徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    倫理学A

科目番号00053担当教員名酒井 ツギ子単位2単位
科目群一般必修・選択選択開講期後期 対象年次1年
授業概要
倫理学についての基本的・本質的認識を深め、人間の社会生活にとっての倫理の重要性を理解することを目的とする。そのために、倫理原理の正当性を哲学的に吟味し、それが行動の原理となりうる人間形成について考える。また、現代のさまざまな倫理的社会問題について考察を深め、望ましいあり方、生き方、態度の選択についての価値観を学ぶことを目標とする。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】授業のオリエンテーション;倫理学とは何か。倫理学の定義と根拠;日本の倫理観の歴史と文化の課題  
【2】倫理学の基本とその成立過程の考察:古代ギリシャの倫理思想;プラトンのイデア論と枢要徳、アリストテレスの『二コマコス倫理学』の考察  
【3】人間の生き方と人間形成としての倫理:人間と人柄(エートス)、エートスと行為。人間らしく生きるとは(存在と善さの関係)  
【4】人柄はいかに形成されるか。よい習慣形成とは;習慣とアレテー(徳)について  
【5】行為と自律:行為で問われる倫理的問題とは;睡眠、呼吸が倫理的問題になることはあるのか(カレンの事例、新幹線の運転手が居眠りをした時)。人間はなぜ自由か。生き方としての自由と責任について  
【6】他者とともにある存在(共同体の成員)としての人間の幸福の追求:いじめ、復讐、許し、愛  
【7】倫理学の展開:カントが与えた倫理学への影響;カントの人格論;人格と役割・義務  
【8】自然人格と人為人格:国家という人格と政治家の倫理および主権者としての国民の義務、政治倫理の問題 (ホッブスの『リヴァイアサン』から)  
【9】見る(観察)ことと作ること:科学革命の構造と倫理の問題、作ることと消費文化、ごみと環境破壊、武器 製造(原子爆弾、生物・化学兵器) ディスカッション  
【10】慣習と共同体:共同体の規定する資格や権利、自然法と実定法(人工妊娠中絶と女性の権利?)  
【11】義務に基づく行為:「定言命法」と「仮言命法」、損得勘定と善意志。他者の人格尊重とは  
【12】価値と選択の問題:理性的存在者としての人間の自由と選択、そして責任:結婚と選択、人格を手段と してはならないとは? 女性の権利と男女平等  
【13】「相互主体性」と「間人格的行為」、人格の尊厳の真の意味セクハラ、家庭内暴力など、性や愛に関する男女の問題  
【14】現代社会の倫理的課題の考察:環境保全、戦争と平和、医療倫理、生命倫理、青少年犯罪など等  
【15】ポストモダンの倫理葛藤と自己決定  
評価方法
筆記試験と毎回の授業でのコミュニケーション
教科書
テキストとして、宇都宮芳明・熊野純彦[編]『倫理学を学ぶ人のために』世界思想社を使用
参考図書
加藤尚武『現代を読み解く倫理学』丸善ライブラリー,その他を授業で紹介
カント『道徳形而上学の基礎づけ』
備考
出席を重視する