![]() |
徳島文理大学 | Webシラバスシステム |
TOP | 戻る |
徳島文理大学短期大学部 |
科目番号 | 10766 | 担当教員名 | 本田 道隆 | 単位 | 2単位 |
---|
科目群 | 専門 | 必修・選択 | 必修 | 開講期 | 前期 | 対象年次 | 2年 |
---|
授業概要 |
---|
現在の医用機器は、装置制御はコンピュータによることが多いが、生体信号のセンサー技術や人間が見たり触ったりするヒューマンインターフェース技術は電子回路が多く使われる。そのため、医療技術の専門知識を高めて診療に有効に活用するには、電子工学の基礎的な知識を持つことが不可欠である。この授業では、電子・電気・磁気の基本物性、半導体の意味や基本的な使い方、具体的な電子回路素子の特徴や作用、それを組み合わせて意味のある動作をさせる仕組みなどを主として講義、演習により学ぶ。 |
到達目標 |
① 知識: 電子や電磁気の基礎的な物理現象、半導体や電子素子の構造と動作の特徴、基礎的な組み合わせ回路を説明できる。 ② 態度: 診断や診療を有効に行ううえで電子工学が不可欠なことを具体的に理解して学習に意欲的に取り組むことができる。 ③ 技能: 基礎的な動作をさせるための電子回路の部品を組み合わせることができ、定量的に性能を説明できる。 ④ 思考判断: 医用機器が安全かつ効率よく医療に使われるための安全性や保守性を電子工学の立場から説明できる。 |
授業計画 | 授業形態 | 授業時間外学習 | |
---|---|---|---|
【1】 | ガイダンス: 電気、電子、磁気の基本的な物理性質および科学データの取り扱いに関する話 ・診療放射線の専門家が知っておくべき電気、電子、磁気などの物理特性 ・統計分析の手法で絶対に忘れてはならないこと | 講義 | 配布資料に含まれている用語の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。 |
【2】 | 電気工学に関連する知識の整理と復習 ・オームの法則、キルヒホッフの法則など基本的な電位・電流・インピーダンス計算の復習 | 講義・演習 | 配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の復習を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。 演習問題は必ず解き方を理解すること。 |
【3】 | CR回路による過渡応答とフィルタ回路1 ・過渡応答とは何か ・過渡応答の計算方法 ・周波数特性とは何か ・周波数特性の計算方法 | 講義・演習 | 配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。 演習問題は必ず解き方を理解すること。 |
【4】 | CR回路による過渡応答とフィルタ回路2 ・CR回路の不思議 ・CR回路の利用方法 ・時定数がなぜ重要か ・例題による計算演習 | 講義・演習 | 教科書の関連演習問題を自分でやってみて正解を得る計算方法を確認すること。 |
【5】 | 半導体の仕組みと特徴 ・不純物があるほうが性能が良い半導体の話 ・エネルギー準位の話 ・絶縁体、半導体、金属の物理的な違い | 講義 | 配布資料に含まれている用語の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。 |
【6】 | PN接合とダイオードについて ・ダイオードの性質 ・ダイオードを含む基本回路(リミッタ、クリッパ)の見方 ・交流を直流に変換する機能の話 ・いくつかの特徴的なダイオードの作用と産業応用についての説明 | 講義 | 配布資料に含まれている用語の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。できれば医用画像診断装置で使用されている事例をネット等で調べておくこと。 |
【7】 | トランジスタの全般的な講義 ・トランジスタと電子スイッチ ・増幅作用がなぜ必要か ・携帯電話はなぜ電池がもつか(MOS構造の話) ・診療放射線分野での応用と医療スタッフとして知っておくべきトランジスタの特徴 | 講義 | 配布資料に含まれている用語の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。できれば医用画像診断装置で使用されている事例をネット等で調べておくこと。 |
【8】 | ダイオードとトランジスタを用いた回路と演習 ・ダイオード回路を簡単に解く秘訣 ・ダイオードが含まれる電子回路の計算演習 ・国家試験などで人気のある出題事例の解説 | 講義・演習 | 配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。 演習問題は必ず解き方を理解すること。 |
【9】 | 光センサとLEDの講義 ・光電効果、光導電効果、光起電力効果の説明 ・CCDカメラとCMOSカメラの闘い(特徴) ・X線平面検出器へのフォトダイオード応用 ・現在におけるLEDの広範囲な使い方と素子の特徴 | 講義 | 配布資料に含まれている用語や性質の理解を確実に行うこと。この回の話はX線やCTの検出器に関係が深いので特に事前にネットなどでフォトダイオードなどを調べておくことが望ましい。 |
【10】 | オペレーションアンプの講義1 基本的な性質と増幅作用 ・入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いほうがなぜ良いのか? ・ボルテージフォロアの神的な応用 ・回路計算で絶対に覚えておくべき2つのこと | 講義 | 配布資料に含まれている用語や性質の理解を確実に行うこと。 |
【11】 | オペレーションアンプの講義2 周波数特性および周波数フィルタとしての応用 ・CRを用いたフィルタ回路との差 ・周波数特性の計算方法 | 講義・演習 | 配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。 演習問題は必ず解き方を理解すること。 |
【12】 | オペレーションアンプを用いた回路計算演習 ・例題による回路計算演習 ・国家試験で多出するタイプの問題例と計算方法の説明 | 演習および講義 | 配布資料に含まれている用語や式、解き方の手順の理解を確実に行い、疑問点は次回までに解決しておくこと。 演習問題は必ず解き方を理解すること。 また教科書の問題も解いてみること。 |
【13】 | 補足的事項の講義 ・整流方式の補足(ダイオードとコンデンサのダブル効果) ・なぜコイルが電子回路にあまり出てこないのかの説明 ・国家試験などで問われるいくつかの特徴的な知識について | 演習および講義 | 特に資料に含まれている用語の意味や、作用および動作原理の理解を確実に行う。 |
【14】 | 半導体、ダイオード、トランジスタの総合的な知識を確認する演習 ・特に半導体関連知識についての多種多様な問題を解き、解説を行う | 演習および講義 | 演習の復習 配布資料に含まれている重要な知識を確実に頭に入れておくこと。 |
【15】 | 総合演習 ・医用電子工学の過去問(特に回路計算問題が中心)を解く演習 | 演習および講義 | 演習の復習 特に計算問題を中心とする演習を振り返って解き方などを確実に理解して定期試験(先々では国家試験)の対策として頭に定着させる努力を行うこと。 |
評価方法 |
---|
学習の履歴に関する記録(自学自習の記録および中間的な試験の成果による)(20%) 期末試験(80%) で評価する。 |
教科書 |
医用工学 (診療放射線基礎テキストシリーズ) 富永孝宏(他)共立出版 (電気工学で用いた教科書をそのまま使用する) これに加えて要点説明や例題を盛り込んだプリントを配布する。 |
参考図書 |
改訂第2版 医用工学 (診療放射線技師 スリム・ベーシック) 福士政弘編 メディカルビュー社 |
備考 |
---|
①オフィスアワーは月曜の5講時および火曜日の5講時とします。質問があれば教員室に来て下さい。 ②1980年~2003年 株式会社東芝(画像診断機器開発部門)での研究開発・設計・臨床試験等の実務経験 ③遠隔授業(ClassRoom)のときのクラスコード 5zy7rfa |