徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    情報化社会研究

科目番号00030担当教員名橋本 誠志単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期前期 対象年次1・2年
授業概要
情報社会において、短期的スパンでその環境が激変する社会とテクノロジーの関係を客観的に考察する態度を身につけ、複数のディシプリンを総合的に体系化することで、顕在化していない政策課題を抽出できるようになる能力の基礎を身につけることを目標とする。2000年以降、近年のわが国の情報化政策は、テクノロジーの進化の後を追う形で短期的スパンでのリニューアルを繰り返している。これにより、情報化政策に新たな課題を常に持ち込みつつ、その位置づけを保つことには成功しているが、一方で長期的展望やコンセプトが十分に議論されないままに各種政策が展開されかねないという問題が指摘されている。そこで、本講義では、まず社会の情報化の経緯をたどることで、わが国の情報化の社会的背景を検討し、次いで今後の情報社会の社会基盤と秩序のあり方について体系的考察をおこなう。
到達目標
デジタル社会において、短期的スパンでその環境が激変する社会とテクノロジーの関係を客観的に考察する態度を身につけ、複数のディシプリンを総合的に体系化することで、顕在化していない政策課題を抽出できるようになる能力の基礎を身につけることを目標とする。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】情報化の理論的経緯:情報化に関する理論分析の歴史について概説する。  
【2】日本における情報化社会論の理論的経緯:日本における情報化社会論を理論的に説明した著作を紹介し、その経緯について概説する。   
【3】情報技術の歴史と社会のニーズ:情報技術はなぜ発展してきたのか。その経緯を技術発展史と社会のニーズとの相関から概説する。   
【4】情報化と社会文化の史的展開:情報化が進展する経緯を社会文化の観点から概説する。   
【5】情報化と企業文化:情報化が進展した背景として企業における展開を企業文化の観点から概説する。   
【6】日本の情報化政策とその経緯:日本の情報化政策の経緯と展望について概説する。   
【7】情報化社会におけるテクノロジーと理論的概念:情報化社会におけるテクノロジーの変化を歴史的、そして理論的に考察する。   
【8】情報化とイノベーション:情報化社会におけるテクノロジーの進化は何故生じたのか。イノベーション理論の観点から概説する。   
【9】デジタル化社会における課題とその本質:著作権やプライバシー等デジタル化社会における課題を考えるための本質は何かを探る。   
【10】デジタル社会と秩序問題(1)―法・情報・技術―:情報通信技術の発達は現代法にどのような影響を与えているかについて、法のコミュニケーションツールとしての側面と法のコミュニケーション規制手段としての側面から検討する。   
【11】デジタル社会と秩序問題(2)―プライバシー概念の再検討と現実課題―:デジタル社会の秩序問題について、プライバシーを素材にその権利概念の変容と現実的側面を概説する。   
【12】デジタル社会と秩序問題(4)―デジタル社会と政治・公共性の変容:高度情報社会における民主主義の可能性と問題点を検討する。   
【13】デジタル社会と秩序問題(5)―ネットワークとコミュニティ―:情報化の法システムの影響について、コミュニティの性質の観点から検討する。   
【14】デジタル社会と秩序問題(3)―インターネット上の情報の公有/共有/私有―:インターネット上の情報は誰のものかを財産権理論の視点から考える。   
【15】デジタル社会におけるダメージとそのコントロール:近時指摘されているサイバースペース上での侵害行為に対する事前予防から事後のダメージ抑制の移行と重要性を考える。   
評価方法
期末レポート100%
教科書
特に指定しない
参考図書
伊達康博 『IT社会における情報社会論』 (学文社、2010) ・日本法哲学会編 『「情報社会の秩序問題」『法哲学年報2001』』 (有斐閣、2002) その他は講義の進行に応じて適宜指示する
・伊達康博 『IT社会における情報社会論』 (学文社、2010)
・日本法哲学会編 『「情報社会の秩序問題」『法哲学年報2001』 (有斐閣、2002)
・伊達康博 『IT社会における情報社会論』 (学文社、2010)
備考
オフィスアワー:月曜3限