徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    人権教育

科目番号12263担当教員名青山 佳裕単位2単位
科目群資格必修・選択選択開講期前期 対象年次4年
授業概要
人権とは「人々が生存と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」である。まず、人権を一層身近で具体的な事柄に関連させてより明確に把握する。続いて、人権獲得の歴史に学び、未来へ引き継ぐべきものは何かを考える。さらに制度や法律についても単に知識としてだけでなく、現代社会の中で果たしている役割や課題について考察する。本講では主に用意した資料をもとに授業を進めるが、適宜、視聴覚教材等も使用する。
到達目標
(1)知識・理解 将来、教員として人権教育を進める上で必要となる幅広い知識を身につける。(2)興味・関心・態度 人権教育を進める教員として不可欠な感性を育むとともに、人権問題の解決に積極的に取り組もうとする態度を養う。(3)技能・表現 人権問題の解決に取り組む人々の輪を広げるために、コミュニケーション力を高め、他者との協働的な学びの経験を積む。(4)思考・判断 人権教育を進めていく上で必要な深い人間観を養い、物事を多面的・多角的に考えることができる力を養う。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】「人権教育とは」をテーマに講義をする。一人の人間として、一人の教育者として人権を考えていくとはどういうことかについて考える。講義「人権教育・啓発に関する基本計画」第1章及び第2章について事前学習をする。(90分)
【2】「子どもの人権」テーマに講義をする。「子どもの権利条約」、「児童虐待の防止等に関する法律」など、子どもの人権に関する法等が次々と策定されている。学校にとって最もかかわりが深い子どもの人権について考える。講義、グループワーク「子どもの権利条約」の4つの原則について事前学習をする。(90分)
【3】「いじめ・不登校」テーマに講義をする。「いじめ防止対策推進法」、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」などについて知るとともに、人権尊重の理念に立った生徒指導についても考察する。講義、グループワーク、発表「生徒指導提要」の「第4章 いじめ」について事前学習する。(90分)
【4】「インターネット上の人権侵害」をテーマに講義をする。特定の個人に対して多くの誹謗中傷の書き込みが行われている現状について知り、課題を把握する。講義「生徒指導提要」の「第11章 インターネット・携帯電話に関わる問題」について事前学習をする。(90分)
【5】「インターネットの人権侵害」をテーマに講義をする。「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に関する法律」などインターネット上の人権侵害を防止する方法について考察する。講義、グループワーク、発表前時に学習したことや配布した資料を参考に、インターネット上の人権侵害を防止する方法について自分の意見をまとめる。(90分)
【6】「男女共同参画と人権」をテーマに講義をする。「男女雇用機会均等法」等において男女平等の原則が確立されているが、家庭や職場において様々な男女差別が生じている。男女平等の社会を実現するために何が必要かについて考える。講義、グループワーク「人権教育・啓発白書」の「第2章 人権課題に対する取組 1 女性」について事前学習する。(90分)
【7】「性的マイノリティに関する人権課題」をテーマに講義をする。改訂された「生徒指導提要」に「性的マイノリティ」に関する課題と対応について、新たに追記されている。「性的マイノリティ」とされる児童生徒への配慮と、他の児童生徒への配慮との均衡を取りながら支援を進める方法について考える。講義、グループワーク「生徒指導提要」の「第12章 性に関する課題 12.4 「性的マイノリティ」に関する課題と対応」について事前学習する。(90分)
【8】「高齢者差別」をテーマに講義をする。高齢化が進む現状を踏まえ、介護者等による身体的・心理的虐待や財産処分等の経済的虐待について知り、高齢者の人権問題について考える。講義、グループワーク「人権教育・啓発白書」の「第2章 人権課題に対する取組 3 高齢者」について事前学習する。(90分)
【9】「障がい者の人権」をテーマに講義をする。「障害者差別解消法」が施行され、合理的配慮の提供をはじめとする障害を理由とする差別解消に向けた取り組みが進んでいる。障がいのある人を含む全ての人々にとって住みやすい平等な社会づくりについて考える。講義、グループワーク、発表「生徒指導提要」の「第13章 多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導」について事前学習する。(90分)
【10】「感染症をめぐる人権侵害」をテーマに講義をする。誤った知識や偏見等により感染者やその家族が差別やプライバシー侵害を受ける人権問題について知り、感染症をめぐる偏見や差別の解消方法について考える。講義、グループワーク「人権教育・啓発白書」の「第2章 人権課題に対する取組 8 感染症 9 ハンセン病患者・元患者やその家族」について事前学習する。(90分)
【11】「災害にともなう人権問題」をテーマに講義をする。東日本大震災を契機に、避難所等では、プライバシーの確保のほか、女性や高齢者等への配慮が必要であることが改めて認識された。また、放射能にかかる風評に基づく心無い嫌がらせ等も発生した。被災された方々の状況を理解し、人権に配慮しながら、支援していくことの大切さについて考える。講義、グループワーク前時に配布した資料について学習し、災害に伴う人権問題について、自分の意見をまとめる。(90分)
【12】「部落差別(同和問題)」をテーマに講義をする。我が国固有の人権問題である部落差別は、憲法が保障する基本的人権の侵害に関わる深刻かつ重大な問題である。その歴史について学習し、部落差別解消に向けた取り組みとその成果について理解する。講義前時に配布した資料について学習し、「部落差別(同和問題)」の歴史について事前学習する。(90分)
【13】「部落差別(同和問題)」をテーマに講義をする。「部落差別解消法」第1条には、現在もなお部落差別が存在することが明記されている。部落差別の解消には、人権教育が不可欠であることを理解する。講義、グループワーク前時に配布した資料について学習し、「部落差別の解消には、なぜ人権教育が必要であるのか」について、自分の意見をまとめる。(90分)
【14】「貧困と人権」をテーマに講義をする。現在、日本では全体の9人に1人もの子どもたちが貧困状態にあると言われている。貧困により、子どもは教育や社会経験の機会を失い、結果として学力不足や精神的に未成熟なまま大人になり、その子どもも貧困となる。貧困は連鎖してしまうといわれている。貧困に苦しむ子どもおよび保護者への支援について考える。講義、グループワーク、発表前時に配布した資料について学習し、「貧困と人権」に関して、特に子どもに与える影響について、自分の意見をまとめる。(90分)
【15】「戦争と人権」をテーマに講義をする。「戦争は、最大の人権侵害であり、差別である」といわれている。ウクライナ侵攻やガザ戦争などが起こっているが、人権教育という視点で平和の大切さについて考える。講義、グループワーク前時に配布した資料について学習し、「戦争は、最大の人権侵害であり、差別である」について、自分の意見をまとめる。(90分)
評価方法
〇活動の評価(グループワーク・発表など)(30%)、課題プリント(20%)、レポート(50%)から、総合的に評価する。
〇課題、レポート等の解説や評価ポイントは、事後の授業またはグーグルクラスルームでフィードバックする。
教科書
特に指定しない。
参考図書
令和5年度版 人権教育・啓発白書、生徒指導提要、人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]など
備考
①オフィスアワー 講義終了後 1号館1階 非常勤講師室で対応します。
②科目ナンバー
③実務経験 昭和59年~令和3年 徳島県公立高等学校教員