徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    食品機能学

科目番号54763担当教員名杣 源一郎単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期前期 対象年次3年
授業概要
【授業概要】1995年に公布・施行された科学技術基本法に基づいて、政府は2001年(平成13年)に科学技術基本計画を決定した。本計画の基本理念の一つとして「疾病の治療に加え、予防に力を入れ、病気を未然に防ぐことで、健康を維持でき、生活の質を向上できるようにすることが必要」とし、わが国の目指すべき国の姿を「知の創造と活用により世界に貢献できる国」「国際競争力があり持続的発展ができる国」「安心・安全で質の高い生活のできる国」の3つとした。さらにこれを「疾病の予防・健康の維持」から達成するための第1具体的課題に食糧・食品問題を上げている。
以上の点は食物の中に、第3次機能としての生体機能調節を強く期待するものと捉えることができる。実際に特定保健用食品、機能性食品が広範に市場化されることに見られるように、食の機能性に対する期待と関心は急速に高まっている。
そこで本講義では食物・食素材の第3次機能に焦点をあてて、食素材・或いは成分の期待される機能やその作用機構を取り上げ最新の知見を含め概説する。
【到達目標】講義を通じて健康・栄養食品アドバイザーの資格取得に足る基礎知識の習得を目標とする。
到達目標
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】食品の3つの機能について説明する。なかでも生理的機能(三次機能)を説明する。講義、演習 
【2】食品成分の生理機能に関連して、生理機能の検定、分類について解説する。  
【3】保健機能食品について、背景・法律の点から説明する。  
【4】酸素分子について学ぶ。酸素分子は人間が生きていくうえで必須の物質であるが、同時に生物にとって有害な作用をもっていることを説明する。  
【5】酸素が生体に及ぼす作用を理解するため、光の性質を中心に量子論の基礎を説明する。  
【6】原子構造を量子論を踏まえて説明する。電子の移動に伴ってエネルギーが放出されることを理解する。エネルギーが放出されることによる生体への影響について説明する。  
【7】酸素が特殊な分子であることを電子配置の上から理解する。活性酸素とは酸素がどのような状態になったものであるかを電子の配置から説明する。   
【8】活性酸素がどのような機構で生体高分子を破壊するかについて説明する。過酸化脂質やその他のラジカルが活性酸素からどのように生成するかについて理解する。  
【9】抗酸化機能がどのような分子によって達成されるか、例を挙げて説明する。  
【10】食品成分のなかで抗酸化作用をもつと考えられる物質について紹介する。  
【11】機能性食品の効果を評価するための試験のデザインについて説明する。  
【12】具体例をあげて機能性食品の効果を評価する実験系に関して説明する。  
【13】機能性食品の効果を評価するための臨床試験のデザインについて説明する。  
【14】機能性食品の効果を評価するうえで研究デザインと結論の強さとの関係を説明する。  
【15】まとめ  
評価方法
筆記試験
教科書
『食品機能学』  青柳 康夫 建帛社
参考図書
適宜配布
備考