徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    薬剤学1

科目番号00018担当教員名加藤 善久単位1.5単位
科目群専門必修・選択必修開講期前期 対象年次3
授業概要
(授業目的・方針 等)
一般目標:作用部位に達した薬物の量と作用により薬効が決まることを理解するために、薬物の生体内における動きと作用に関する基本的知識を修得する。薬物の生体内運命を理解するために、吸収、分布、代謝、排泄の過程に関する基本的知識を修得する。
講義の概要:薬物は生体に投与された後、吸収されて、血管系を血流に乗って運搬され、毛細血管の細孔または内皮細胞を透過して様々な臓器や組織の細胞間隙に移行する。そして、細胞内に取り込まれて、その一部が作用発現部位に到達し、薬効を発揮する。その後、ほとんどの薬物は肝臓の肝実質細胞や腎臓の糸球体、尿細管に移行して、代謝、排泄され、体内から消失する。このような薬物の生体内動態の過程(吸収、分布、代謝、排泄)は、薬物の薬効や副作用の発現および持続性を理解する上で重要となる。本講義では、医療および医薬品に関与する薬剤学的知識を修得することを目的とし、生物薬剤学を中心に講述し、さらに最近の知見を紹介する。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】薬の運命:薬物の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)と薬効発現の関わり[C13(1)2-1]  
【2】薬物の投与方法(剤形、投与経路)とその意義、経口投与された製剤が吸収されるまでに受ける変化[C13(1)2-2,3]  
【3】薬物の生体内分布における循環系の重要性、生体内の薬物の主要な排泄経路[C13(1)2-4,5]  
【4】薬物の臓器への到達と消失−吸収:薬物の吸収部位[C13(4)1-1]  
【5】消化管の構造、機能と薬物吸収の関係、受動拡散(単純拡散)[C13(4)1-2,3]  
【6】促進拡散の特徴、能動輸送の特徴[C13(4)1-3,4]  
【7】非経口投与後の薬物吸収、薬物の吸収に影響する因子[C13(4)1-5,6]  
【8】分布:薬物が生体内に取り込まれた後、組織間で濃度差が生じる要因[C13(4)2-1]  
【9】薬物の脳および胎児への移行、それらの機構と血液-脳関門および血液-胎盤関門の意義[C13(4)2-2,3]  
【10】薬物の体液中での存在状態(血漿タンパク結合など)と組織への移行との関連性[C13(4)2-4]  
【11】薬物分布の変動要因(血流量、タンパク結合性、分布容積など)、分布容積が著しく大きい薬物[C13(4)2-5,6]  
【12】薬物のタンパク結合能の測定  
【13】代謝:薬物分子の体内での化学的変化とそれが起こる部位[C13(4)3-1]  
【14】薬物代謝が薬効に及ぼす影響[C13(4)3-2]  
【15】薬物動態および薬効に起因する相互作用の代表的な例、それらの回避のための方法[C13(4)5-1,2]  
評価方法
出席状況、授業への取り組み態度、筆記試験及びレポートにより総合的に評価する。
教科書
「コアカリ対応 薬剤学」、川島 嘉明編、丸善、ISBN 978-4-621-07930-0
参考図書
「新薬剤学 改訂第2版」、辻 彰 編、南江堂、ISBN 978-4-524-40233-5
「NEWパワーブック生物薬剤学」、金尾 義治・他 編、廣川書店、ISBN 978-4-567-48086-4
「薬と疾病 I.薬の効くプロセス ( 6 )」、日本薬学会、東京化学同人、ISBN 978-4-8079-1461-6
「薬剤学 第6版」、花野 学・他 編、南江堂、ISBN 978-4-524-40181-9
「新しい図解薬剤学 第3版」、森本 雍憲・他 著、南山堂、ISBN 978-4-525-77133-1
備考