徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    基礎助産学�供雰疎屐Φ’宗�

科目番号40053担当教員名東　敬次郎単位2単位
科目群専門必修・選択必修開講期前期 対象年次1年
授業概要
助産師は、妊娠・分娩・産褥期だけでなく、思春期から老年期といったライフステージ全般における女性のケアに関わる。したがって、各ライフステージにおける疾患を理解するために必要な基礎知識を習得する。
1.　幼児期〜思春期の学習：女性としての機能の分化・発達と女性特有の疾患の理解が、妊婦の異常の把握にも重要である。
2.　性成熟期の学習：子宮筋腫、不妊症、不育症や性感染症など妊娠中、母児に影響を与える可能性のある疾患を理解する。
3.　更年期・老年期の学習：分娩を終えた時期における疾患の理解も重要である。例えば乳癌や子宮体癌は、妊娠・授乳の経験のない女性で多い。女性の生涯と通じた分化・発達・老化の理解が重要である。
到達目標
●知識(理解)
助産師として患者様に接する際、必要とされる知識を習得する。とくに、下記の知識の習得が重要である。
1.　骨盤内臓器の形態および機能を説明できる。
2.　ライフステージ全般における内分泌変化ならびに疾患を説明できる。
3.　母子における免疫機構や感染を説明できる。
4.　卵子の発生から妊娠に至る過程の変化を説明できる。
5.　遺伝に関する基本的な用語の意味と遺伝性疾患の種類が説明できる。
6.　性感染症の原因と症状を説明できる。
7.　不妊症について原因や治療、生殖補助医療技術について説明できる。

●態度(関心・意欲)
患者様は、妊娠中の検診時、陣痛発来のために入院したとき、産褥期などに不安と心配を抱く。助産師として患者様の支えとなり、患者様の肉体的・精神的状態を積極的に把握する意欲と優しい心配りができる。

●技能(表現)
1. 妊娠中の患者様(膣の痒みや外陰部の痛みなど)や胎児(先天性感染)に影響しうる性感染症について、適切な説明とアドバイスを提供できる。
2. 内分泌学的知識に基づいて、乳汁分泌や子宮復古の良否を説明できる。
3. その他、思春期(10歳代)の妊娠の援助、産後に注意すべき疾患などの多様なアドバイスができる。

●思考・判断
1. 例えば40歳以上の高齢初産婦など長期に不妊であった妊婦の場合に、遷延分娩の可能性、帝王切開術の必要性など総合的に思考し、異常の発生を早期に判断できる。
2. 新生児に先天性の異常を認めた場合、遺伝性疾患、妊娠中の先天感染、妊娠中に服用した薬剤の影響など多くの考慮すべき事項を検討できる。
3. 子宮に奇形がある妊婦での早期流産(不育症)、子宮筋腫の核出術後妊娠における子宮破裂の可能性など、妊娠〜分娩〜産褥における産科的異常を考慮し、備えることができる。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】性器の形態的特徴と男女差講義
(詳細な内容のスライドを表示します)		骨盤内臓器について事前学習しておく。
教科書で授業内容を復習する。
【2】性周期における内分泌変動講義
(ダイナミックなホルモン分泌を詳説)		性周期について事前学習しておく。
教科書で授業内容を復習する。
【3】卵巣機能講義
(卵巣機能をスライドで説明します)		性ホルモンの種類について事前学習しておく。教科書で授業内容を復習する。
【4】卵子の発生から妊娠講義
(なぜヒトは妊娠するのかを解説)		減数分裂について事前学習しておく。
教科書で授業内容を復習する。
【5】妊娠分娩産褥における内分泌講義
(スライドで表示します)		乳汁分泌機構について事前学習しておく。
教科書で授業内容を復習する。
【6】不妊症及び生殖補助医療講義
(30年の経験に基づき最新の知識を)		不妊症および生殖補助医療技術に関する最新の情報を調べておく。教科書で授業内容を復習する。
【7】母子免疫講義
(スライドで表示)		液性免疫と細胞性免疫の違いを調べておく。教科書で授業内容を復習する。
【8】母子と感染講義
(なぜ感染するといけないのかを詳説)		妊娠中の感染経路について調べておく。
教科書で授業内容を復習する。
評価方法
すべての授業の終了後に、筆記試験を実施する。合否判定はこの筆記試験のみ(100%)に基づいて行う。病欠を除き全ての授業に参加してほしい。出席点はない。筆記試験は、助産師国家試験と同様の形式の選択式が中心となる。スライドでの授業内容は、学生の理解のため、特に非常に詳しくしている部分もある。しかし試験内容は、国家試験に合格することを第一目標に、教科書の内容に準拠している。助産師としての充分な知識の習得が目的であり、試験のための勉強は求めない。
教科書
助産学講座第2巻：母子の基礎科学(我部山キヨ子ら編、医学書院、2015年)、助産学講座第3巻：母子の健康科学(我部山キヨ子ら編、医学書院、2015年)、助産学講座第6巻：助産診断・技術学II：妊娠期(我部山キヨ子ら編、医学書院、2015年)、助産学講座第7巻：助産診断・技術学II：分娩期・産褥期(我部山キヨ子ら編、医学書院、2015年)
参考図書
最新産科学：正常編(荒木勤著、文光堂、2012年)、最新産科学：異常編(荒木勤著、文光堂、2015年)
備考
徳島大学医学部で20年間教鞭ととり、医学部、歯学部、看護学科(当時は医療短期大学部)で医師、歯科医師、看護師を目指す学生を教えました。また、その後、赴任した徳島市民病院では徳島大学医学部の学生の実地教育、徳島文理大学学生の助産学実習(分娩と外来での妊婦健診)を15年間してきました。この間、年間500例の産婦人科手術、年間600例の分娩を行いました。これらの極めて豊富な臨床経験から、学生諸君が将来就職する病院での仕事の内容や、対処方法をお教えできると自負しています。★オフィスアワー：毎週月曜日の16：30〜18：00　(ただし、金曜日以外は21時ころまで研究室(11階の一番奥の部屋)にいますので、いつでも質問があれば来室してください。)