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徳島文理大学短期大学部 |
科目番号 | 12262 | 担当教員名 | 東 敬次郎 | 単位 | 2単位 |
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科目群 | 専門 | 必修・選択 | 選択 | 開講期 | 後期 | 対象年次 | 3年 |
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授業概要 |
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妊娠期、分娩期、産褥期における妊産婦・胎児・新生児の生理的変化を理解し、これらの時期における疾患を学ぶ。さらに妊産婦を観察、診察する方法を理解し、異常の早期発見ができるようにするとともに胎児と新生児の健康と生命を守ることができるようにする力を習得する。 |
到達目標 |
1.態度(関⼼・意欲):母児の生命と健康を守るためには、助産師はどうあるべきか、について強い関心をもち、その業務遂行への強い意欲を培う。 2.知識(理解):周産期の疾患とはどのようなものであるかを理解し、助産業務を⾏うための⼗分な知識を習得する。 3.思考・判断:周産期の疾患を認めた場合の判断・対処能⼒を養う。特に妊産婦の症状と助産学的方針決定の過程につき、胎児・新生児との関連性を常に念頭に置く。 4.技能(表現):周産期の疾患を有する妊産褥婦への看護に必要な技能を理解する。母体だけでなく、胎児・新生児にも配慮した助産業務を実行する技能を身につける。 |
授業計画 | 授業形態 | 授業時間外学習 | |
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【1】 | 【生殖内分泌学・生殖生理学】 妊娠が成立するまでの内分泌学的および生殖生理学的メカニズムを理解する。特に、卵胞の発育、排卵機構、受精、着床について学ぶ。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 生殖生理学と妊娠成立過程をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【2】 | 【発生学】 ヒトの初期胚の発育様式、胎児の成熟過程、胎盤・臍帯・羊水の役割について学ぶ。 特に、妊娠初期の胚の発生、外胚葉・中胚葉・内胚葉とは何かを学ぶ。さらに母体の変化についても理解を深める。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 ヒトの初期胚の発育様式をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【3】 | 【妊娠期の疾患-1】 妊娠期には、母体の重篤な疾患が出現することがある。妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群、子癇、肺水腫、HELLP症候群について理解する。これらの疾患は母体の生命を脅かす可能性があるものであることを深く理解する。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 妊娠高血圧症候群をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【4】 | 【妊娠期の疾患-2】 胎児と新生児の疾患について学ぶ。胎児発育不全、胎児機能不全、新生児仮死を理解する。これらは胎児と新生児の健康・生命に直結する極めて重要な疾患であることを、十分に理解する。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 胎児発育不全と胎児機能不全をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【5】 | 【妊娠期の疾患-3】 妊娠中の母体の疾患について学ぶ。流産、子宮頸管無力症、早産、切迫早産、異所性妊娠、過期妊娠について学ぶ。これらは、母児の健康に重大な異常を与える恐れがあることを理解する | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 早産と切迫早産をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【6】 | 【妊娠期の疾患-4】 妊娠中の母体の疾患について学ぶ。血液型不適合妊娠(Rh不適合妊娠、ABO不適合妊娠)、多胎妊娠、前期破水、絨毛膜羊膜炎、羊水過多症、羊水過少症について学ぶ。さらにハイリスク妊娠(心疾患、喘息、腎疾患、糖尿病、甲状腺疾患など)を有する妊婦の管理について理解する。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 Rh不適合妊娠とABO不適合妊娠をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【7】 | 【妊娠期の疾患-5】 母子感染症(風疹、性器ヘルペス、サイトメガロウイルス、水痘、トキソプラズマ、クラミジア、梅毒など)について学ぶ。特に感染症が胎児や新生児に奇形、重症貧血、子宮内胎児死亡などをもたらす可能性があることを理解する。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 母子感染症をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【8】 | 【妊娠期の疾患-6】 胎児に悪影響を及ぼし得る喫煙・飲酒・葉酸不足・メチル水銀などについて学ぶ。 特に喫煙による胎児発育不全、葉酸不足による二分脊椎などの先天異常について理解する。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 胎児に異常を起こす化学物質をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【9】 | 【分娩期の生理】 分娩はどの様にして進行するのか、分娩の三要素とは何かを学ぶ。分娩は正常骨盤、適切な陣痛、健全な胎児の三者がそろって初めて成立する。ヒトの骨盤は相対的にせまく、胎児は4回も骨盤内で回ることで出生に至る。この機序を理解する | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 分娩の三要素をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【10】 | 【分娩期の疾患-1】 分娩の異常について学ぶ。狭骨盤、微弱陣痛、過強陣痛、児頭骨盤不均衡、不正軸進入、回旋異常(反屈位、後方後頭位)について理解する。これらは臨床の場でしばしば経験する異常であるから、十分に理解しておく必要がある。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 児頭骨盤不均衡をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【11】 | 【分娩期の疾患-2】 胎児心拍数モニタリングについて学ぶ。胎児機能不全の診断が出来るようになるよう、理解を深める。助産師として仕事をするためには一過性頻脈、一過性徐脈、頻脈、徐脈、遷延性徐脈、細変動の減弱と消失を判読できなければならない。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 胎児心拍数のモニタリングに必要な器機をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【12】 | 【分娩期の疾患-3】 分娩時の異常について学ぶ。常位胎盤早期剥離、前置胎盤、癒着胎盤、遷延分娩、会陰裂傷、子宮破裂、弛緩出血、DIC、羊水塞栓症、肺血栓塞栓症について学ぶ。これらは母児の生命を奪う恐れのある疾患であることを十分理解する。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 常位胎盤早期剥離をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【13】 | 【分娩期の疾患-4】 敗血症性ショック、脳出血、脳梗塞、子宮内反症、分娩誘発法と促進法、TOLAC、骨盤位分娩、クリステレル胎児圧出法、鉗子分娩、吸引分娩について学ぶ。これらは産科救急疾患として一刻を争う疾患とその対処法であり、極めて重要である。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 分娩誘発法をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【14】 | 【分娩期の疾患-5】 分娩時の異常について学ぶ。帝王切開術、胎盤用手剥離、無痛分娩、出血性ショック、輸血療法の基礎と重要性、妊産婦死亡、アナフィラキシーショックについて学ぶ。 | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 出血性ショックをレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
【15】 | 【産褥期の生理と疾患】 産褥期の生理では、子宮復古について学ぶ。母体はどの様な過程で妊娠前の状態に復帰するのかを理解する。また産褥期に多い疾患、特に子宮復古不全、産褥熱について理解する | スライドによる講義、教科書持参、配布プリントによる知識の整理。「一斉講義形式」 | 資料・教科書等で指定範囲を予習。 産褥熱をレポートにまとめる。 復習ノート作成(1〜2時間) |
評価方法 |
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成績は定期試験(筆記試験:100%) 100 満点で、60 点以上を合格とします。欠席および30 分以上の遅刻は減点。 |
教科書 |
「助産学講座2 母子の基礎科学、医学書院」、「助産学講座6 助産診断・技術学II 妊娠期、医学書院」、 「助産学講座7 助産診断・技術学II 分娩期・産褥期、医学書院」、「助産学講座8 助産診断・技術学II 新生児期・乳児期、医学書院」 |
参考図書 |
病気が見える vol.10 産科 第4版、メディックメディア |
備考 |
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オフィスアワー: 月曜日(17:00〜) 東研究室 科目ナンバー: DBMW307L 実務経験: 1995年5月より徳島大学医学部産婦人科講師、2006年4月より徳島市民病院産婦人科診療部長 |