徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    文学A

科目番号40497担当教員名後藤 立夫単位2単位
科目群一般必修・選択選択開講期後期 対象年次1年
授業概要
 優れた文学作品は、読む人の感性や感情、思考を刺激し、創造性を喚起し、人の成長を促す。
 世界の名作「星の王子様」の読解・鑑賞(精読)をとおして、巧みに喚起されている現代社会の種々の課題に触れ、王子と飛行士の触れ合いをとおして、その課題を解決に向かわしめることを示唆する作者の思惑を理解する。こうしたことを通して授業参加者は、自己確立を図り、人としての望ましい生き方・在り方をについての内省を深める。
到達目標
1 知識(理解) 文体(比喩表現)の特徴を踏まえ各章の内容の理解ができる。作品のテーマがわかる。
2 態度(関心・意欲)ノート作成。
          予習プリントをとおして作品への理解を深めると共に、同じ作者の作品をすすんで読む。
3 技能(表現) 「このように作品を読んだ」というレポートを作成し、自分の思索をまとめる。
4 思考・判断   作者のこの作品における願いや狙いを理解し、自己の生き方・在り方への思いを深める。。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】 星の王子様」の作者、サン=テグジュペリの一生とその作品群について知る。  講義
略年表
予習 作者の略年表作成。テキスト全文   通読し、読解上の疑問点をノート   に列挙しておく。
復習 復習ノートの作成 
【2】プロローグのレオン・ウェルトに捧ぐを読み、作品に託した作者の思いを知る。   講義
感想の口頭発表
質疑応答
予習 「星の王子様」全文を読み、感想  をA41枚以内にまとめておく。
復習 献辞の意味が理解できているか。
【3】1章のウワバミの絵で表そうとした「こわさ」の意味を踏まえ、その寓意性への理解を図る。4章の「ものそのもの、ことそのこと」がたいせつな「ぼくたち」と大人はどう違うのか、具体的表現箇所を踏まえて把握し、深く読み進めるために心得ておかなければならない表現技法を理解する意見交換
講義
質疑
予習 第1部第1章から9章をよく読   み、疑問点や感想をノートにまとめ  ておく。特に表現上の特長を把握し  ておくこと。
復習 復習課題。ノートの作成
【4】6章の「バオバブ」の「けんのんさ」を踏まえ、その絵に示された寓意を理解する。  意見交換
講義
質疑
予習 比喩的表現をふまえ現代社会にお  けるバオバブなるものとは等、読み  進めるためのレトリックについてま  とめておく。
復習 復習課題。ノートの作成
【5】7章 「とてもだいじなこと」「君は何もかもごちゃ混ぜにしている」を明らかにし王子の怒りについて理解する。意見交換
講義
質疑
予習 7章を熟読し、王子の心配事、心を痛めていることについて、「ヒツジと王子の関係」「飛行士と王子の相違点」「王子と花の関係」を通して考えをまとめておく。
復習 復習課題。ノートの作成
【6】8・9章 「王子の花」「花と王子の関係」についての理解を深める。 意見交換
講義
質疑
予習 8・9章を熟読し花と王子の関係と別れについてまとめておく。花は王子になぜつれないそぶりをしたのか。そんな花に王子はどうだったのか。
復習 復習ノートの作成
【7】第2部10〜16章を読む その1
 のおとな達は、王子からみるとなぜ「変」なのか。ここで描かれた人物は、大人世界の人物類型である。その共通性について理解し、なぜ大人って変といわれるような存在になるのかについて考える。  
意見交換
講義
質疑
予習 第2部10章〜16章を読み、類型化された大人像についてまとめておく。点灯夫に王子が共感を覚えるのはなぜか、まとめておく。
復習 復習課題。ノートの作成
【8】第2部10〜16章を読む その2 
 王子が友達になりたい人間、王子が求めている人間とは。各章の登場人 物から考える。地球上の人間達は今幸せなのか。
意見交換
講義
質疑
予習 第2部全体を読み、疑問点をまとめておく。地球上にはどのような人間たちがいるのだろうか。地球上で弾圧や差別、戦争や紛争が絶え間なく起こる原因について考えてみよう。
復習 復習課題。ノートの作成
【9】第3部を読む。その1
 17章、王子はなぜ砂漠にいるのか、18・19.22章 に示された地球の人間の生き方について理解し、主体的生き方の喪失のについての思いを深める。 
意見交換
講義
質疑
予習 第3部18・19.22章まで授業計画の目的に沿ってを詳しく読む
【10】第3部を読む  その2
第3部を読む  その2
 20章 王子の心の有り様を「バラの花の咲きそろっている庭」で5千もある花の前で「突っぷしてなく」王子の描写を通して理解する。                           
意見交換
講義
質疑
予習 第3部20章を詳しく読み、この時点で王子はなぜこれだけのショックを受けたのかについてまとめておく。
【11】第3部を読む その3
  21章 狐との出会いは王子に何をもたらせたのか。「飼いならすこと」における絶対条件とは何か。そのことでお互いが分かち合えるものは何か。また「仲良くなる」となぜ王子のように変容できるのか。飼いならした相手に対する責任ということを通した、人間の望ましい生き方についての示唆に触れる。
詩情あふれた優れた描写を味わう。                               
意見交換
講義
質疑
予習 21章を読み、狐との接触が王子に何をもたらしたかについてまとめておく
復習 復習課題。ノートの作成
【12】第3部を読む その4
 24章の「星が美しいのは目に見えない花が「砂漠が美しいのはどこかに井戸をかくしているから」「家には宝が埋められていて家中がその魔法にかかっているよう」であり、「その美しいところは目に見えない」としているが、その「美しい」ものとは何かについての理解を図る。                    
意見交換
講義
質疑
予習 24章熟読し、「一番大切なものは目に見えない」の一番大切なものについて、まとめておく。          
【13】第3部を読む  その5  
 1 描写のすばらしさを味わう。2 王子と飛行士が探り当てたものは  、分かち合えたものは何だったのか。それはどうすることによっても  たらされたのか。3 探しているものはたった1本のバラの花の中に  だって少しの水にだってある」とあるが、人の生き方の大事なところをを示唆しているところでもある。じっくり味わいを深める。」 
意見交換
講義
質疑
予習 24・25章を読んで学習計画に示した課題について考えをまとめておく。作品のテーマをまとめてみる。
復習 復習課題。ノートの作成
復習 復習ノートの作成      
【14】第3部を読む その5 王子が命と引き替えに、遠い星に咲くバラの花の元へ帰って行くことはバラに対する王子の責任であるが、それは人間の生き方についての示唆である。作者は、狐をとおして、王子、飛行士、バラの花、読者に、目に見えない貴重なものを知らしめてきたが、それを分かち合った私たちは、誰に対して、何に対してどのような「責任」はたせばいいのかについて考えを深める。
      
意見交換
講義
質疑
予習 26章27章を熟読しておく。
復習 復習課題。ノートの作成
【15】まとめ  作品が自分に何をもたらしたかまとめておく。
【16】   
評価方法
予習課題。10%
ノート点検(各章毎学習記録)2部終了時の1回。20%
レポート。予習課題 60%
授業態度(進んで授業に参加しようとしたか。求められると意見が発表できる。グループ討議への積極的参加。遅刻等の有無)10%
教科書
サン=テグジュペリの「星の王子様」(内藤 濯訳)を学内購買で各自独自で購入しておくこと。
参考図書
「夜間飛行」サン=テグジュペリ 「人間の土地」サン=テグジュペリ 「星の王子様の世界」塚崎幹夫 中公文庫 「星の王子様のプレゼント」小島俊明 中公文庫 「星の王子様」が教えてくれたこと ポール・ムニエ 富士の邦夫訳訳 ランダムハウス講談社
備考