徳島文理大学

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徳島文理大学短期大学部

【科目名】    日本文学B(小説)(2年)

科目番号51901担当教員名西田 誠単位2単位
科目群専門必修・選択選択開講期前期 対象年次2年
授業概要
〈小説〉は単なるお話ではない。〈小説〉という形でしか伝えられないことを伝えようとする〈コミュニケーション〉の手段である。 作者が伝えようとするところを〈読む〉ために、ひとつひとつの「ことば」がいかに大切であるかをまずは知ること。そして〈ことば〉について学ぶとともに、作品の〈読み〉を通じて自らの価値観をより多様にすることが目的である。
到達目標
取り上げる文学作品について、正確な解釈を行う。これを教材毎に試験を行い確認する。
授業計画授業形態授業時間外学習
【1】はじめに(授業の目的と方法について)講義 
【2】よい作品とは? (受講者の読書経験)  
【3】〈読む〉とは?
  「読む」ということについて、誤解している場合が少なからずある。作者の言いたいところをではなく、作品の表現を通して論理的に創造することが「読む」という作業である。授業の前提としてこのことを確認する。
  
【4】小説の形式について  
【5】『ごん狐』1
   『ごん狐』は、新美南吉の代表作として小学校国語科の教材として長く採用され、誰もが読んでいる作品である。平易な表現であるにもかかわらず、緻密な構成と優れた表現であり、鑑賞するだけでなく、読解力を養成に適している。
  
【6】『ごん狐』2  
【7】『山月記』『名人伝』1
 中島敦の作品は、ストーリー性ではなくその〈表現〉に対して、海外からも高く評価されている。朗読を聞くことによって、ストーリーではなく、その表現を味わうという日本文学の特質を実感できる。
  
【8】『山月記』『名人伝』2  
【9】『ちいちゃんのかげおくり』
  戦争の現実を描いた作品であり、これも小学校国語科の教材として採用される。作品の読みを通して、社会における文学の役割、可能性と限界とについて考える。
  
【10】ノンフィクション
  ノンフィクションは事実をもとにして描かれたお話であり、決して事実をそのまま描いているわけではない。このことは報道にも言え、書き手の主観の存在、また、「事実」と「真実」との関係について考えなければならない。
  
【11】『雨月物語』1
  近世(江戸時代)の散文作品の最高峰の一つ。これを読むことは決して容易ではないが、解釈力が養成され、そして、作者秋成が提起する人間性の問題を考えずにはいられず、多様な価値観を見出すこととなる。
  
【12】『雨月物語』2  
【13】 世界の名作
  『トム・ソーヤーの冒険』『赤毛のアン』『宝島』『不思議の国のアリス』など、いわゆる「名作」と呼ばれる海外の作品について紹介する。海外の文化を知るために、文学作品は適した教材である。
  
【14】「忠臣蔵」
  誰もが知っているもの。いわゆる「教養」の一つとして「忠臣蔵」を取り上げる。
  
【15】〈文学〉とは何か?  
評価方法
期末課題として、自らの文学観を含めた作品論のレポートを課し、これを評価する。
教科書
 配布資料によるが、教材により各自で購入する必要もある。
参考図書
授業にて適宜指示する。
備考