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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】日本文学講読ＢⅠ

科目番号	30431	担当教員名	下田　祐輔	単位	2単位

科目群	専門	必修・選択	選択	開講期	前期	対象年次	2年

授業概要
芭蕉(1644-1694)と蕪村(1716-1783)は、今日最もよく知られる近世期の俳人である。芭蕉は俳諧の芸術性に新境地を開き、蕪村は芭蕉を憧憬しつつ独自の世界を追求した。この両者をいろいろな視点から比較してみることで、その人と作品の特質を探究する。
到達目標
近世期俳諧の史的展開や表現の深化についての知識を身につけるとともに、句の解釈の方法について理解を深め、それに基づく作品の解釈や考察を自らの言葉で述べ、文章にまとめることができること。

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	はじめに	講義	予習これまでに読んだことがある俳人とその作品について、知るところをまとめておく。復習芭蕉と蕪村について略歴を調べる。
【2】	芭蕉と蕪村―俳諧の系譜上の関わりについて―	講義	予習芭蕉と蕪村について略歴を調べる。復習芭蕉と蕪村
【3】	芭蕉と蕪村の“年の暮れ”	講義	予習「年の暮れ」について芭蕉と蕪村が詠んだ句について調べておく。復習芭蕉『野ざらし紀行』の該当箇所、及び蕪村の「芭蕉去て」詞書を解釈し、まとめる。
【4】	芭蕉と蕪村の“芦野の柳”(１)芭蕉	講義	予習西行の「道のべに」の和歌、及び謡曲「遊行柳」について調べておく。復習『奥の細道』「芦野の里」の条を解釈し、まとめる。
【5】	芭蕉と蕪村の“芦野の柳”(２)蕪村	講義	予習蘇軾「後赤壁賦」について調べておく。復習蕪村の「柳枯れ…」の句文を解釈し、まとめる。
【6】	芭蕉と蕪村の俳号について(１)芭蕉	講義	予習芭蕉という植物と和歌での詠まれ方について調べておく。復習芭蕉『笈の小文』巻頭を解釈し、まとめる。
【7】	芭蕉と蕪村の俳号について(２)蕪村	講義	予習陶淵明「帰去来辞」について調べておく。復習蕪村「春風馬堤曲」を解釈し、まとめる。
【8】	芭蕉と蕪村の「みち」(１)芭蕉	講義	予習芭蕉の「みち」を題材とした発句について調べておく。復習芭蕉の作品における「みち(道)」とは何かについての考察をまとめる。
【9】	芭蕉と蕪村の「みち」(２)蕪村	講義	予習蕪村の「みち(径・路)」を題材とした発句について調べておく。復習蕪村の作品における「みち」とは何か、についての考察をまとめる。
【10】	芭蕉と蕪村の「ふるさと」(１)芭蕉	講義	予習芭蕉の出身地、及び「故郷」を題材とした発句について調べておく。復習芭蕉の旅と「故郷」との関わりについての考察をまとめる。
【11】	芭蕉と蕪村の「ふるさと」(２)蕪村	講義	予習蕪村の出身地、及び「故郷」を題材とした発句について調べておく。復習蕪村の境涯と「故郷」との関わりについての考察をまとめる。
【12】	芭蕉と蕪村の“笑い”(１)芭蕉	講義	予習『源氏物語』夕顔の巻を読んでおく。復習『奥の細道』福井の条における表現の意味を考察し、まとめる。
【13】	芭蕉と蕪村の“笑い”(２)蕪村	講義	予習予め配布する資料に従って、書簡文の読み方を習得しておく。復習蕪村の書簡を解釈し、その味わいを考察する。
【14】	芭蕉と蕪村の粋(１)芭蕉	講義	予習元禄六・七年の芭蕉の動静について調べておく。復習芭蕉最晩年の境涯についての考察をまとめる。
【15】	芭蕉と蕪村の粋(１)芭蕉	講義	予習天明二・三年の蕪村の動静について調べておく。復習蕪村最晩年の境涯についての考察をまとめる。

評価方法
授業時の小課題、学期末試験等により評価する。
教科書
プリントを配布する。
参考図書
『校本芭蕉全集』全十巻・別巻１(富士見書房) 『蕪村全集』全九巻(講談社) その他、授業時に説明する。

備考
質問等は主として水曜Ⅳ講時に614研究室にて受け付ける。