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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】放射化学（Radiochemistry）　

科目番号	10834	担当教員名	西村　圭弘	単位	2単位

科目群	専門	必修・選択	必修	開講期	前期	対象年次	1年

授業概要
「放射化学」は放射線、放射性物質（放射性同位元素）を医学利用して診断・治療を行うための基礎となる化学的知識を学ぶ分野です。放射能および放射性同位元素の基礎的知識から放射性薬剤の臨床応用までを学び、放射線を医療に応用できる基礎的知識を正しく身につけることがねらいです。授業では、放射性同位元素の医学利用を理解するために①放射性同位元素の物理・化学的性質の基礎を学びます。さらに、②放射性同位元素の製造法、標識合成法や分離精製法について学修します。
到達目標
（ディプロマ・ポリシーとの関連：①・②） ①知識（理解） 1.放射能と放射線について、原子の構造と同位体、放射線とエネルギーについて説明できる。 2.原子核壊変の形式、その特徴について説明できる。 3.放射性核種の原子数と放射能の時間変化の関係について説明できる。 4.放射性同位元素が係わる分析（放射分析、放射化分析、同位体希釈分析）について、その方法と特徴について説明できる。 ②態度（関心・意欲）　放射性同位元素をトレーサーとして医学利用する分野に関心を示し、専門職として自ら意欲的に学修に取り組むことができる。放射能と放射線の基礎から放射性同位元素をトレーサーとした最新の分子イメージングまで理解するという明確な目標設定と達成計画を自ら立案し、継続して学修する集中力を保てる。 ③技能（表現）放射性同位元素を試薬、指示薬として使い、放射能測定から非放射性の元素や化合物を分析する原理を理解し、各種物質に適合した分析法を選択できる。 ④思考・判断放射化学の医学への応用について、現状と将来の予測について、自ら思考し判断できる。

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	放射化学ガイダンス、放射線は何のために学ぶのか、原子と原子核の構造について学ぶ。	講義	予習：教科書　目次にて学修する項目を確認（１時間）　復習：ガイダンスの再確認、原子と原子核の構造の理解（２時間）
【2】	元素（周期表）と原子の構造について学ぶ。	講義	予習：元素（周期表）と原子の構造（２時間）　復習：周期表の理解（２時間）
【3】	同位体（同重体、同中性子体、核異性体）と原子番号について学ぶ。	講義	予習：同位体の理解（２時間）　復習：同位体、同重体、同中性子体、核異性体の理解（２時間）
【4】	放射性壊変（α壊変、β壊変、γ線の放出）について学ぶ。	講義	予習：壊変現象の理解（２時間）　復習：壊変の法則、半減期、平均寿命の理解（２時間）
【5】	放射平衡（過渡平衡、永続平衡、ミルキング）について学ぶ。	講義	予習：放射平衡（過渡平衡、永続平衡、ミルキング）の理解（２時間）　復習：放射平衡による放射能の経時変化の理解（２時間）
【6】	放射能と質量の関係（放射能から放射性核種の原子数を算出）について学ぶ。	講義	【予習】教科書ｐ31～35 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【7】	第1～までの理解度確認テスト。	講義	【予習】①～⑥までの復習理解度確認テストの復習に90分の学習が必要
【8】	天然の放射性核種と人工放射性核種の製造(原子炉、サイクロトロン)について学ぶ。	講義	【予習】教科書ｐ38～43、ｐ54～58 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【9】	核反応（核反応断面積と放射化量）について学ぶ。	講義	【予習】教科書ｐ44～54 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【10】	放射性同位体の化学（ホットアトム効果、同位体交換反応）について学ぶ。	講義	【予習】教科書ｐ60～66 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【11】	ラジオコロイド、オートラジオグラフィ（分類と特徴）について学ぶ。	講義	【予習】教科書ｐ66～72 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【12】	放射性核種の分離法（共沈法、溶媒抽出法、イオン交換法、クロマトグラフィ、電気化学的分離法、昇華・蒸留法）について学ぶ。	講義	【予習】教科書ｐ74～92 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【13】	標識化合物の合成（化学的合成法、生合成法、同位体交換法、反跳合成法）について学ぶ。	講義	【予習】教科書ｐ94～106 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【14】	化学分析法、同位体希釈分析法（直接希釈分析法、逆希釈法、二重希釈分析法、不足当量法、同位体誘導体法）、放射化学分析について学ぶ	講義	【予習】教科書ｐ108～123 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要
【15】	放射化学の核医学（インビボ検査、インビトロ検査、内用療法）への応用について学ぶ	講義	【予習】教科書ｐ152～168 【復習】配布資料の熟読と理解予習・復習に90分の学習が必要

評価方法
講義前に小テストを行います。その後、講義の中で解説等のフィードバックを行います。小テスト15点、理解度確認テスト15点、学習の記録レポート評価20点、定期試験50点として、合計60点以上を合格とします。なお学科内で行われる基礎学力セミナーにおける良好な結果または十分な取組みを条件とし、この評価を学習の記録レポート評価に反映する。
教科書
放射化学（改訂3版）放射線技術シリーズオーム社新放射化学・放射性医薬品学改訂第4版南江堂
参考図書

備考

学生は講義の前には着席して受講の準備をすること。欠席による減点はないが、その日の小テストの点数は0点となる。
オフィスアワー：月曜日の午後4時30分～6時　研究室（10号館 3階 3304）
臨床経験：放射性同位体を利用した化学分析（radioimmunoassay）及び放射性医薬品を利用した核医学に20年従事した臨床経験がある。