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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】電気工学 - Electrical Engineering

科目番号	10714	担当教員名	本田　道隆	単位	2単位

科目群	専門	必修・選択	必修	開講期	後期	対象年次	1年

授業概要
現在の医療において様々な電子機器やデジタル装置が不可欠であり、また生体信号のセンシングが必要とされることは言うまでもない。それらを安全かつ有効に活用するには電気回路に使われる素子やその組み合わせにより形成される回路理論を知ることが求められる。この授業ではそれを最初に学ぶ段階として、必要な数学や物理学を要所で説明しながら、装置で使用される電気・電子デバイスの働きと人間への影響、電気回路で用いられる用語の意味、基本回路の構成法、作用、さらに効果について学ぶ。
到達目標
① 知識：電気が流れるときの物理現象（電磁気学の基本）を理解し、基本用語および基本回路を説明できる。 ② 態度：診断や診療を有効に行ううえで電気に関する知識が不可欠なことを具体的に理解して学習に意欲的に取り組むことができる。 ③ 技能：電気を安全に取り扱う手法や計測する手法を理解して、電源の危険性、事故につながる不正な取り扱い、および電流計測器の正しい使用法や基本的な仕組みを説明することができる。 ④ 思考・判断：医用機器が安全かつ効率よく医療に使われるための安全性や保守性を電気工学の立場から説明できる。

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	ガイダンス・様々な関連用語の説明　・電気安全に関する話　・電撃の影響　・危険な回路とは何か	講義	配布資料に含まれている用語の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。（配布資料は教科書の要点を書いたものなので、教科書も読んでおくこと）
【2】	電気を身近に感じてもらうための話と科学データの取り扱いに関する講義・電圧や電流の意味　・電気回路の水路モデル　・統計手法の話	講義	配布資料に含まれている用語の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。
【3】	電気回路の理解および関連諸量計算の基礎１・回路・ネットワークの簡単化　・断線およびショートがある場合の回路簡単化演習	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【4】	電気回路の理解および関連諸量計算の基礎２・回路を流れる電流の推定方法　・キルヒホッフ第一法則の使い方演習	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【5】	電気回路の理解および関連諸量計算の基礎３・回路内の電位の計算方法　・オームの法則とキルヒホッフ第二法則の使い方演習	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【6】	直流回路の計算法１　抵抗分圧の話・ブリッジとは何か　・電位が同じとはどういうことか	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【7】	直流回路の計算法２　回路方程式の話・回路内のオームの法則　・回路内で成り立つ式（回路方程式）の立て方と解き方	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。。
【8】	直流回路の計算演習と交流回路の意味の説明・例題を用いた直流回路の計算演習　・なぜ交流が使われるか、など基礎的な説明	演習および講義	教科書の関連演習問題を自分でやってみて正解を得る計算方法を確認すること。
【9】	交流電圧・電流の表し方（実効値と位相）および複素インピーダンスの説明・三角関数と複素数の復習　・実効値と平均値　・位相とは何か　・コイルとコンデンサの基本的性質	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【10】	交流回路の電圧および電流の計算方法・複素インピーダンスを用いた回路定数の計算方法　・位相の計算方法	講義および演習	教科書の関連演習問題を自分でやってみて正解を得る計算方法を確認すること。
【11】	交流回路の共振現象の説明・共振の有難みや利用方法の説明　・共振現象とは回路で何が起きているのか　・共振周波数の計算方法	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【12】	電力の講義・電力とは何か　・エネルギーと電気代について　・交流電力の計算方法と演習	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【13】	トランスとコンデンサの講義・絶縁したままで電圧変換ができる理由　・コンデンサが電池エネルギーを持つ話　・静電容量と誘電率の話　・Q=CVという超有名な式を使いこなす演習	講義および演習	配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。　演習問題は必ず解き方を理解すること。
【14】	コンデンサ回路の講義と計算演習・コンデンサを用いた回路例題の具体的な解き方の演習	講義および演習	教科書の関連演習問題を自分でやってみて正解を得る計算方法を確認すること。
【15】	総合的演習と解答の解説・過去問を用いた演習との解き方の説明　・国家試験で出題された問題の計算演習と解説	総合的な問題の解き方演習	教科書の問題も改めて解き、全体の復習を行って解き方の基本を忘れないこと。（医用電子工学では電気回路の計算方法をベースとして使う講義になる）

評価方法
学習の履歴に関する記録（自学自習の記録をエビデンスとしてチェックする）（20％）　定期試験の採点結果（80％）　で評価する。定期試験では簡単なコメント付き解答例を試験後に配布するので，それを十分に確認し，間違った知識や解法は必ず修正するとともに問題の解き方を復習すること．なお，電気工学は学科内で行われる基礎学力講座内容との関連が特に強いことから，その講座の良好な成績と十分な取組みがあることを「学習の履歴に関する記録」の評定条件とするので，基礎学力のレベルアップも心掛けること．
教科書
医用工学　（診療放射線基礎テキストシリーズ）　富永孝宏（他）共立出版これに加えて要点説明や例題を盛り込んだプリントを配布する。
参考図書
改訂第２版　医用工学 (診療放射線技師スリム・ベーシック) 　福士政弘編　メディカルビュー社

備考
①【オフィスアワー】　月曜の5講時および火曜日の5講時とします。質問があれば教員室に来て下さい。 ②【科目ナンバー】FAME1C2L ③【実務経験】1980年～2003年　株式会社東芝(現キヤノンメディカルシステムズ株式会社）での画像診断システム関連研究開発・設計・臨床試験等の実務経験