徳島文理大学 | Webシラバスシステム |
TOP | 戻る | |
徳島文理大学短期大学部 |
科目番号 | 12088 | 担当教員名 | 佐原 玉恵 | 単位 | 11単位 |
---|
科目群 | 専門 | 必修・選択 | 選択 | 開講期 | 後期 | 対象年次 | 4年 |
---|
授業概要 |
---|
妊産褥婦および新生児とその家族を対象に、助産過程を展開する。対象の個別性や生活背景を考慮した助産ケアを実践し、評価する能力を習得する。助産実践に必要な基本的理論・知識・技術を統合理解することはもちろん、よりよい助産ケアを追求する態度を修得する。 |
到達目標 |
1. 知識・理解:1)助産の対象となる妊娠・分娩・産褥・育児期にある女性、子ども、パートナー、家族を身体的・心理的・社会的に統合された全体的な存在として理解できる。2)妊娠期から産褥1か月までの母子の健康状態をアセスメントし正常経過と正常経過からの逸脱について理解することができる。3)個別性や生活背景を考慮した助産ケアの実際が理解できる。4)産科病棟の助産業務管理について理解できる。5)開業助産師の業務・助産ケアの実際や、より良い助産ケア・サービス提供のための管理・運営方法について理解できる。6)ハイリスク新生児とその家族を対象に、助産実践に必要な理論・知識・技術・態度を理解できる。 2.技能・表現:1)対象となる妊産褥婦・新生児を受け持ち、妊娠・分娩・産褥・新生児期の助産ケアを安全に実施し評価できる。2)産婦健診・母子訪問時の健康診査・助産ケアを安全性・快適性に配慮して実践できる。 3. 思考・判断:1)対象となる妊産褥婦および胎児・新生児の健康状態を診査し、助産診断・ケアの計画・実施・評価ができる。2)特に分娩期は分娩経過の判断と予測に基づいた助産過程の展開ができる。3)帝王切開術時の助産ケア、新生児蘇生法、異常発生時の判断と対応など緊急時に対応できる技術の習得の必要性がわかる。 4.関心・意欲・態度:1)助産ケアの対象者と信頼関係を築くことができる。2)助産ケアの実践時には対象の気持ちを尊重した態度で接することができる。3)助産師としての倫理感を持つことができる。4)助産師・医師など関連職種との連携と協働を通して、医療チームの一員として行動できる。5)適切なアセスメント、よりよいケア実践のために自己研鑽続ける態度を習得する。 |
授業計画 | 授業形態 | 授業時間外学習 | |
---|---|---|---|
【1】 | 妊娠期(外来実習)/継続事例実習:継続妊婦を1例受け持ち、定期妊婦健康診査受診時の健康診査・保健指導などの実際を見学・実施する。母体・胎児の健康状態をアセスメントし、助産診断・計画を立案、実践、評価する。受け持った継続事例の分娩期・産褥期、退院後も継続して受け持ち、産婦健診、母子訪問、産科外来・小児科外来での1か月健診実習を行う。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院 | 【予習】授業・演習で学んだ妊産褥婦・新生児のフィジカルアセスメント、ケア技術について復習し、十分な自己学習を行う(各1〜2時間)。継続妊婦の助産診断・助産計画はすみやかに立案し、担当教員の指導のもと実習すること。妊婦健康診査日の数日前には保健指導計画を提出し、担当教員のチェックを受ける。修正箇所がある場合は修正し再チェックを受ける。反復練習を重ね実践する(2〜3時間)。必ず、担当教員または実習指導者の許可を得て実施する。【実施後】すみやかに評価し、次回健診に役立てる(1〜2時間)。 |
【2】 | 分娩期:分娩目的で入院された産婦を受け持ち、分娩開始・分娩時期・進行状態をアセスメントし、助産診断・助産計画を立案、実践、評価する。実習指導者の助言を受けながら、安全で安楽な分娩に向けて産婦を支援する技術を学ぶ。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院 | 【予習】受け持ち産婦の助産診断・助産計画はすみやかに立案し、実習指導助産師の指導のもと実習する(1〜2時間)。【分娩介助後】評価表をすみやかに提出し、指導助産師・教員の評価を受けること(1〜2時間)。分娩進行状態によって、昼夜問わず長時間の実習になるので体調管理に十分留意する。 |
【3】 | 産褥期:分娩介助した褥婦を退院まで継続して受け持ち、産褥期の健康状態をアセスメントし、助産診断・助産計画を立案、実践、評価する。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院 | 【予習】受け持ち褥婦の助産診断・助産計画はすみやかに立案し、実習指導助産師、担当教員の指導のもと実習する(1〜2時間)。 |
【4】 | 新生児期:分娩介助した褥婦と一緒に新生児を受け持ち、出生直後から退院までの早期新生児期の胎外生活への適応や健康状態をアセスメントし、助産診断・助産計画を立案、実践、評価する。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院 | 【予習】受け持ち新生児の助産診断・助産計画はすみやかに立案し、実習指導助産師、担当教員の指導のもと実習する(1〜2時間)。 |
【5】 | 予定帝王切開術:正常経過をとっている予定帝王切開術産婦を受けもち、術前・術中・術後の観察とケアを学ぶ。特に児出生時のケアの実際を学ぶ。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院 | 【予習】受け持ち産婦の助産診断・助産計画はすみやかに立案し、実習指導助産師、担当教員の指導のもと実習する(1〜2時間)。 |
【6】 | 管理実習:実習期間中に1日、看護師長またはリーダーと行動をともにし、病院における助産管理、周産期管理の実際を学ぶ。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院 | 【予習】実習目的を確認し、事前学習して実習する(1〜2時間)。【実施後】振り返りを大切にし学びを記録にまとめる(1〜2時間)。 |
【7】 | NICU・GCU実習:実習期間中に1日間、新生児医療やハイリスク新生児のケアの実際を見学・実践を通して学ぶ。 | 実習:徳島市民病院 | 【予習】実習目的を確認し、十分な事前学習して実習する(1〜2時間)。【実施後】振り返りを大切にし学びを記録にまとめる(1〜2時間)。 |
【8】 | 助産所実習:2日間の宿泊実習をする。地域で生活する母子や家族を対象に、助産実践に必要な技術・態度、継続的な母子への援助方法を学習する。また、有床助産所における助産管理の実際を見学や実践を通して学び、望ましい援助や助産業務管理のあり方を考える。最終日には実習指導者とカンファレンスを実施するので学びをまとめ発表する。 | 実習:NPO法人いのちの応援舎 ぼっこ助産院(高松市) | 【予習】実習目的を確認に持ち、十分な事前学習して実習する(1〜2時間)。【実施後】振り返りを大切にし学びを記録にまとめる(1〜2時間)。 |
【9】 | ミーティング:毎日の実習を振り返り、各々の学生が経験したこと、疑問などを共有し、各期にある女性と家族への支援、助産師の役割などについて、学びを共有し深める。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院、ぼっこ助産院 | 【予習】実習では日々の振り返りを大切にし、自己課題を明確にして取り組む(1〜2時間)。 |
【10】 | 中間・最終カンファレンス(実習病棟・学内):受け持ち妊産褥婦・新生児および家族への助産実践を振り返り、今後の課題を明確にする。また、学生各々の実習経験を共有し、望ましい助産ケア、求められる助産師の役割についての学びを深める。 | 実習:徳島市民病院または徳島赤十字病院 学内カンファレンス | 【予習】グループダイナミックスを生かして学びを共有し実習に役立てる(2〜3時間)。カンファレンス資料は助産過程や実施したケアの評価、学びについて簡潔明瞭にまとめる。わかりやすい発表を行い評価を受ける(2〜3時間)。【実施後】助言を受けて助産診断・ケア計画を修正する(2〜3時間)。学びを記録にまとめる(1〜2時間)。 |
評価方法 |
---|
1)分娩介助終了直後に評価表を用いて自己評価・実習指導者評価・教員評価を面談で行いフィードバックする。評価後は自己の課題と解決策を考えて次の分娩介助に備える。 2)助産学実習評価表に基づき、助産診断・技術、実習記録、カンファファレンス資料、実習態度、自己課題への取り組み状況などを実習担当教員が総合的に評価する(100%)。 3)単位認定には正常分娩の直接介助10例以上、間接介助3例程度、帝王切開術事例1例、継続妊婦事例1例の経験をしてい ること、及び出席時間数が4/5以上であることが必要となる。 4)実習記録等は提出期限を厳守すること。 ※実習期間中に正常分娩10例以上の直接介助できない場合は追加、延長実習を行うこともある。 |
教科書 |
我部山キヨ子・武谷雄二編:助産学講座6〜10(医学書院)、日本助産診断・実践研究会編:実践マタニティ診断 第5版 (医学書院)、日本助産診断・実践研究会編:マタニティ診断ガイドブック 第6版(医学書院)、北川真理子編:今日の助産 改訂第4版(南江堂)、平澤美惠子監修:新訂版写真でわかる助産技術アドバンス(インターメディカ)、石村由利子編集:根拠と事故防止からみた母性看護技術 第3版(医学書院)、吉沢豊予子:マタニティアセスメントガイド 新訂第5版(真興交易(株)医書出版)、日本助産師会編集:助産業務ガイドライン2019(日本助産師会出版)、武谷雄二:プリンシパル産科婦人科 産科編 第3版(メジカルビュー)、藤森敬也:胎児心拍数モニタリング講座:大事なサインを見逃がさない 改訂第3版(メディカ出版)、医療情報科学研究所編:病気がみえるvol10 産科(メディックメディア)、 金井雄二朝これから始める周産期超音波の見かた(メディカ出版)、福井トシ子編:新版助産師業務要覧 第3版 基礎編・実践編・アドバンス編(日本看護協会出版会)、日本助産師会編:助産業務ガイドライン2019(日本助産師会出版)、細野茂春監修:日本版救急蘇生ガイドライン2020に基づく新生児蘇生法(メジカルビュー社)、NPO法人日本ラクテーションコンサルタント編:母乳育児支援スタンダード 第2版(医学書院)、戸田律子訳:WHOの59カ条お産のケア実践ガイド(農文協) |
参考図書 |
日本産科婦人科学会監修:産婦人科診療ガイドライン 産科編2020(日本産科婦人科学会)、日本助産学会:エビデンスに基づく助産ガイドライン-妊娠期・分娩期2020、厚生労働科学研究:科学的根拠に基づく快適で安全な妊娠出産のためのガイドライン 改訂版、久具宏司監修:周産期ビジュアルナーシング(学研) その他、随時紹介する。 |
備考 |
---|
【科目ナンバー】DBMW409P ※助産師教育課程選択履修する方は必修科目です。 ※詳細は助産学実習要項を参照のこと。 実習時期:4年次7月下旬〜10月上旬、実習期間:11週間 実習場所:徳島市民病院・徳島赤十字病院・いのちの応援舎ぼっこ助産院 指導教員:佐原玉恵・三倉啓子・猪上梨沙・他非常勤講師 【実務経験】 佐原玉恵:1987年4月〜2000年3月徳島大学病院助産師、2000年4月〜2001年3月徳島大学病院看護師、2001年4月〜2001年10月徳島大学医療技術短期大学部助手、2001年10月〜2008年3月徳島大学医学部保健学科看護学専攻助教 三倉啓子:1990年4月〜2019年4月阿南共栄病院助産師、2019年5月〜2021年3月阿南医療センター助産師 猪上梨沙:2008年4月〜2023年3月 徳島赤十字病院助産師 非常勤講師は助産師実務経験者である。 【オフィスアワー】佐原玉恵:木曜日(16:00〜17:00)、三倉啓子:金曜日(13:00〜16:00)猪上梨沙:火曜日(15:00-16:00)、 |