徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    総合政策学体系論

科目番号10101担当教員名南波 浩史単位2単位
科目群専門必修・選択必修開講期前期 対象年次1年
授業概要
総合政策学の全体像を俯瞰し、各院生の研究課題が総合政策学の体系上どのような位置づけを持つか考える。総合政策学研究の歴史的、学説史的知識を確認し、特定の既存の学問分野に依拠した研究ではなく、社会問題の解決学として、公共政策と企業政策という両方の専門分野を視角に取り入れた政策研究を方向付ける意識を涵養する。また、新しい学問である総合政策学におけるリサーチメソッドとしての統計学・資料読解法・論文レポートの作成法を含むプレゼンテーション技法を身につける。
到達目標
大学院生が入学前或いは出願時に作成した「研究計画書」を見直し、各自の研究課題が総合政策学においてどのように位置づけられているか考えることができる。特に、公共部門と民間部門、および自身の出身部門や自身が将来進路をとる部門以外の考え方を知る。総合政策学の研究の全体像を知ることができ、各自の研究計画を見直し、研究の方針を考える基礎的な知識を得ることができる。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】南波浩史:「政策」と「総合」をテーマに、総合政策学的な研究手法について説明し、どのような研究成果が期待されるか概説する。
特に、従来の単独の学問分野に拠った研究とどのように違うのか示す。
  
【2】全専任教員:公共・法・金融・経済・地域社会・経営、といった既存のディシプリンを持ち、総合政策学の学問的構成要素となる、各学問分野の現状と総合政策学との関係を説明する。
また、実際の現代社会と、これらの学問分野がどのように関係し、また社会へのまなざしを向けているか説明する。
  
【3】全専任教員:によるパネルディスカッションの形式により、総合政策学研究科において、総合的視点がいかに必要かという議論を展開する。  
【4】南 育廣:地域社会は生活の場であり、また様々な生活問題の発生の場でもある。地域社会を捉える視点とそこに求められる政策のあり方について説明する。とりわけ、地域における共同性再構築のために今日求められる市民の活動とはどのようなものかについて概説する。  
【5】廣江満郎:「政策」の立案、実施及び評価に不可欠な経済学的アプローチの有用性を説き、その上で政策の具体的な事例をあげて政策に絡む経済分析ツール(分析手法:ミクロ分析・マクロ分析から構成される「理論分析」とそれをベースとする「実証分析」)を概説する。   
【6】齋藤 敦:企業においてどのような政策がとられているのかを検討し、それぞれの政策がどのような考え方、手法を用いて策定されているかを概説する。  
【7】鍛冶博之:起床から就寝まで、私たちは商品に取り囲まれ生活している。その一因には、企業の巧みなマーケティング戦略により商品購入を継続してきたことがあげられる。この講義では、マーケティング論の基礎知識を整理しつつ、今日の日本社会を形成する一因となったマーケティングの意味と課題を概説する。また、総合政策学におけるマーケティングの意味についても言及する。  
【8】青野 透:学説上における法の本質、他の社会規範との異同、及び機能を確認する。その上で、現代社会における法の機能、とりわけ公共政策分野において期待されていることを、具体的な法律として臓器移植法を取り上げ紹介する。医療という最も公共性の高い政策分野で、こうした法律がどのような目的、経緯で作られ、また、改正されるに至ったのかを瞥見し、いかに総合的な視野での立法・法改正であったかを簡潔に検討する。  
【9】橋本誠志:インターネットは、既存の主権国家が人為的に定めた制度やルールを無視して情報が広範囲に流通する媒体であり、情報ネットワーク社会で発生する問題を解決するためには国家間の協調が重要視される。この回では個人情報保護のような具体的なトピックを通して情報政策が持つ特徴を紹介する。  
【10】松村豊大:総合政策学の学問的特徴ともいえる「プロセスの統合」(政策決定、政策実施、政策評価、改善までを一連のサイクルとして捉え、個別の研究をしない)について、その意義と、主要な論者の主張を紹介する。
併せて、内外の総合政策学研究の歴史と現状について簡単に説明する。
  
【11】南波浩史:将来の修士論文作成に向け、学術論文作成に係る様々な課題や方法について検討をおこなう。具体的には、文献・データの探し方、研究論文とレポートとの違い等について説明する。  
【12】南波浩史:最近の金融市場・金融システムの動向や金融政策をはじめとしたマクロ経済政策の効果や有効性についての理論的な解説を行い、今後2年間の経済学研究の第一歩となるよう、経済学の基本的な考え方や、経済分析の基礎的な手法についての講義する。  
【13】水ノ上智邦:政策立案及び評価には統計的な手法を用いた現状分析が不可欠となる。経済理論の実証分析について基礎的な知識を説明すると共に、具体的な事例をあげ、分析手法と分析上での課題について講義する。  
【14】早川 勝:民商法(特に会社法)における法の規制と法の欠缺及びその補填政策、会社法における重要な基本問題を取り上げて検討する。
・会社法における判例法理・法人格否認の法理、経営判断原則、会社支配権の争奪の場合における主要目的ルールなど
・コーポレート・ガバナンスの展開(比較法的観点)・イギリス、アメリカ、ドイツにおけるコーポレート・ガバナンス構造とその特徴。会社法における改正(社外取締役制度の導入とcomply or explain原則)
・会社法の統合(特に欧州連合における近時の展開)・ヨーロッパ株式会社規則、EU会社指令
  
【15】古家弘幸:18世紀スコットランド啓蒙という分野を中心に、イギリス社会・経済思想史を研究する。思想史の中から教訓を得られる政策論として、いくつかの事例を紹介する。  
評価方法
レポートにより評価を行う
教科書
徳島文理大学大学院総合政策学研究科編『総合政策学入門』晃洋書房、2017年。
参考図書
研究科にて準備する
備考
教科担当:松村・南波・早川・青野・床桜・斎藤・古家・水ノ上・橋本・鍛冶・吉川・山城