徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    遺伝看護学

科目番号12182担当教員名上田 伊佐子単位1単位
科目群専門必修・選択選択開講期後期 対象年次4
授業概要
ヒトゲノム塩基配列の解読が進み、遺伝子の機能解析によって個人の遺伝情報を基にした健康増進、病気の診断・治療が行われるようになってきている。そのような中において、看護職者は、様々な遺伝的な問題をもつ人々に援助の手を差し伸べなければならない。本授業では、新しい遺伝学の知識を取り込み、より専門的な知識・技術を駆使してケアを提供すること、遺伝的問題を抱え苦悩する看護の対象への心理的支援とともに倫理的支援の重要性について概説する。以上を踏まえ、科学の進歩に伴う遺伝看護ついて関心を高める素養を養う。
到達目標
1.知識(理解):ヒトゲノム塩基配列ならびに遺伝子の機能解析による個人の遺伝情報を基にした健康増進、病気の診断・治療と看護の基礎について概説できる。
2.態度・関心:遺伝子疾患に苦悩する看護の対象への心理的支援とともに倫理的支援の重要性について関心をもち、それらの方々へ心を寄せる態度を培う。
3.思考・判断:遺伝子疾患に苦悩する患者に対する看護を思考し、どのような看護を提供すれば良いのか判断したことを説明できる。
4.技能(表現):遺伝子疾患に苦悩する患者に対する看護の実践例として遺伝カウンセリングを行い、技能(表現)力を養えたかについてリフレクションとルーブリックによって課題を見出す。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】ポストゲノム時代の遺伝医療
1)ゲノムとは
2)個人に適合したオーダーメイド医療
講義(一斉講義形式、Think-Pair-Share)・予習:ゲノム解析と関連する課題や問題について調べてくる。
・復習:授業で学んだことを復習ノートに整理する。
(約30分)
【2】1)遺伝性疾患
①胎児・周産期(出生前診断):先天奇形、染色体異常
②小児期:先天性代謝異常
③成人期:がん
2)遺伝学の知識
①染色体とDNA、遺伝形式、染色体異常
②先天奇形
③ 遺伝診断とリスクアセスメント
3)遺伝性疾患患者とその家族に対する社会の認識、偏見や差別の存在
4)遺伝性疾患にかかる検査・診断・治療・療育・看護に対する意思決定(当事者と家族、親族との関係ならびに医療従事者、特に看護者の態度)
講義(一斉講義形式、Think-Pair-Share)・予習:遺伝性疾患と関連する課題や問題について調べてくる。
・復習:授業で学んだことを復習ノートに整理する。
(約30分)
【3】1)遺伝看護の現状
2)臨床における遺伝看護
①出生前診断
②がん疾患の発症前診断などに伴う倫理的問題への対応
講義(一斉講義形式、Think-Pair-Share)・予習:遺伝子看護の現状について調べてくる。
・復習:授業で学んだことを復習ノートに整理する。
(約30分)
【4】1)遺伝子診断・治療に関連する主なガイドライン
2)遺伝子検査・スクリーニング場面の課題への対応
講義(一斉講義形式、Think-Pair-Share)・予習:遺伝子診断について調べてくる。
・復習:授業で学んだことを復習ノートに整理する。
(約30分)
【5】遺伝医療サービスの看護倫理
①「知る権利」と「知らない権利」
②妊娠を継続するか否かの葛藤
③遺伝診断の就学、結婚、就職などの差別の懸念
④看護実践における倫理的意思決定
講義(一斉講義形式、Think-Pair-Share)・予習:遺伝医療の看護倫理について調べてくる。
・復習:授業で学んだことを復習ノートに整理する。
(約30分)
【6】1)遺伝医療のなかでの看護の役割
①対象理解と患者の苦悩の支援
2)遺伝カウンセリング
①ガイドラインの紹介
グループワーク遺伝カウンセリングの事例を考えてくる。
(約60分)
【7】遺伝カウンセリングの実際ロールプレイ遺伝カウンセリングができるように準備してくる
(約30分)
【8】遺伝看護のまとめグループワーク・予習:授業で学んだことをレポートにまとめてくる。
(約30分)
評価方法
グループワーク活動およびロールプレイ(70%)、授業への意欲・関心(30%)を総合的に評価します。
グループワーク活動はルーブリックでフィードバックします。
教科書
遺伝/がんゲノム看護(医歯薬出版株式会社)
遺伝カウンセリングロールプレイ(メディカル・サイエンス・インターナショナル)
参考図書
安藤広子、塚原正人、溝口満子編:遺伝看護、医歯薬出版株式会社
備考
これを機会に受講者が遺伝看護学への興味を広げて、臨床での学びにつながることを期待しています。
【科目ナンバー】DBCC413L
【オフィスアワー】 月曜日16:30~18:00 研究室(3号館10F)
【実務経験】
1985年4月~1988年3月 徳島大学病院看護師
1988年4月~2015年3月 徳島県立富岡東高等学校看護科専攻科および川崎医療福祉大学において看護学教員
2006年~ 日本がん看護学会に所属