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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】日本文学特講ＡⅡ(Japanese Literature AⅡ(Advanced Course))

科目番号	10501	担当教員名	佐々木　亨	単位	2単位

科目群	専門	必修・選択	選択	開講期	後期	対象年次	1年～

授業概要
(授業目的・方針等) 井原西鶴の代表作である『万の文反古』と『世間胸算用』の中から、幾つかの短篇を選んで読解する。近代以降の文学理念に通じる部分に留まらず、古典文学として評価されるべき要素について考察を深める。
到達目標
西鶴の作品に対する理解を深め、古典文学の評価方法に係る知識を修得し、近世文学的価値意識に基づく作品評価を自分の言葉で纏める。

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	『万の文反古』其の一巻一の四　来る十九日の栄耀献立①	講義と質疑応答	予習 229頁から233頁を複写して、作品概要を把握する。復習作品中に描かれた料理の細目を纏める。共に授業時間を要す。
【2】	『万の文反古』其の二巻一の四　来る十九日の栄耀献立②	同上	予習中公新書『江戸の料理史』より該当作品に関係する部分を複写しておく。復習作品に登場した料理の献立から接待する側とされる側との力関係を纏める。共に授業時間を要す。
【3】	『万の文反古』其の三巻二の三　京にも思ふやうなる事なし①	同上	予習 250頁から256頁までを複写して、作品の概要を把握する。復習離縁した女性の特徴を書き抜いて、破局に至った原因を纏める。共に授業時間を要す。
【4】	『万の文反古』其の四巻二の三　京にも思ふやうなる事なし②	同上	予習 250頁から256頁までの頭注を確認しつつ作品評価を捉えておく。復習仙台に残した女房が再婚しない理由を複数の視点から纏めてみる。共に授業時間を要す。
【5】	『万の文反古』其の五巻三の三　代筆は浮世の闇①	同上	予習 273頁から280頁までを複写して、作品の概要を把握する。復習作品中に描かれた幽霊の所業について纏めてみる。共に授業時間を要す。
【6】	『万の文反古』其の六巻三の三　代筆は浮世の闇②	同上	予習 273頁から280頁までの頭注を確認しつつ作品評価を捉えておく。復習主人公を死ぬことができない状態にした理由を纏めてみる。共に授業時間を要す。
【7】	『世間胸算用』其の一巻一の二　長刀はむかしの鞘①	同上	予習 346頁から351頁までを複写して、作品の概要を把握する。復習登場人物と各々の質種、その描写について纏める。共に授業時間を要す。
【8】	『世間胸算用』其の二巻一の二　長刀はむかしの鞘②	同上	予習 346頁から351頁までの頭注を確認しつつ作品評価を捉えておく。復習作者が総括する「悲しきこと」とは何かを纏めてみる。共に授業時間を要す。
【9】	『世間胸算用』其の三巻二の二　訛言も只はきかぬ宿①	同上	予習 376頁から380頁までを複写して、作品の概要を把握する。復習茶屋女の母親は茶屋と如何なる関係性が存在し得るか纏める。共に授業時間を要す。
【10】	『世間胸算用』其の四巻二の二　訛言も只はきかぬ宿②	同上	予習 376頁から380頁までの頭注を確認しつつ作品評価を捉えておく。復習茶屋の女将の描写について、太宰治の「粋人」と比較して纏める。共に授業時間を要す。
【11】	『世間胸算用』其の五巻四の三　亭主の入替り①	同上	予習 435頁から441頁までを複写して、作品の概要を把握する。復習船中で告白する乗船人の特徴と、告白内容を纏めておく。共に授業時間を要す。
【12】	『世間胸算用』其の六巻四の三　亭主の入替り②	同上	予習 435頁から441頁までの頭注を確認しつつ作品評価を捉えておく。復習巻一の二と比較して、共通点と相違点を纏める。共に授業時間を要す。
【13】	『世間胸算用』其の七巻五の三　平太郎殿①	同上	予習 463頁から470頁までを複写して、作品の概要を把握する。復習和尚に懺悔する人の特徴と、告白内容を纏めておく。共に授業時間を要す。
【14】	『世間胸算用』其の八巻五の三　平太郎殿②	同上	予習 463頁から470頁までの頭注を確認しつつ作品評価を捉えておく。復習巻四の三と比較して、共通点と相違点を纏める。共に授業時間を要す。
【15】	まとめ両作品の研究史を中心に	講義	予習 608頁から615頁までを複写して、作品の成立と特徴を把握する。復習両作品を通して窺える西鶴の浮世認識について纏める。共に授業時間を要す。

評価方法
適宜指示する課題の提出状況、及び発言内容提出課題に対する添削、及び講評を添えての返却をフィードバックとする。
教科書
新編日本古典文学全集『井原西鶴集』③における各回指定箇所を複写する。
参考図書
その都度指示する。

備考
質問等は、木曜日の講義終了後、７号館６階611研究室にて受け付ける。実務経験なし。