徳島文理大学シラバスシステム

	徳島文理大学	Webシラバスシステム	TOP	戻る
	徳島文理大学短期大学部

【科目名】作家・作品研究

科目番号	30474	担当教員名	佐々木　亨	単位	2単位

科目群	専門	必修・選択	選択	開講期	前期	対象年次	４年

授業概要
近世怪異小説の傑作である『雨月物語』より二作品を選び、作者の歴史観について考える。併せて人間と歴史の関係についても検討する。「浅茅が宿」「吉備津の釜」各々に登場する歴史的事件を踏まえた上で、その影響を受けた登場人物達が如何に描写され、そしてどのような結末が用意されているかを読み解いてゆく。教場レポートを複数回提出することになるので、各自理解を深めておくことが求められる。
到達目標
古典の短編を通読する力を得つつ、歴史的事実との関連性を解釈に反映させ、作品を深く理解できるよう取り組み、これを適切な表現で纏めることができる。

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	ガイダンス	講義	足利義教の治世、永享の乱、嘉吉の乱、享徳の乱、応仁の乱、各々について調べる。
【2】	室町将軍の弱体化と戦国時代の始まりについて	講義	「浅茅が宿」に描かれる戦乱について纏める。
【3】	「浅茅が宿」の読解―勝四郎の出立まで	講義	「待つ女」の系譜について調べる。
【4】	「浅茅が宿」の読解―勝四郎の上方滞在	講義	作中における享徳の乱の描かれ方を調べる。教場レポート①の対策
【5】	「浅茅が宿」の読解―勝四郎の帰郷まで　　教場レポート①	講義	作中における応仁の乱の描かれ方を調べる。
【6】	「浅茅が宿」の読解―妻との再会　教場レポート①の解説と講評	講義	「真間の手児名」について調べる。教場レポート①の自己点検
【7】	「浅茅が宿」の読解―宮木の最期	講義	和歌の持つ力について『古今集』序より調べる。教場レポート②の対策
【8】	「浅茅が宿」の読解―妻への追憶　教場レポート②	講義	嘉吉の乱と播磨国、及び備中国との関係を調べる。
【9】	「吉備津の釜」の読解―正太郎の婚姻まで教場レポート②の解説と講評	講義	庭瀬の港について調べる。教場レポート②の自己点検
【10】	「吉備津の釜」の読解―釜占いの意味	講義	吉備津神社の釜占いと温羅伝説について調べる。
【11】	「吉備津の釜」の読解―磯良の名の由来	講義	播磨印南の地が持つ古代性について調べる。
【12】	「吉備津の釜」の読解―印南野に留まる理由	講義	温羅伝説に因む名所について調べる。
【13】	「吉備津の釜」の読解―磯良との再会	講義	髻と流血が意味する物について調べる。教場レポート③の対策
【14】	「吉備津の釜」の読解―正太郎の最期　　教場レポート③	講義	吉備津神社と鞆との関係について調べる。
【15】	まとめ、及び教場レポート③の解説と講評	講義	教場レポート③の自己点検

評価方法
三回の教場レポートの累計を原則とし、受講態度も加味される。
教科書
プリントを配布する。
参考図書
新編日本古典文学全集『雨月物語他』　高田衛校注・訳　小学館刊行『雨月物語(上)全訳注』　青木正次訳・注　講談社学術文庫

備考
質問等は金曜日Ⅴ校時、611研究室にて受け付ける。