徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    薬品化学特論II

科目番号37784担当教員名江角 朋之単位1単位
科目群専門必修・選択選択開講期後期集中対象年次大学院博士後1,2年
授業概要
テーマ:天然物合成における立体電子効果.電子の動きを示す矢印は有機反応機構を説明したり,生成物を予測する上で非常に便利である.しかし,SN2反応において,なぜ,背面攻撃が起こるのか?E2脱離が起こるとき,なぜ,アンチペリプラナーな配座が要求されるのか?といった疑問に答えることは不可能である.また,なぜ,α-グルコースの水溶液を放置すると熱力学的に不利なβ-体との混合物となるのか?これら有機化合物の持つ性質の多くは「分子軌道」の相互作用を視覚的かつ定性的に捕らえた「立体電子効果」の概念を用いることで容易に理解できる.本講義では,「立体電子効果」の基礎を学び,さらに天然物を始めとする種々の有機化合物の合成において見られる様々な化学的な現象を「立体電子効果」の概念を用いて説明する.さらに,関連した問題を解くことで,実際の研究で使いこなせる力を身につける.
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】立体電子効果の概念(軌道対称性の保存,HOMOとLUMO,HSAB則,Bredt則) 1  
【2】立体電子効果の概念(軌道対称性の保存,HOMOとLUMO,HSAB則,Bredt則) 2  
【3】立体配座(1,3-diaxial 相互作用,A-張力, アノマー効果,gauche 効果) 1  
【4】立体配座(1,3-diaxial 相互作用,A-張力, アノマー効果,gauche 効果) 2  
【5】脱離および置換反応(軌道対称性保存の法則,背面攻撃,アンチペリプラナー,超共役,β-効果)  
【6】付加反応(立体電子効果による立体選択性の制御)  
【7】Baldwin則,Felkin-Anh モデル  
【8】転位反応(Beckmann転位,ピナコール転位)  
【9】フラグメンテーションおよびラジカル反応(逆アルドール反応,β-ケトエステルの脱炭酸,SOMO)  
【10】天然物合成への展開 1  
【11】天然物合成への展開 2  
【12】天然物合成への展開 3  
【13】問題演習 1  
【14】問題演習 2  
【15】問題演習 3  
評価方法
レポート
教科書
なし
参考図書
”Stereo-electronic Effects”, A. J. Kirby, Oxford Chemistry Primers, vol. 36, 1996.
備考
なし