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	徳島文理大学短期大学部

【科目名】保健統計学Health Statistics

科目番号	12205	担当教員名	橋本　文子	単位	1単位

科目群	専門	必修・選択	選択	開講期	後期	対象年次	3

授業概要
健康を評価し、問題を解決するために統計的な推論が応用できる基礎的知識や考え方、技術を学ぶ。疫学調査方法とデータの型、分布型の組み合わせによる様々な局面に応じた統計解析法を習得する。代表的な健康指標、傷病統計のデータに基づき、保健施策や保健計画など実際の活動に結びつけて活用できる保健統計技術を習得する。
到達目標
1.知識（理解）保健医療情報管理の社会的・経済的・政策的側面の問題やそのあり方を理解できる。　　　　　　　疾病対策や医療計画に活用できるデータベースを理解し、データ取り扱いの倫理原則を説明できる。 2.技能（表現）データを統計処理し適切な図表を作成することができる。 3.思考（判断）一般的な統計的方法を用いた適切な図表の選択・作成、研究報告の統計分析結果の解釈ができる。　 5.関心（態度）主要統計資料の公衆衛生看護活動への活用方法についてグループメンバーと討論できる。

授業計画		授業形態	授業時間外学習
【1】	保健医療情報の管理：保健医療情報に関する法令・指針・原則演習で使用するSSDSE-A（データサイエンス教育のための汎用素材として公開している統計データ）出典「統計でみる都道府県・市町村のすがた（社会・人口統計体系）」ついて解説する。保健統計を地域診断にどのように活用するのか「地域診断シート」を用いて解説する。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：保健医療情報に関する法令・指針（個人情報の保護法、住民基本台帳法、倫理指針）の概要についてノートに整理する。復習：SSDSE-Aの市町村別・多分野データ、都道府県別、多分野データを閲覧して、関心があるテーマについて地域間比較した表およびグラフを作成する。
【2】	保健医療情報の収集：人口統計の基礎/保健統計調査健康指標を作成するために必須となる統計資料について学ぶ。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：テキストの4章を読み徳島県または徳島市の人口静態統計、人口動態統計について経年的変化をまとめる。復習：基幹統計調査について法的根拠および調査内容を一覧表にまとめる。
【3】	保健医療情報の収集：人口統計の基礎/保健統計調査健康指標を作成するために必須となる統計資料について学ぶ。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：基幹統計以外のその他の保健統計調査について法的根拠および調査内容を一覧表にまとめる。復習：課題レポート（年齢調整死亡率間接法をExcelを用いて算出する）
【4】	疾病登録の意義と目的：がん登録がん登録等の推進に関する法律について学ぶ。また、がん登録情報やん検診受診率等の情報が公衆衛生看護活動にどのように活用されているかを学ぶ。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：「政府統計の総合窓口（e-Stat）」「がん情報センター」を閲覧し各種統計資料の検索ができるようにしておく。復習：課題レポート（がん罹患数や各種がん検診受診率の経年変化を表に整理し結果をアセスメントする）
【5】	統計調査の表現・解釈における留意点データの図表の作り方、統計学上の解釈における留意点を事例を用いて学ぶ。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：テキスト7章「統計学の基礎」を読み統計データの種類とグラフの特長を一覧表にまとめる。復習：既習の統計学の基礎知識について演習問題を解きノートに整理する。
【6】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析地域診断に必要な健康指標について経年的な推移を数値や分布で示す資料を作成し健康課題をアセスメントする。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：関心がある市町村のホームページ、政府統計の総合窓口から人口静態・人口動態のデータを収集し地域診断シートに整理する。復習：さらに地域診断に必要となる情報を検索し地域診断シートに追加する。
【7】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析健康指標をグラフ化した資料を作成し、健康課題の適切性・妥当性をグループワークで検討する。	講義・演習、グループワーク	予習・復習は各1時間程度である。予習：死亡統計のアセスメントをもとに最優先される健康課題について考察しレポートにまとめる。復習：グループワークの学びをもとに健康課題の資料を視覚的に分かりやすく修正する。
【8】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析がんの死亡統計や各種がん検診受診率について性別や年齢別、年次推移等の観点からアセスメントし、グループワークを通してがんに関する健康課題を検討する。	講義・演習、グループワーク	予習・復習は各1時間程度である。予習：市町村のホームページ、政府統計の総合窓口、がん情報サービスから各種がん検診受診率のデータ収集し整理する。復習：がんに関する健康課題について、取り組む優先順位について考察し地域診断シートに追加する。
【9】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析がんに関する統計資料を地域間および国と比較した資料を作成する。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：健康課題の優先順位が高いと判断するがんについて、その背景理由を説明するためにはどのような情報が必要かを考え入手する方法を検索する。復習：地域間で比較する場合に必要となる年齢調整につい実際のデータを用いて国を基準集団として算出する。得られた結果を地域診断シートに追加する。
【10】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析人々の保健行動や健康意識に関するデータを収集する方法について学び、二次資料を検索する。	講義・演習	予習・復習は各1時間程度である。予習：がん検診受診行動に関する住民の意識について、既存のアンケート調査報告等からデータ収集し地域診断シートに追加する。復習：市町村のホームページ、健康日本21、国民生活基礎調査等を調べて地域診断シートに情報を追加する。
【11】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析健康指標に関する量的データと質的データを整理した資料を作成する。グループワークを通して健康課題を総合的にアセスメントし最優先課題を決定し介入方法を検討する。	講義・演習、グループワーク	予習・復習は各1時間程度である。予習：健康課題に介入した場合と介入しなかった場合に予測されることを考察し地域診断シートに追加する。復習：健康課題の解決・改善に寄与する介入方法を整理して地域診断シートに追加する。
【12】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析根拠のある方法輪に基づいてアセスメントし作成された地域診断シートを「住民にエビデンスを見せる」という観点からブラッシュアップする。	講義・演習、グループワーク	予習・復習は各1時間程度である。予習：今までに作成してきた地域診断シートをA3判1枚におさまるように整理する。復習：授業での学びをもとに地域診断シートA3判1枚を修正する。
【13】	既存資料（人口静態統計、人口動態統計、その他の統計調査資料のデータ）を用いて統計処理および分析ブラッシュアップした地域診断資料（A3判1枚）とパワーポイント資料をもとにグループワークを通してピアレビューする。グループワークは①アセスメントに基づく健康課題の明確化②取り組む根拠の図表化と説明③優先度と望む成果の説明の観点から検討する。	講義・演習、グループワーク	予習・復習は各1時間程度である。予習：「保健統計と公衆衛生看護活動の関連についての学び」をテーマにパワーポイント資料を作成する。復習：授業での学びをもとに地域診断およびパワーポイント資料を加筆修正する。
【14】	プレゼンテーション授業の成果物（地域診断資料とパワーポイント資料）をもとにグループワークを通してピアレビューする。	グループワーク	予習・復習は各1時間程度である。予習：プレゼンテーションの予演を行い、振り返りと内容の修正を行う。復習：「学習過程と成果を振り返り今後の学習課題」について考察しレポートにまとめる。
【15】	プレゼンテーション授業の成果物（地域診断資料とパワーポイント資料）をもとにグループワークを通してピアレビューする。	グループワーク	予習・復習は各1時間程度である。予習：プレゼンテーションの予演を行い、振り返りと内容の修正を行う。復習：「学習過程と成果を振り返り今後の学習課題」について考察しレポートにまとめる。

評価方法
評価方法：試験60％、課題レポート40％試験の解説・レポートの講評はGoogleクラスルームにおいてフィードバックする。
教科書
「看護学生のための疫学・保健統計」（南山堂）
参考図書
「国民衛生の動向」「公衆衛生がみえる」

備考
①【オフィスアワー】水曜日（16:30～18:00）橋本研究室 ②【科目ナンバー】DBPN305S ③【実務経験】1982年～1999年　徳島県保健所保健師