の代表的な例を挙げ、回避のための方法を説明できる。  
【9】分布過程における薬物相互作用:血漿タンパク結合 C13(4)2-4 薬物の体液中での存在状態(血漿タンパク結合など)を組織への移行と関連づけて説明できる。C13(4)2-5 薬物分布の変動要因(血流量、タンパク結合性、分布容積など)について説明できる。C13(4)5-1 薬物動態に起因する相互作用の代表的な例を挙げ、回避のための方法を説明できる。  
【10】代謝過程における薬物相互作用:酵素誘導、酵素阻害 C13(4)3-7 薬物代謝酵素の変動要因(誘導、阻害、加齢、SNPsなど)について説明できる。C13(4)5-1 薬物動態に起因する相互作用の代表的な例を挙げ、回避のための方法を説明できる。  
【11】排泄過程における薬物相互作用:糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収 C13(4)4-1 腎における排泄機構について説明できる。C13(4)5-1 薬物動態に起因する相互作用の代表的な例を挙げ、回避のための方法を説明できる。   
【12】薬動学:薬物動態パラメーター、全身クリアランス、分布容積、生物学的半減期 C13(5)1-1 薬物動態に関わる代表的なパラメーターを列挙し、概説できる。C13(4)2-5 薬物分布の変動要因(血流量、タンパク結合性、分布容積など)について説明できる。C13(5)1-6 生物学的半減期を説明し、計算できる。(知識・技能) C13(5)1-7 全身クリアランスについて説明し、計算できる。(知識・技能)  
【13】薬動学:生物学的利用能の求め方 C13(5)1-2 薬物の生物学的利用能の意味とその計算法を説明できる。  
【14】線形1-コンパートメントモデル:静脈内単回投与 C13(5)1-3 線形1-コンパートメントモデルを説明し、これに基づいた計算ができる。(知識・技能) C13(5)1-6 生物学的半減期を説明し、計算できる。(知識・技能) C13(4)4-2 腎クリアランスについて説明できる。  
【15】線形1-コンパートメントモデル:経口投与 C13(5)1-3 線形1-コンパートメントモデルを説明し、これに基づいた計算ができる。(知識・技能) C13(5)1-6 生物学的半減期を説明し、計算できる。(知識・技能) C13(5)1-7 全身クリアランスについて説明し、計算できる。(知識・技能)  
評価方法
出席状況及び授業への取り組み態度等(10%)、定期試験(80%)及び課題レポート・小テスト等(10%)により総合的に評価する。
教科書
コアカリ対応 薬剤学 補訂版 丸善 川島 嘉明、米谷 芳枝、山本いづみ ISBN 978-4-621-07930-0
参考図書
演習で理解する生物薬剤学 廣川書店 山本 昌 編 ISBN 978-4-567-48410-7、広義薬物動態学 京都廣川書店 掛見 正郎 編 ISBN 978-4-901789-23-3、薬と疾病 I.薬の効くプロセス(6) 東京化学同人 日本薬学会 編 ISBN 978-4-8079-1461-8、生物薬剤学 改訂 第2版 南江堂 林 正弘・他 編 ISBN 978-4-524-40216-8、わかりやすい生物薬剤学 第4版 廣川書店 辻 彰 編 ISBN 978-4-567-48233-2、薬物動態学 丸善 西垣 隆一郎 ISBN 4-621-04472-9、最新薬剤学 廣川書店 林 正弘 編 ISBN 978-4-567-48025-3、標準薬剤学 南江堂 渡辺 善照 ISBN 978-4-524-40231-1、
パートナー薬剤学 南江堂 寺田 勝英、伊藤 智夫 編 ISBN 978-4-524-40232-8
備考
最近明らかにされている薬物の生体内動態に関与するトランスポーターや薬物代謝酵素、また、微量で活性の高い抗がん剤やバイオ医薬品などの臨床応用例などについても修得できるように講述したい。
履修する上での必要な条件:薬剤学1、薬理学A、薬理学B及び衛生化学2の内容を十分に理解していること。
必ず予習、復習を行なうこと。