徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    病態生理学2

科目番号00032担当教員名小西 史朗単位1.5単位
科目群専門必修・選択必修開講期後期 対象年次3年
授業概要
【授業概要】病態生理学1に続き、各種の疾病の基礎となっている病態について薬学的観点を中心にして学習する。病態
生理学2は1と相補的に全身におよぶ疾患を網羅して学ぶ。
【到達目標】病態生理学2では、とくに血液・造血器疾患、神経系疾患、精神神経疾患、免疫疾患と炎症、感染症、感覚
器・骨関節疾患、悪性腫瘍について学ぶ。講義および演習の形式によって、各種疾患の発症機構に関して蓄積されてきた知識や最近の仮説を学習し、これら疾患に対する既存の治療法を学び、新たな薬物療法の可能性なども考察できるようにする。このような学習を通して、疾病に対する理解を深め、これからの薬学分野における創薬の基礎となるような知識や考え方を習得する。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】血液・造血器疾患 1. 貧血 貧血について、その疾患と病態生理を治療薬と関連付けて説明できる。 血液・造血器における代表的な疾患を挙げることができる。 貧血の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。[C14(2)3-1, C14(2)3-2]  
【2】血液・造血器疾患 2. 血液凝固系疾患、白血病 白血球系の疾患とその治療法について、説明できる。 白血病の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。播種性血管内凝固症候群 (DIC) の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 以下の疾患について概説できる。血友病、悪性リンパ腫、紫斑病、白血球減少症、血栓・塞栓 [C14(2)3-3, C14(2)3-4, C14(2)3-5]  
【3】神経系疾患1.脳血管障害 脳血管障害の原因、症状およびその治療法について、説明できる。神経・筋に関する代表的な疾患を挙げることができる。脳血管疾患の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。[C14(3)6-1, C14(3)6-2]  
【4】神経系疾患 2.てんかん・パーキンソン病 てんかん・パーキンソン病について、その概要と治療法について、説明できる。パーキンソン病の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。[C14(3)6-3, C14(3)6-4]  
【5】神経系疾患 3.アルツハイマー病 アルツハイマー病について、その概要と治療法について、説明できる。アルツハイマー病の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。[C14(3)6-5]  
【6】演習 神経系疾患の病態生理と治療法についてスモールグループで学習し、プレゼンテーションを行う。指定された疾患例について必要な情報を収集し、適切な薬物治療法を考案することができる。(技能) C14(3)7-1  
【7】精神疾患 1.統合失調症 統合失調症について、その概要と治療法について、説明できる。代表的な精神疾患を挙げることができる。統合失調症の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。[C14(4)1-1, C14(4)1-2]  
【8】精神疾患 2.うつ病・躁病 うつ病・躁病について、その概要と治療法について、説明できる。うつ病、躁うつ病の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。[C14(4)1-3]  
【9】精神疾患 3.その他の精神障害および演習 その他の精神障害について、その概要と治療法について、説明できる。また、スモールグループで学習し、プレゼンテーションを行う。代表的な精神疾患を挙げることができる。 以下の疾患について概説できる。 神経症、心身症、薬物依存症、アルコール依存症 薬物の作用するしくみについて、受容体、酵素およびチャネルを例に挙げて説明できる。 代表的な薬物受容体を列挙し、刺激あるいは阻害された場合の生理反応を説明できる。 薬物の作用発現に関連する代表的な細胞内情報伝達系を列挙し、活性化された場合の生理反応を説明できる。 薬効に個人差が生じる要因を列挙できる。 代表的な薬物相互作用の機序について説明できる。 薬物依存性について具体例を挙げて説明できる。 [C14(1)1-1, C14(1)1-4, C13(1)1-3, C13(1)1-4, C13(1)1-5, C13(1)1-6, C13(1)1-7, C13(1)1-8]  
【10】10 免疫疾患と炎症 免疫疾患と炎症について、生体の防御機構をふまえて、その概要と治療法について、説明できる。代表的なアレルギー・免疫に関する疾患を挙げることができる。 アナフィラキシーショックの病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスなど)の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 後天性免疫不全症の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。[C14(4)6-1, C14(4)6-2, C14(4)6-3, C14(4)6-4]  
【11】感染症 1.細菌感染症 細菌感染症について、主な病原菌とその化学療法剤について、説明できる。主な感染症を列挙し、その病態と原因を説明できる。 細菌感染症に関係する代表的な生物学的製剤を挙げ、その作用機序を説明できる。[C14(5)1-1, C14(5)2-10]  
【12】感染症 2.ウイルス・真菌感染症 ウイルス・真菌感染症について、原因ウイルスと病原菌、及びその治療薬を説明できる。代表的な抗真菌薬を列挙し、作用機序および臨床応用を説明できる。代表的な抗ウイルス薬を列挙し、作用機序および臨床応用を説明できる。[C14(5)4-1, C14(5)5-1]  
【13】感覚器・骨関節疾患 感覚器・骨関節疾患について、その概要と治療法について、説明できる。耳鼻咽喉に関する代表的な疾患を挙げることができる。 めまいの病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 眼に関する代表的な疾患を挙げることができる。 緑内障の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 白内障の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 以下の疾患について概説できる。 結膜炎、網膜症 骨、関節に関する代表的な疾患を挙げることができる。 骨粗鬆症の病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 慢性関節リウマチの病態生理、適切な治療薬、およびその使用上の注意について説明できる。 以下の疾患について概説できる。変形性関節症、骨軟化症 [C14(4)2-1, C14(4)2-2, C14(4)4-1, C14(4)4-2, C14(4)4-3, C14(4)4-4, C14(4)5-1, C14(4)5-2, C14(4)5-3, C14(4)5-4]  
【14】悪性腫瘍 抗悪性腫瘍薬について、作用・副作用を説明できる。悪性腫瘍の病態生理、症状、治療について概説できる。 悪性腫瘍の治療における薬物治療の位置付けについて概説できる。 化学療法薬が有効な悪性腫瘍を、治療例を挙げて説明できる。 代表的な抗悪性腫瘍薬を列挙できる。 代表的なアルキル化薬を列挙し、作用機序を説明できる。 代表的な代謝拮抗薬を列挙し、作用機序を説明できる。 代表的な抗腫瘍抗生物質を列挙し、作用機序を説明できる。 抗腫瘍薬として用いられる代表的な植物アルカロイドを列挙し、作用機序を説明できる。 抗腫瘍薬として用いられる代表的なホルモン関連薬を列挙し、作用機序を説明できる。 代表的な白金錯体を挙げ、作用機序を説明できる。 代表的な抗悪性腫瘍薬の基本構造を示すことができる。 主要な抗悪性腫瘍薬に対する耐性獲得機構を説明できる。 主要な抗悪性腫瘍薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。 副作用軽減のための対処法を説明できる。[C14(5)7-1, C14(5)7-2, C14(5)7-3, C14(5)8-1, C14(5)8-2, C14(5)8-3, C14(5)8-4, C14(5)8-5, C14(5)8-6, C14(5)8-7, C14(5)8-8, C14(5)9-1, C14(5)9-2, C14(5)9-3]  
【15】演習 病態生理学2で学習した疾患について、概要と治療法について、説明できる。また、スモールグループで学習し、プレゼンテーションを行う。感染時および炎症時に認められる代表的な臨床検査値の変動を述べることができる。悪性腫瘍に関する代表的な臨床検査を列挙し、推測される腫瘍部位を挙げることができる。指定された疾患例について必要な情報を収集し、適切な薬物治療法を考案することができる。(技能)[C14(1)2-7, C14(1)2-8, C14(2)5-1]  
評価方法
筆記試験、演習(SGD)、レポート提出、出席状況などにより総合的に評価する。
教科書
「疾病と病態生理」橋本・佐藤・豊島編 南江堂 ISBN 4-524-40221-2
参考図書
「やさしい臨床医学テキスト」 大野勲ほか 薬事日報社 ISBN 978-4-8408-1043-2
「臨床生理に基づく臨床薬理学」青野裕監訳 メディカル・サイエンス・インターナショナル ISBN978-4-89592-461-0
「図解知っておきたい病態生理」西崎統 医学書院 ISBN978-4-89592-461-0
疾患からまとめた病態生理 FIRST AID 奈良信雄(編集) ISBN978-4-89592-467-4 
好きになる薬物治療学 大井一弥 講談社 ISBN978-4-06-154175-7
備考
演習を取り入れ、文献調査およびプレゼンテーション技術についても学ぶ。
薬科学科では選択科目であるが、薬剤師国家試験受験資格を取得する者は、この科目の単位を修得する必要がある。